概要
『怪獣王ゴジラ』と言っても初代の海外版ではなくデラックスボンボンで1992年~1993年にかけて連載されていた漫画である。
作者は河本ひろし。単行本は全2巻発売した。
内容はゴジラが悪の科学者が作った怪獣達と戦うと言うオリジナルストーリーとなっている。また世界観は不明だが繫がりが無いはずの昭和シリーズと平成シリーズの怪獣が同時に登場している等独特なもので、またバラゴン等のようにゴジラ以外の怪獣と戦った怪獣も登場している。
本作では怪獣の言葉に翻訳をつけるなど、擬人的な表現を用いている。
ストーリー
世界征服を企む悪の科学者マッド鬼山は人工的に怪獣を生み出した。内閣安全保障室に直属する対ゴジラ部隊のGチームとゴジラは鬼山が作った怪獣達と激闘を繰り広げていく。
登場キャラクター
主人公サイド
毎度おなじみの怪獣王。このゴジラの生い立ちは不明だが身長は4代目と同じく100m。悪名高い怪獣なのだが今作では直接人類に危害を加えるような事は無く、鬼山の怪獣達と戦う。たまに鬼山に操られた事もあった。
武器は放射熱線や怪力などだがキングギドラ戦ではヌクレアタイフーンと言う口から吐く竜巻状の風に敵を巻き込みダメージを与える技を披露した。
一度だけ元の姿である恐竜ゴジラザウルスに戻された事があった。
- 神子日出雄(かねこ ひでお)
本作の主人公。怪獣好きで友達の信市と絵美子からは「怪獣博士」や「ゴジラ博士」等と呼ばれている。時には人を護る為なら、自分の身の危険も顧みず、立ち向かっていく勇気も持っている。
またゴジラに関する知恵は他人よりも優れており、それでゴジラを救った事もある。
- 神子陽介(かねこ ようすけ)
日出雄の兄であり、安全保障室直属のGチームのリーダー的な人物。階級は一佐。
戦闘ヘリやメーサーヘリに搭乗して、仲間達と共に人工怪獣に立ち向かう。何か事件が起こった時はゴジラの仕業ではないかと疑う事もあるが、時にはゴジラに加勢して助けた事もある。
- リンダ・ミラー
途中から登場。国連科学委員会(怪獣総進撃の組織と同じかは不明)から派遣された女性科学者。
勘が鋭い事もある。
- マシーンG(ゴジラ)
Gチームと国連科学委員会が共同開発したゴジラ型のロボット兵器。翼を展開させる事で飛行する機能を持つ。武器はミサイルと強力なメーサービーム。キングゴジラとの戦いで陽介・日出雄・リンダの3人がパイロットとして搭乗した。
敵サイド
- マッド鬼山(まっどおにやま)
怪獣による世界征服を企む悪の科学者。かつては怪獣を研究していた科学者だったが、ある時に怪獣をコントロール出来るようにして各国に兵器として売りさばこうとして国際警察に指名手配された。
彼が作った怪獣達はかつて主にかつて日本に出現して破壊の限りを尽くしたり、人間、もしくはゴジラ、他の怪獣と闘って敗れた怪獣ばかりである。しかし、彼の手による再生・改造により、より巨大に、より凶暴になり、戦力や能力も何倍も強力になっており、ゴジラを何度も苦戦させた。
怪獣達を生み出して悪事を働くもゴジラとGチームによって潰されていく。また第5話の時に、25世紀からタイムマシンに乗ってやって来た子孫と共にアンギラスをけしかけてゴジラを倒そうとするもアンギラスごとタイムマシンを撃破された。その際、マッド鬼山は死亡したものと思われていたが、未来人の優れた医学によりサイボーグと化して生き延びていた。
サイボーグとなったその後も、人工怪獣をコントロールしてはゴジラとGチームに戦いを挑み、そしてG細胞からキングゴジラを生み出しそれに自らの脳を移植した。
第1話「マッド鬼山からの挑戦!」に登場。
鬼山が30年前にフランケンシュタインと戦って死んだ地底怪獣バラゴンの体組織から作った人工怪獣。
鬼山の改造で海で生きられるだけでなく100mにサイズアップしている。イッカクのような角やセイウチのような長い牙を持っているが耳は退化している。
第2話「ゴジラ怒りの放射熱線」に登場。
鬼山が新たに生み出したバイオ怪獣ビオランテの新種。エネルギータンクとパイプで繋がっている。
第2話「ゴジラ怒りの放射熱線」に登場。
シートピア海底王国の守護神であるメガロのクローンと思われる怪獣。鬼山により身長が100mにまで高くなっている。ネオ・ビオランテと共にゴジラに襲い掛かった。
第3話「メカ怪獣の狂騒曲」に登場。
鬼山が川崎海底トンネルの工事現場の近くで発見したゴジラを恨むブラックホール第3惑星人の電子頭脳を基にして制作した第3のメカゴジラ。
100mにサイズアップしただけでなくスペースビームやフィンガーミサイルなどの武装もパワーアップしている。かつてと同じくゴジラに化けて暴れたがメーサーヘリの攻撃で正体がバレる。
メカニコング2と共にゴジラを袋叩きにする。
第3話「メカ怪獣の狂騒曲」に登場。
かつてキングコングに破壊されたドクター・フーの電子怪獣メカニコングを復元したもの。
メカゴジラと同じく100mにサイズアップされ、コンビナートに出現した。
人質のホログラフィーを使ってGチームに手出しさせないようにした。
第4話「ゴジラ処刑される!?」に登場。
鬼山に改造されたと思われるラドン。アラブ油田地帯に爆弾を落としたり、ゴジラを捕まえて氷漬けにした。
第5話「怪獣VS恐竜!!」に登場。
恐竜博覧祭にて展示されていた新種のアンキロサウルスの化石に、マッド鬼山と彼の子孫がタイムワープ光線を照射して生き返らせ、更に怪獣進化促進剤を注射して怪獣化させたアンギラスで昭和シリーズでゴジラと共に戦ったアンギラスとは別の存在。
タイムワープ光線によりゴジラザウルスに戻されたゴジラを追い詰める。
第6話「WX星人の正体とは!?」に登場。
ゴジラと幾度か戦った宇宙超怪獣キングギドラの同族だが外見は『ゴジラvsキングギドラ』に登場した未来人製のキングギドラに酷似している。
他の個体と違って翼を振動させることで透明になる能力を持っており、この能力で日本、アメリカの軍事基地を襲撃した。WX星人を名乗る鬼山が操っており、透明能力と引力光線でゴジラを苦しめる。
第7話「赤い海の罠!!」に登場。
南太平洋にあるリゾートビーチに出現したエビラでかつての個体かは不明。
昆虫と甲殻類が遠い親戚に当たる為か鬼山によってトンボのような翅を移植されている。
体内に液体窒素を備えており、倒された直後にゴジラを凍結させた。
第8話「目ざめよゴジラ!!」に登場。
かつてゴジラと2度戦ったM宇宙ハンター星雲人の手下であるサイボーグ怪獣ガイガンが鬼山によって改造されたもの。鬼山が自ら搭乗している。
前回の戦いで氷漬けにされたゴジラを処刑前に洗脳して復活させ、共に暴れまわったが洗脳が解除されたゴジラと交戦、鬼山とゴジラが直接戦う事になった。
武器は両手の鎌、鎌を飛ばしたチェーンハンド、頭部の光線砲から発射される光線、腹部の回転鋸、ナパーム弾である。
- 合体怪獣キングゴジラ
第9話「史上最大の決戦(前編)」第10話「史上最大の決戦(後編)」に登場。
鬼山が回収したG細胞を基にクローンゴジラにキングギドラの首と足、バトラの翼、そして自らの脳を移植して完成させた不滅の最強怪獣。
ゴジラを上回るパワーを秘めており、一度はゴジラを破った。そのまま一気に世界征服を開始して街を滅茶苦茶にしていくがマシーンGと交戦、腹部にビオランテの顔を使って苦戦させる。だが復活したゴジラと再戦、火山の河口へ消えていった。