曖昧さ回避
以下の意味が存在する。
- デュエル・マスターズ ビクトリーの省略形。デュエルマスターズビクトリーを参照。
- デュアルモードビークルの省略形。この項目で解説。
デュアルモードビークル
『Dual Mode Vehicle』の略。線路と道路両方走行可能なバスのことであるが、複数の意味が存在する場合がある。
この言葉は日本においては鉄道が走る軌道、そして自動車が走る道路両方走行可能なバスをさす。
また欧米ではさらに意味が広がり、先述の意味のほかに「エンジンと架線からの供給」など、2つの異なる動力源を使用できる車両も指すことがある。
ちなみに、この種の車両はイギリスなど数カ国で研究されているが、日本におけるDMVの開発経緯としては、利用の少ない路線の維持費削減のためとされる。
日本における開発
日本においては昭和30年代に同様のシステムが検討されたが、諸問題のため実用化にはいたらなかった。ところが平成16年にJR北海道が失敗した形式と別形式での同様の車両を発案、試験結果はまずまずだったため、平成27年には営業運転に利用されるはずであった。
しかし各種問題によりそれは行われておらず、現在では利用路線(想定としては中小私鉄や第三セクター鉄道を含む地方ローカル線や路面電車など)が存在する場合に技術提供をする、という形となっている。
アンヒビアンバス
昭和30年代後半、「アンヒビアンバス」(「アンヒビアン」(amphibian)とは両生類という意味の英単語)という交通機関の実験が国鉄により実施されたが、これは失敗に終わっている。
原因は乗り入れ場所でバスに鉄道の台車を取り付ける(車輪を搭載する形式、あるいは台車を取り付けたままでは道路を走るのに車重が重くなるため)というものであったために、動力系統の延長や脱着の手間がかかりすぎることが原因であったとされ、「これならばバスと鉄道を双方運用しても手間は変わらない」と見込まれたためであった。
これに近いものとして、ドイツでは1920年代より鉄道線と自動車線の直通運転車両の計画が存在し、戦争による中断をはさみ1951年に西ドイツで試作車が完成、1953年から55年にかけて「シーネンシュトラーセンオムニバス」として投入されたものの、やはり同様の問題がネックとなり1967年までに全配されている。
JR北海道
21世紀になってから、JR北海道の副社長であった柿沼博彦氏はマイクロバスを見ていて「わずかな改造で線路上を走らせることが可能なのではないか」とひらめいたことにより再び研究が始まる。
今度は軌道走行用の車輪を搭載する形式とし、筐体は小型バスを改造する形式となった。なお改造は除雪車を製造しているメーカーで行ったとされる。試作機1号は平成16年に完成、翌年、背中合わせに連結可能な二号(二両)が完成。
結果はそれほど悪いものではなく、北海道以外でも九州や静岡でもテストされた。
三号はトヨタ自動車および日野自動車の協力を受けて作成された。
営業運転
- JR北海道では平成27年に営業運転に投入する予定があったものの、平成28年の北海道新幹線の開業や、平成23年以降のDMVとは関係のない鉄道関連の相次ぐトラブルによって開発者が退職したりしたこと、その他このようなややこしい特徴を持つ車両の運営を行う余裕がなくなってしまったために営業運転への投入は断念という結果になった。
- 一方でDMV開発は継続。四国地区の第三セクター・阿佐海岸鉄道で実用化されることになり、令和3年12月25日より国内初の営業運転が開始される。DMV導入は観光資源としての意味合いも込められている。
特徴
軌道と道路両方走行可能な構造が、利点であり欠点となっている。
利点
- 鉄道車両としては軽量、かつ気動車であるため線路等の保線費用が安い。
- 災害時に道路/線路への迂回可能。
- 新造時のコストが1両あたり2000万円程度と鉄道車両より安い。
- 鉄道軌道上であれば、一般道の法定上限速度である60km/hを超える速度の走行が可能。
- 運転台が片方で済み、転車台も道路を利用できるため不要。
- 軌道上は1編成の列車として走行し、各地で分割結合して各行き先のバスとして運行可能
- 単線でも線路沿いに交換可能な道路があれば対向列車待ちをする必要がない。
- 専用軌道が存在する場合渋滞に巻き込まれる可能性が減らせる。
- 線路を敷く必要は混雑地を除き低いため新しい区間開発が容易。
- 孤立路線や連絡していない路線を道路で接続可能となる(徳島で利用推進するのはこのため)。
欠点
- バスとしては重くて高価(マイクロバスで高くて800万円、導入コストは3倍)。
- 鉄道としてはタイヤで駆動するためエネルギー効率が悪く、スピードも出ない。
- レールバスに比較して乗車定員が少ない。
- 一部路線では車両が軽すぎて鉄道信号システムと連動できない(改造が必要となる)。
- 通常の列車とくらべて軽いため雪に弱い。
- 路面電車としての利用は40km/hとバスよりも遅くなる。
- それぞれの経路で使用しない車輪が死重となるためエネルギー効率がさらに悪い。
- 走行時に事故を起こした際は鉄道ではレールバスと同様、鉄道車両よりも危険、道路の場合相手のダメージが大きい。
- 軌道走行から道路走行に変更する際は地表に設置された専用のポインターが必要。
- 保安装置が自動車用と鉄道用両方必要。
- 道路と線路を両方走行するためには車検および鉄道車両検査を双方受ける必要があり、片方が通らない場合廃車の可能性が高い。
- 異なる区間を一人の運転手が運転するには免許が二種類(大型二種、甲種または乙種内燃車運転免許)。あるいは別の運転手が運転担当する必要がある。
- 駅あるいは停留所のホーム、の改造または新設(現状はバスと同じ低床、路面電車と同じ仕様)、あるいは乗降口の改良(ホームと停留所両方使用できる形式)が必要。
- 鉄道としては出力が小さい。
- 一応連結可能であるが現状2両までであり乗車人数鉄道よりも少ない。
- 車両寿命が不明な点が多く、現状の鉄道およびバスのコストと比較できない内面が存在する。
- 現状ではディーゼル駆動であるが、じつは車両と気動車では燃料の税金の問題が発生する。
- バスのみ、あるいはバスと鉄道の同時利用に比べ運営者のメリットが低い。
- 試験中であるため、部品の供給状況が不明の点が多い。
そっくりさん?
名古屋には『ゆとりーとライン』(名古屋ガイドウェイバス)の愛称を持つ路線が有る。これはガイドウェイバスと呼ばれる乗り物で、見た目は普通のバスであるものの、渋滞の激しい区間ではそれ専用に作られた新交通システムの線路のような高架区間に乗り入れる。高架区間は日本の法律では鉄道の扱いになっている。但し、こちらはDMVとは異なり法律上は普通鉄道ではなくトロリーバスという扱いである。
世界で初めて実用化されたガイドウェイバスであるドイツの同形式の交通機関はデュオバスと呼ばれ、通常の内燃バスにトロリーバスの双方の機能を有する連節バス(大量輸送のために車体が固定編成で2連以上につながり、内部を自由に行き来できるバス)が存在し、路面電車の線路や地下鉄にまで乗り入れたりもするらしい。
オーストラリアにもドイツのものとほぼ同じものが存在すると言われる。
pixivでは
タグとしては前述の分割の双方に利用される。
関連タグ
デュエル・マスターズ デュエルマスターズビクトリー デュエルマスターズビクトリーV