側壁の案内軌条で車両を誘導するシステム自体は1856年に馬車による特許がイギリスにおいて取得され、1859年にリヴァプールで実際に導入されている。結局ガイドウェイ馬車は普及しなかったが、1970年代後半からヨーロッパを中心に普及が始まった。
日本のガイドウェイバス
日本では1989年にアジア太平洋博覧会の会場内交通手段として導入され、1990年には名古屋市で事業化が決定。2001年に名古屋ガイドウェイバスゆとりーとラインが運行を開始した。
日本のガイドウェイバスは海外のそれと異なる特徴がいくつかある。
1.専用路
海外では専用路を地上に設ける場合が多いが、ゆとりーとラインは全線高架で建設された。このため1kmあたりの整備費はおよそ54億円と高額。このためバス乗降設備もモノレールの駅並に大掛かりで、一般路面を走る路線バスのように気軽に乗り降りが出来ない。
2.運行規定
海外のガイドウェイバスでは続行運転が出来るところもあるが、日本では1駅間に同一方向へ走るバスは1台という規定がある。衝突事故の危険性をなくすためとされているが、これでは「バスの機動性を確保できない」という意見もある
3.法律上の位置づけ
日本では法律上ガイドウェイバスは無軌条電車、つまり軌道法の適用を受ける鉄道の一種として扱われている。このため、運転手には大型二種免許の他に無軌条電車運転免許の取得が必要となる。
専用路区間の最高速度が60km/hなのもトロリーバスの法律に由来する。
4.車両構造
ゆとりーとライン開業時には既にノンステップバスやワンステップバスの普及が進んでいたが、ツーステップバスを前提に案内輪搭載を設計していたためにやむを得ずツーステップバスで導入されている。このため、車椅子での乗降に対応するリフト付車両が導入されたが、これを巡って一悶着あった。
案内輪は一般道では格納されるがこれも日本独自の構造である。