榊由美子
さかきゆみこ
グリザイアの果実に登場するキャラクター。立ち位置的にはメインヒロイン…のはず。
概要
雄二と同じ2年生。美浜学園創立時から在籍する最古参の生徒。
凛とした容姿をしており、優雅な所作から育ちの良さが感じられる。
趣味は読書と写生。学内では常に本を読んでいるが、たまに読むフリだけのこともある。
常に無愛想で刺々しい雰囲気(天音曰くバリアー)を発しており単独行動を好む。
そのため人から苦手意識を持たれやすく、普段はあまり話しかけられることもない。
一方で全員参加のイベントなどにはちゃっかり居たりしており付き合い自体は悪くなく、
その実仲間と認識した相手を守ろうとする気持ちは強い。
自分のテリトリーに新たに現れた正体不明の異性である雄二を敵視しており、
常に持ち歩いているカッターナイフで威嚇したり、時には切りかかったりしてくる。
家事全般は不得意でカップ焼きそばの湯切りさえ失敗するほど不器用。
基本的に趣味の写生と学園以外には用がないなら出歩かず、夜は部屋でネット三昧の半ひきこもりで
休日の前日は徹夜でネットして朝にベッドに入るという典型的ダメ人間。
加えて怖い話全般が苦手でビビリのうえエロ動画の収集が日課のムッツリスケベと
完璧そうな見た目とは裏腹に人間性能はかなりのポンコツである。
センターにしてネタキャラ
『果実』ではメイン格の立ち位置であるセンターを務めながら
基本的には常識人の類なのでぶっ飛んだ他のキャラと比べると地味な印象が拭えなかったが
『迷宮』からはぼっちネタ、金持ちネタでいじられることが増え、ネタキャラ化が進む。
『楽園』ではついにコードネームがボッチになり、由美子=ぼっちキャラが定番化した。
無論ただのぼっちコミュ障のカッター女というだけではなく、その頭脳を生かして
5人のヒロインの中心に立つという意味では立派にセンターの役割を果たしている。
ただ、シナリオ的なメインヒロイン要素が他に奪われぎみなのは否めないが…
外の人ネタ
『化物語』のヒロイン、戦場ヶ原ひたぎにそっくりであると一部のファンからネタにされている。
これはキャラデザが同じ人(渡辺昭夫)なのと、由美子の外見的特長が良く言えば定番、
悪く言えばありきたりな黒髪ロングのお嬢様という点しかないという事情もある。
以下ネタバレ
過去(ネタバレ)
父は戦後に一代で大企業の座にのし上がった鉄道企業「東浜グループ」の二代目。
母は「家柄」という箔だけを目当てにした父に半ば身売りのように嫁いだ没落旧家の娘。
二人が子を成したのは愛情とはほど遠いただの跡取り作りでしかなく、
生まれたのが跡継ぎの資格のない女であったため、由美子は望まれない子として
父とは会うことすら稀、父の財産にぶら下がる母の両親と同居し冷遇されて育つ。
生来体の弱かった母は出産で体調を崩し入院生活を余儀なくされており、
母との面会の時間が由美子の心の支えとなっていた。
だが、母に次子が望めないとわかった父は母に離婚を突きつけ、そのショックで母は昏睡状態に陥り
父母の離婚は成立しなかったものの以後父が家に戻ることは二度となく、
母の意識が戻らないまま家庭は完全に冷え切り由美子は絶望の日々を送る。
高校に上がる頃、父の使いが由美子の前に現れたことで
由美子は父とともに暮らすようになり、いわゆるお嬢様学校へ転入する。
最初は淡々と日々を過ごす由美子だったが、父の謝罪を受けたことで心動かされ、
幸せになってもいいのかもしれないと思うようになる。
だが、実際は跡継ぎになる予定だった愛人の子が死んでしまったため急遽跡取り役として
由美子に白羽の矢が立っただけで愛情など微塵もなく謝罪すら心理学者の指示に従っていただけ、
友達だと思っていた同級生たちもコネ作りのために由美子に媚びていただけであった。
ハッピーエンドなど、求めるべくもなかったのだ
冷たい現実を目の当たりにしたことで由美子は人間不信に陥り、
同級生をカッターナイフで傷つけるという事件を起こしてしまう。
事件は示談でもみ消されたものの、以後由美子は父の監視下の「鳥籠」である美浜学園に送られ
夢も希望もない籠の鳥として生きることを余儀なくされるのだった。
なお、経営側の人間である彼女は美浜学園に来る生徒の情報をあらかじめ先に知らされている。
だが雄二のプロフィールだけは偽装だらけだったため彼に対する不信感を強め、
仲間たちの過酷な事情を理解しているが故に自らが矢面に立って雄二を排除しようとしたのだった。