DualModeVehicleの略。線路と道路両方走行可能なバス。
概要
日本では鉄道が走る軌道と自動車が走る道路両方走行可能なバスをさすが、欧米ではさらに意味が広がり先述の意味のほかに内燃機関と架線からの供給といった2つの異なる動力源を使用できる車両も指す。
日本におけるDMVの開発経緯
利用の少ない路線の維持費削減のために開発されている。
営業運転の断念
JR北海道では2015年に営業運転に投入する予定だったが、北海道新幹線の開業や、2011年以降の相次ぐトラブル(DMVとは無関係)によって営業運転への投入は断念された。(ただし、開発は継続)
特徴
軌道と道路両方走行可能な構造が、利点であり欠点となっている。
利点
- 線路の保線費用が安い。
- 災害時に迂回可能。
- 新造時のコストが鉄道車両より安い。
- 軌道上であれば、一般道の法定上限速度である60km/hを超える速度の走行が可能。
- 運転台が片方で済み、転車台も不要。
- 軌道上は1編成の列車として走行し、各地で各行き先のバスとして運行可能
- 単線でも線路沿いに道路があれば対向列車待ちをする必要がない。
- 渋滞に巻き込まれる可能性が減らせる。
- 新しい区間開発が容易。
欠点
- バスとしては重くて高価。
- 鉄道としてはタイヤで駆動するためエネルギー効率が悪い。
- レールバスに比較して乗車定員が少ない。
- それぞれの経路で使用しない車輪が死重となりエネルギー効率が悪い。
- 軌道走行時に事故を起こした際は鉄道車両よりも危険。
- 保安装置が自動車用と鉄道用両方必要。
- 自動車と鉄道両方の検査を受けなければならない。
- 免許が二種類必要。(大型二種と動力車操縦者)
- 駅のホームの改造または新設が必要。
- 鉄道としては出力が小さい。
ご先祖様
過去にも似たような「アンヒビアンバス」(「アンヒビアン」(amphibian)とは両生類という意味の英単語)という交通機関の実験がなされたが失敗に終わっている。原因は乗り入れ場所でバスに鉄道の台車を取り付ける(台車を取り付けたままでは道路を走るのに車重が重すぎる)というものであったために、動力系統の延長や脱着の手間がかかりすぎることが原因。
そっくりさん
名古屋にはゆとりーとラインの愛称を持つ路線が有る。
これはガイドウェイバスと呼ばれる乗り物で、見た目は普通のバスだが、渋滞の激しい区間ではそれ専用に作られたモノレールの線路の様な道に乗り入れる。
これは鉄道とバス…と言うよりは新交通とバス…と言った方が正しいのかもしれない。
又世界で初めて実用化されたガイドウェイバスであるドイツのものはデュオバスと呼ばれ、通常の内燃バスにトロリーバスの双方の機能を有する連接バスが有り、路面電車の線路や地下鉄に乗り入れたりもするらしい。
オーストラリアにもドイツのものとほぼ同じものが有る。