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2014-12-29 03:26:12 バージョン

かぶと

頭を防護するために被る防具・武具。

概要

兜とは、打撃・斬撃や飛来・落下物などから頭部を守るための防具

近代になって兵士の被る戦闘用ヘルメットへと変化した。


頭部には生命を左右する脳や喉などの急所、

他にも目・耳・鼻などの感覚器官があるため

実際の戦場では兜を装備しないと言うことはまず有り得なかった。

ただ昨今のアニメやゲーム、漫画などでは顔が隠れるという

ビジュアル的なマイナス点から装備していないケースが多く、

装備しているキャラクターは“戦闘職の人物”を強調するケースが多い。


兜の部位名称

  • 鉢(はち/スカル)

兜の本体ともいえる部位で、頭部急所である頭蓋を覆って保護する部位。


  • 錏(しころ/ナップガード)

後ろ側の首を守る部位。時代が下るにつれて鉢の後部から伸びたような形状になる。


  • 頬当(ほおあて/チークピース)

頭部(顔)の側面を保護する部位。鉢と一体成型であったり、

留め金で取り外し可能なものがあるなど時代ごとに形は様々。


  • 面頬(めんぼお/フェイスガード)

顔面部を守る部位。鼻だけ守るものや可動式のマスク型など形は幅広い。

視界や呼吸を確保するために必然的に切れ目や細かい穴を備えることになるが、

武器格闘技術が発達すると、その細かい隙間を狙う高等技も登場していく。


西洋の代表的な兜

  • スパンゲン・ヘルム

フランク人によって6世紀頃に登場。ヴァイキングもこのタイプの兜を使ったとされ、

そのためヴァイキングは“頭の尖った略奪者”と呼ばれることになった。

複数の鉄板を鋲で留めて形成してあり、頭頂部が丸いか水滴のように尖った形になる。

左右の頬当て・眼鏡型の面頬が付属しているものも多い。

実際に装備できたのは、貴族・豪族などの有力者クラスだったらしい。


  • ノルマン・ヘルム(カスク)

名称の通り、中性暗黒時代のノルマン人が使用した兜。

頭頂部が滴型に尖っており、頭蓋だけを守るシンプルな構造をしている。

兜の端一箇所から延長したように、鼻を守る面頬(ネーザル)が付属したものもある。


  • グレイト・ヘルム(バレル・ヘルム、オーム)

タル型の兜。円筒形の兜に視界を確保するための穴・スリットなどが開いている。

スッポリと頭を包むように乗せて重量を支える形のため首への負担が大きく、

視界が大きく損なわれ、さらに通気性も悪いため戦い続けると呼吸が辛くなる。

しかも開発された当初の形状は頭頂部が平らであるため、

剣で殴られた衝撃を分散しきれず頭に伝えてしまう。この衝撃に関する問題は、

のちに頭頂部を丸いまたは尖った形に作ることである程度解決した

(この尖った形状は“シュガールーフ”と呼ばれる)。

しかし金属の製造技術が向上したことにより兜も性能のよいものが新たに作られ、

性能の悪いグレイト・ヘルムはやがて実戦の場から廃れていった。

後世、騎馬を用いた武芸試合「ジョスト」用に再び脚光を浴びることになる。


  • バシネット

頭頂部が雫型・砲弾型に尖った兜で(丸いものもある)、顔面部が開いている。

14世紀前半から騎士の標準装備にもなった兜。

顔面部を守るようにバイザー(面頬)が付属しているタイプが多く見られ、

そのうち尖った鼻を備えたバイザーは“ハウンドスカル”や

“ピッグフェイス”と呼ばれる。構造上、グレイト・ヘルム同様に

兜の重量を頭のみで支えることになるため、首への負担は大きい。

バイザーが発明されない頃にはバシネットの上からグレイト・ヘルムを

重ねて被ることもあったため、その場合はかなりの重量を支えることになる。

このバシネットを強化したタイプに“ピコケット”と呼ばれるものがあるが、

この兜はバイザーが丸く作られており、喉と後ろ首を守るプレートが追加され、

後世のアーメット(後述)に類似した輪郭を持つ。


  • サレット(サーリット、サラド)

頭部上半分を覆うタイプの兜。兜の後頭部が後ろに長く伸びているのが特徴。

視界を確保するスリットが空いているか、又はスリットを備えたバイザーで目元を守る。

騎士などが板金鎧で重装備する場合は顔の下半分を保護する鎧とセットで装備したが、

徒歩で戦う軽装歩兵などはサレット単体で頭を保護した。


  • アーメット(アルメ、アルメット)

複数のパーツを組み合わせ、頭の形状に沿って作られた兜。

左右に開閉する頬当ての上からバイザーを重ね、顔面部を保護する。

この頃には板金鎧のプレート・アーマーが登場していたため、

アーメット兜を首の鎧に乗せて肩で支えることが可能となり、

グレイト・ヘルムやバシネットの欠点を解消して首への負担を減らした。


  • ケトルハット

鍋型の兜。兜の縁に鍔を備え山高帽子のような形状の帽子型兜。

頭蓋のみを覆うタイプと目下まで覆うタイプがあるが、

この目下まで覆うタイプには、視界を得るためのスリットが空いている。

頭を前に傾けるだけで放物線軌道で降ってくる矢の攻撃から頭部を守れるため、

多くの弓兵が装備したらしい。構造上、側面部の保護が疎かになるため

チェイン・メイルの頭巾(コイフ)と重ねて装備することが多い。


  • バーバット(バルビュータ、バービュート)

古典から新しい発見をする“ルネッサンス”の影響によって作られた兜。

古代ギリシアの“コリント式兜”をモデルに作られており、

アゴまで届く丸兜であり、口から目の部分が開けるように

兜正面にはY字型またはT字型のスリットがある。


  • クローズ・ヘルム(クロス・ヘルム)

頭部全体をプレートで包む兜。形状はアーメットに類似しているが、

サレットの強化発展によって形が成り立ったとされる。

鉢に備えられた長いトサカ型突起が特徴で、顔を守る面頬だけではなく

首を保護する喉当(ビーバー)も上下に開き可動する。


  • バーゴネット

クローズ・ヘルム同様、サレットが発展して作られた兜。

錏を備えた丸い鉢に長いトサカ型突起を備え、

頭部正面にキャップのような庇がある。可動式の面頬があり、

この面頬が顔のように装飾されているものを“トーテンコップ”の愛称で呼ぶ。

時代が下って鎧が軽量化する頃になると面頬を廃して頬当てが加わり、

複数の敵兵を相手にする当時の戦術に対応できる形になった。


  • モリオン

16世紀ごろから軽装騎兵用・歩兵用に使われた帽子型兜。

鍔を浅く2枚折りにしたような形状で、

鉢にはトサカを備え、頬当を加えるタイプも存在する。

スペイン式のモリオンには“キャバセット”という兜があり、

これは曲がって跳ね上がった鍔は無く、トサカも備えていない

(頭頂部に曲がった突起があり、突起の先端が向いている方が兜の後部)。

当時の日本にもポルトガル・オランダから貿易を通じてもたらされ、

「南蛮兜」の名称で一部の武将たちに南蛮胴と揃いで改良・愛用された。

現代でもバチカンのローマ教皇庁を守るスイス衛兵隊が装備している。


  • ロブスター・テイル・ポット(イングリッシュ・ポット)

戦場の主要武器が銃器に替わった頃の代表的な兜。主に17世紀ごろのもの。

丸い鉢の前には庇が、後部には横長の板金を繋いだ錏が備えられており、

兜の名称にもあるようにこの錏が“エビの尻尾”に似た形になっている。

格闘戦で剣などの攻撃を防ぐため、3本の鉄棒を繋げた枠型の可動式バイザーか

金具で留めるタイプの鼻当(ネーザル)を備えている。


もしかして

兜(城プロ)


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