今、周りを見回しても一面に草原が広がっているだけの場所で俺は立ち尽くしている。
元々着ていた布の服にローブ姿で。
――どうしてこうなった。
概要
「召喚された賢者は異世界を往く」とは「小説家になろう」で夜州氏により投稿されているウェブ小説作品。
正式なタイトルは「召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした~」。
MFブックスよりコミカライズされている。著者は小林こー氏、イラストはハル犬氏が担当。
遊んでいるゲームのキャラクターとして異世界に転生してしまった主人公が、ゲーム内で手に入れていたアイテム類を駆使して、様々な事件を解決していくヒロイックファンタジー作品。
敵側に同じく異世界より召喚された「勇者」が存在するなど、一部アンチなろう系の要素も含まれる。
原作の更新停止のコミカライズ版の続行
非常に残念なことに現在は原作の更新が停止されており、原作者からの何かしらの発表もない。
一方で同作者かつ同なろう作品である転生貴族の異世界冒険録がアニメ化されているにも関わらず、原作者の動向に関する情報が皆無であるためファンの間では物議となっている。
現在、コミカライズ版はWEB版で掲載されている分を超えてオリジナルで話が進められている。
あらすじ
如月燈也(トウヤ)はMMOが好きな日本のサラリーマンであったが、ある日突然、遊んでいるゲームのキャラクターとして異世界に召喚されてしまう。しかも、その姿はメインで使っていたキャラクターではなく、アイテムを管理するためだけに作成した全く育成もしていないキャラクターであった。
トウヤを召喚したのは王国の王女達であり、彼女達は即戦力を求めていたため、別の勇者を召喚し、トウヤを元の世界に戻す運びとなるものの、何の因果かトウヤは元の世界には戻れず、異世界の場所も解らない草原に放り出されてしまった。
どうしたものかと頭を悩ませていたトウヤは、自身がアイテム管理用のキャラクターとして、メインのキャラクターでは使わなかったが有用なアイテムの数々を所持していることに気が付き、それを使ってこの世界で生きていくことを決める。
登場人物
小説家になろう版第1章までの主要なキャラクター。
- トウヤ
本作の主人公。日本のサラリーマンで、本名は「如月燈也」。対戦型MMOの「パンデミックワールド」にハマっていた。メインキャラクターは戦士系の最上位職である「凶戦士(バーサーカー)」。
不要アイテムの管理のために作成していた「回復術師(プリースト)」のキャラクターを操作している最中に、そのキャラクターとして異世界に召喚されてしまう。
メインキャラクターで使わないアイテムや不要となった膨大な種類のアイテムを所持しており、それらを駆使して自身の強化を行い、冒険者となって様々な事件の解決に乗り出す。
元の世界に未練もあり、当初は戻りたいと考えていたが、ある出来事をきっかけに異世界で生きていく決意を固める。
自身は異世界にとって異物だと考えており、戦争など異世界の人々が決めた政に積極的に関わるつもりはないが、自身のことを慕う人物や、自身を助けてくれた人たちの恩に報いるため、少なからず関与していく。
異世界での旅の最中に魔法使い系の最上位職である「賢者」となるが、本人は「凶戦士(バーサーカー)」になりたいと考えており、しばしば魔法ではなく剣技を用いて戦う。
多くのヒロインから慕われている中、ルミーナの乳房を意識してしまうシーンを他のヒロインたちに確認されており、シャルとアルからは「トウヤは大きなおっぱいが好き」と認識されている。
- コクヨウ
黒曜馬(バトルホース)と呼ばれる乗馬。ゲームでは所持品アイテムとなっていた。
トウヤには懐いているが本来の気性は荒く、魔物や人間相手でも臆せず蹴散らすほどの身体能力も持つ。
- ラルクス
トウヤと共に召喚された男性。「勇者」の称号を持つ。
「勇者」の名に恥じない武勇を誇るが純朴な青年で、彼を召喚した国の人間に騙され、戦争に駆り出されることになる。
- ナタリー
女性。「黄昏の賢者」の称号を持つが、トウヤのそれとは違い肩書のようなもの。
見た目は幼い女性ながら実際はトウヤよりも年上。しかし言動は見た目相応。
- フェリス
家妖精と呼ばれる古い建物に住み着く幽霊のような存在。見た目は10代の人形のような女性の姿をしており、掃除など建物の維持を行ってくれる。
彼女らが住み着いている屋敷は、彼女らの許可なく人間が住むことはできない。
高貴な家柄出身の女性。どうやって身を守っているのか不思議な装備、ビキニアーマーを着た女戦士。
誰もが見入ってしまうほどのスタイルの良さと健康的に日焼けした肌、腰まで伸びた赤髪、これらに加えて誰もが目が離せないほどに釘付けになるほど巨大な乳房の持ち主。
トウヤを男性としても意識すると同時に、トウヤが窮地に陥った際は故意にトウヤと八百長の一騎打ちを演じてビキニアーマーを破壊されるなど、文字通り体を張ってトウやの保護者的な存在としても活躍している。
トウヤがルミーナの乳房を意識していることから、シャルとアルからは「トウヤは大きなおっぱいが好き」と認識されている。
- シャルロット
帝国の姫。サランディール王国でジェネレート王国兵に追われているところをトウヤに救助される。
トウヤに救助されて以降、ずっとトウヤを慕っており、後にアルトリアと共に正式な婚約者となった。
- アルトリア
ジェネレート王国近衛騎士副団長を務める女性。ルミーナと同じく巨大な乳房の持ち主。シャルロットとは祖父や親の代から仲の良い幼馴染。サランディール王国でジェネレート王国兵に追われているところをトウヤに救助される。
トウヤに救助されて以降、ずっとトウヤを慕っており、後にシャルロットと共に正式な婚約者となった。
用語
- 次元収納(ストレージ)
トウヤに備わっていた能力の1つ。所持品を異次元に出し入れすることができる。
珍しい能力ではあるが、ナタリーなど一部の人間も同種の能力を所有している。
ただしトウヤの場合は規格外で、前述のとおり馬どころか、ゲームではアイテムのカテゴリになっていた「家」なども収納できる。
- ジェネレート王国
トウヤやラルクスを召喚した国家。人族至上主義を掲げており、人間以外はすべて奴隷であるという思想を持っている。
- ルネット帝国
ジェネレート王国とはその思想の違いから折り合いがつかず、戦争を繰り返している。
- サランディール王国
ルネット帝国に隣接した友好国。トウヤにとってはナタリーやルミーナと出逢った思い出の地となっている。ジェネレート王国とも表立って敵対していない。
関連タグ
転生貴族の異世界冒険録…同作者かつ同なろう作品。