概要
元々は『つづら助六』の通り名で名を馳せた大男の山賊で、山城国(現在の京都府南部地域)の天狗山を根城としていた。
ゴエモンと同じく歌舞伎の形をしているが、ゴエモンの様な義賊ではなく、通りかかった者達から有り金を巻き上げる典型的な小悪党に過ぎなかった。
しかし、ゴエモンとエビス丸に成敗されて以降は、「打倒ゴエモン」を己の存在意義とするようになり、『2』ではその復讐心に目をつけたマーブル・ブルーにサイボーグ化手術を受けた契機として、過去の己と決別。『助六』から改めて『カブキ』を名乗るようになり、文字通り「復讐の鬼」となった。
以降は幾度にも及んでゴエモン一行と対決を繰り広げており、現在はゴエモンの宿命のライバルと、位置付けられつつあり、ボス・キャラクターの中では最多出演となっている。
ゆき姫救出絵巻
初登場作品で、『つづら助六』として登場。ステージ6の『天狗山』のボス。
第一形態では、葛篭から発射される「桜吹雪」を撒き散らして攻撃し、また葛篭の中に入って空中歩行をしながらプレス攻撃も仕掛けてくる。桜吹雪の攻撃は回避不能であり、武器で攻撃して掻き消すしかない。
第二形態では、横飛びをしながら迫り、端にまで移動すると毒霧や鬘を飛ばして攻撃してくる。横飛びは巨体な上に、ジャンプ力も低い為に、ギリギリまで引き付けた上でしゃがみ移動しないと、かわすのが難しい。
また、毒霧も本体に近づきながらジャンプしないとかわせない等、後半ステージのボスだけあってかなり強い。
帯ひろ志の漫画版では、『グレートル(愚れとる)・カブキ』の名称で登場。ゴエモンとプロレス対決を行い、当初は優勢であったものの、逆転される形で敗北した。
奇天烈将軍マッギネスでは
ステージ2の「歌舞伎城」のボスとして登場。本作より名前が「カブキ」となる。
大江戸城を乗っ取ったマッギネスの部下の一人・マーブルブルーに、ゴエモンへの復讐心を見込まれてスカウトされ、サイボーク「カブキ・リターンズ」となっててゴエモン達に挑んでくる。
前作と異なり、前半のボスキャラクターである為か、ボス性能的にはパワーアップというよりも、むしろ弱体化してしまっており、体格も前作より小さくなった結果、ジャンプでもかわされてしまう等、かなり悲惨な結果になってしまっている。
最後は「地獄で待っているぜ…」という言葉と共に爆散したのだが、一度ゲームをクリアした後にプレイできる「地獄」のステージにて、「戻ってきたぜ」という言葉と共にまさかの再登場と共に再度対決する事になる。
帯ひろ志の漫画版では、人間形態も披露しており、その外見はアーノルド・シュワルツェネッガーの演じた「ターミネーター」をイメージしたものとなっている。その復讐心を生きる糧にした戦闘力でゴエモン達を追い詰めるも、サスケのからくりちょんまげの機能に怯んだ隙を突かれてゴエモンの貫通小判の一撃を受け、倒されている。
獅子重禄兵衛のからくり卍固めでは
通常のプレイでは全く気付かれないが、実は全ての「銀の招き猫」を集める事で進める「真・エンディング」のルートにて、登場していた事実が判明する。
最初は「からくり用心棒」という姿と名前で登場。背中に巨大な鎖付の鉄球を装備しており、それによる圧倒的なパワーで、はぐれ街を壊滅寸前に間でおいこんでいるが、ゴエモン一行との対決の末に敗れる。
ゴエモン達が「インパクト」のタイムワープ機能を使ってビスマルの脱出ポッドを追跡する中、タイムワープ空間内で謎の不意打ちを受けているが、実はこの時にインパクトを攻撃したのはからくり用心棒である。
その後、真・エンディングのルートで重禄兵衛を撃破した後、からくり再生機能によって復活と同時に更なる進化形態「カブキ・フォーエバー」となって、最終ボスであり物語の真の黒幕としてゴエモン達の前に現れ、三度の対決となる。
最終ボスに設定されているだけあってかなり強く、またこれまでに登場した作品の中でも最も巨体になっている為、攻撃等の回避も難しくなっている。
ちなみにプレイヤーの間では勘違いされている事が多いが、本作に登場したカブキは、あくまでも「現代より遥か未来の時代から来た存在」という設定になっており、サイボーグというよりも完全にロボットとなっているその姿も、正確には後述に表記されるカブキ64等よりも後の姿という事になる。人間として残されている部分は、もしかすると、「脳」だけの可能性も否定できない。
また、前作までと同様、ゴエモンの復讐という目的に変わりは無いが、未来から来たという設定で長年ゴエモンへの復讐を募らせた結果か、本作では「ゴエモン一族そのものの抹殺」を復讐としている等、その恨みはかなり肥大化してしまったようである。
「ゴエモン!必ずお前を倒すっ!覚悟ーーーーーーっ!!」
でろでろ道中 オバケてんこもりでは
前回の登場からしばらくして、久々の登場。エリア4「地底界」のボスで、『カブキ64』を名乗る。名前の由来は、作品の対応機種である「ニンテンドー64」から。
ただし、『獅子重禄兵衛のからくり卍固め』に登場したのは、前述の通りあくまでも『未来の存在』である為、『前回』と言うのは正確には『奇天烈将軍マッギネス』になる。
その為、からくり用心棒、カブキ・フォーエバーがロボット同然の外見であったのに対し、カブキ64はカブキ・リターンズと同様、人間の部分が残ったサイボーグの姿となっている。また、頭髪の色は、改造の影響か黒から白に変わっている。
本作で初めてボイスが入っている(声:柳沢栄治)。
主に毒霧、鉄柱、飛び六方で攻撃し、更には妖怪・海坊主を使ってくるが、生み坊主の頭が悪いのか、カブキ自身が潰されてしまう事もある。
しかし、それでもわずかにライフが減らされるだけで、化け物染みた怪力で自分を潰していた海坊主をどけてしまうあたり、さすがはサイボーグとも言える。
また、本作ではゴエモンインパクトを持つゴエモンに対抗してか、自らも専用機となる『超戦国メカ カブキファイナル』を引っさげてくる。
外見は『ネオ桃山幕府のおどり』に登場したカブキの姿をした巨大メカ『カシワギ』に似ているが、全くの別物である。攻撃も多彩で、張り手攻撃や扇子飛ばし、お札攻撃(お札には『家内安全』、『火の用心』、『交通安全』、『焼肉定職』と、どこか内容がズレたものばかりの文字が書かれているが)、分身攻撃と様々である。
「ここで会ったが100年目!」
「夢、破れたり!」
もののけ道中では
前回よりも更にパワーアップした状態で登場。また、ボイス担当も代わっている(声:高木渉)。相変わらずゴエモンを憎んでいるが、本作ではなぜか敬語で会話する。
物語モードでは、ステージ6の敵キャラとして登場。CPUは無属性と火属性のもののけを使う。
プレイヤーパワーアップは体力+100、強さ+50と、復讐の鬼だけあって数値が高い。
大江戸大回転では
物語の黒幕である『エコロリ斎』に再生させられる形で登場。リサイクルされたという設定か、背中に巨大な空き缶を背負っている。
しかし、ステージ1のボスに設定されている為、ボスキャラの中では一番弱い設定にされてしまっている。また、体格もかなり小さくなっている。
「復讐の鬼」として何度もゴエモンに挑んでいるだけあって、哀れである。
ちなみに対決後、リサイクルメカ1号として『カブキ・ファイナル』とインパクトによる巨大ロボット戦となる。
余談
『大江戸大回転』以降は登場していないとされているカブキだが、『東海道中 大江戸天狗り返しの巻』では、歌舞伎役者の姿をしたボス・キャラクターである『助六』が登場。
毒霧を出してくる等、カブキに似ている部分もあるが、外見はどう見ても普通の人間である為、カブキと何らかの繋がりがある別人である可能性が高い。