船がゆれることにより耳の三半規管が刺激され自律神経の失調が起こることにより発生する。
めまいや吐き気などが起こるが、その症状の重さは個人差がかなり大きく、他の人が酔っている状況でも大丈夫な人もいる。船酔いの程度には体力は関係なく、船酔いしやすい人が酔い難くするよう「鍛える」ことも難しい。
完璧に防ぐのは難しいが、空腹になりすぎないようにし、水分を適度にとり、服装も締め付けの少ないものにする等でリスクがある程度抑えられる。また、船の中でゆれの少ない場所に居ること、メンタルを前向きにすることを心がけることも大事である。
一般に大きな船より小さな船の方が起こりやすい。何故なら、小さい船はより波による抵抗を受けやすいからである。また、船首や船尾よりも中央部の方が揺れにくく、したがって船酔いも少ない。
また、船舶の揺れは波による長期的周期の揺れ(海洋性地震に近い)であることが多く、このことが船酔いしやすい元凶という説もある。ジェットコースターなどは、短時間かつ短間隔の激しい揺れのタイプであることから、船酔いしやすい人でもジェットコースターは平気、なんてことも往々にしてある。
近年の長距離フェリーやクルーズ客船は大型化の傾向にあり、加えてフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)やビルジキール(ローリング防止装置)を船舶に備えることで、船客の船酔い防止に努めているが、それでも多少の波の影響は受けるものであり、また精神面による影響も指摘されるため、完全に防止することは21世紀の今でも難しい。
また、波は一般的に湾内より外洋の方が荒く、外洋を多く走る航路ほど酔いやすい傾向にある。国内で「ゲロ船」の汚名を着せられる船として著名な航路には、小笠原航路、与那国航路、西表航路(上原港行き)などがある。船酔いが激しい人は同じルートを通る飛行機を利用したり、より波の少ない内湾寄りの航路を利用するなどの手立てがあるが、小笠原航路などは20時間以上外洋に晒される上、これ以外に渡航手段が無いので覚悟するしかない。