概要
大都会・東京で日々多発する凶悪犯罪。
警視庁は、その事件解決のために「捜査一課9係」を新設した。
捜査一課9係の係長・加納倫太郎、浅輪直樹、小宮山志保、村瀬健吾、
青柳靖、矢沢英明の6人の刑事達が難事件を解決していく。
「相棒」とともに、テレビ朝日の水曜21時刑事ドラマ枠のレギュラーシリーズとなり、
2014年現在、第9シリーズまで放送(この時点で「9係の9作目」と言う節目を迎えている)されている。
DVDもリリースされているが、第4シリーズ第3話の「殺意のロザリオ」のみ収録されておらず「欠番」扱いとなっている(地上波などでの再放送や番販も行われておらず、理由も不明)。
登場人物
加納 倫太郎
演:渡瀬恒彦
本作の主人公(字幕放送で黄色表記)。
捜査一課で最も高い検挙率を誇る9係の係長。階級は警部。
捜査では浅輪とコンビを組み、鋭い洞察力と勘(感覚)を持つ。
部下にはほとんど命令を下さず、それぞれが勝手に動くことを容認している為、
一部では"ダメ上司"と評されることも。
捜査へは積極的に参加するが、マイペースで自身の気になることを最優先にし、
独断独走で調べ回る。その飄々とした物腰の内には強い正義感の持ち主で、
私論で罪を正当化する犯罪者に対しては相手の神経を逆撫でしたり、
他者を踏み躙ったことを強く非難することが多い。
職場でよく料理をしている為、刑事部長に注意されているが、直すつもりはさらさらない。
顔は「おみやさん」そっくりだが、多分気のせいである。
穏やかな口調だが、家庭を顧みない仕事の虫であったことから、妻に先立たれ、
娘の石川倫子とも疎遠になっていた。しかし、後に第3シリーズで誤解があることが判明し、
少しずつ和解し始めている。浅輪を通じて、彼女の様子を伺うこともある。
常に新人とペアを組むが、浅輪以外の転属してきた新人は、
加納の変人ぶりに3ヶ月以上も経たずに退職しているという(第1シリーズ第1話)。
また、メンバーでペアがいない時にそのメンバーと組むことが多い。
浅輪 直樹
演:井ノ原快彦(V6)
階級は巡査長。捜査では加納とコンビを組む(字幕放送では水色表記)。
20代の頃に捜査一課に引き抜かれてきただけあって、頭脳明晰で運動能力も高め。
最初の頃は加納のことを影で「オヤジ」呼ばわりするなど加納の言動が理解できなかったり、
振り回されることも多かったために困惑していたこともあったが、
長らくコンビを組んでいるうちに加納のことを理解していくようになる。
言動は今時の若者ではあるが、基本的に真面目で素直な性格であり、
正義感が強く曲がったことが大嫌いで、加納からはその人柄を気に入られている。
その一方で押しに弱い一面も。
加納の娘である倫子と付き合っていたが、第9シリーズにて彼女と別れてしまう。
小宮山 志保
演:羽田美智子
第8シリーズからは9係の主任となり、警部補に昇格した。
捜査では村瀬とコンビを組むが、彼の想いには全く気付いていない模様。
ムードメーカーで、9係の紅一点だが、そういう扱い方を最も嫌っており、
男社会で肩肘張って生きている。
気が強すぎる性格から、聞き込みの相手の態度次第では挑発的・好戦的な態度を隠さない
(非協力的、あるいは態度が悪い相手の場合)が、他人に注意された場合はちゃんと反省したり、時には周囲を気遣う優しさも持つ。
しかし、自分のことになると不器用で、片付け・整理整頓、料理も苦手。
村瀬健吾
演:津田寛治
9係の刑事。元々9係主任。階級は警部補。
捜査では小宮山とコンビを組み、品行方正で頭の回転が良く、
何をやってもソツの無いエリート刑事だが、
頑固で融通が利かなかったり、プライベートでは優柔不断な面も。
何かと突っかかってくる青柳とはしばしば対立している。
第5シリーズ終盤で14係の係長への就任の話が飛び出すもののうやむやなまま放送終了し、
第6シリーズ第1話で14係の係長として登場する。
ところが同回で部下の不祥事が発覚し、その責任をとって退職を決意するが、
加納の説得により9係に再び戻ってきた。
しかし回が進むにつれ、妙に絡みづらいキャラクターが固定化していき、
第9シリーズにて、小宮山に壁ドン(しかも両手)をするシーンも見られた。
小宮山に片想いしており、何度か告白をしているが、
彼女の不器用さが相俟って、全て玉砕に終わっている。
青柳 靖
演:吹越満
9係の刑事。元9係主任。階級は警部補。
事件現場にサングラスをかけて登場するなど「刑事というよりチンピラみたいな強面の顔」とは裏腹に、吐き気を催すほど死体を見るのが苦手で、その度に早瀬川に窘められている。
捜査では矢沢とコンビを組み、プライベートでも親交がある。
年下の上司だった村瀬に反発することが多く、
自身が主任になってからも相変わらず何かと突っかかっていた。
法や規則よりも感情で判断するため問題を起こしがちだが矢沢曰く「悪い人ではない」。
かつてヤクザに麻薬中毒にされていた垣内妙子を救出したことがきっかけで、
彼女と恋人になり、現在同棲中。
だが、事件関係者との恋だけに非常に神経質になっている。
その為、妙子との関係性を良く思っていない警察組織の中で、
自分が刑事を続けて良いのかどうかと葛藤し始める。
矢沢 英明
演:田口浩正
9係の刑事。階級は巡査部長。
青柳とコンビを組み、意地の悪さに振り回されることも多いが、
彼の良い面も悪い面も理解し、家族ぐるみで親交がある。
妻の早苗は売れっ子漫画家で、彼女の仕事に徹夜で付き合わされることも多く、
刑事の仕事に支障が出ることも多い。しかし、彼女のお陰で生活は裕福であるため、
タクシーの乗車にも自腹で領収書を切らない。
早苗との間に一児を授かったことで多忙の中で幸福感を得たものの、
妻は育児ノイローゼと脳腫瘍になってしまったため、気の休まる時間が全くない。
第4シリーズ以降は療養中の早苗と子供を彼女の実家に預け、
自身は独り暮らしをしていたが、第7シリーズからは同居を始めている。
事件に子どもが絡んでいたり巻き込まれたときは見過ごせず、非常に感情的になることが多い。
早瀬川 真澄
演:原沙知絵
第4シリーズからのレギュラーで関東監察医務院の監察医。
クールな性格で、遺体に関しては徹底的なプロフェッショナル。
親近者の不審死がきっかけで監察医に転身したらしいが、真相は不明。
しかし、度が過ぎて、生きた人間よりも遺体とのコミュニケーションを大切にする変わり者。
加納とは気が合うらしく、9係に訪れると、加納の手作り料理を食べて行く事も。
また、小宮山とは友達がいない女同士で飲みに行ったり、
ヨガやテニスをする仲になっている。
石川 倫子
演:中越典子
パティシエの女性で、加納の実の娘だが、本当は警察が大嫌いで、母の旧姓を名乗っているのもそれが理由となっている。
母を苦しめた父を恨んではいるものの、浅輪の尽力で少しずつ和解し始めている。
浅輪からは「倫子ちゃん」と呼ばれている。
あちこちの店を転々としながらお菓子作りの腕を磨き「シェ・タカギ」での修行を経て、念願の自分の店をオープンさせた。
しかし、味の研究のために海外を回ろうと店を閉め、恋人の浅輪に「初心に戻って」と励まされている。
そして、第8シリーズからは自宅マンションが火事に遭ってしまった経歴もあり浅輪と同棲し始めるが、第9シリーズにて、ストレス性の味覚障害に陥ってしまった事から彼に別れを告げ家を出てしまうが、その後の特別編(2014年10月5日の「日曜エンタ」枠ドラマスペシャル)にて山梨のぶどう農家で知り合いの手伝いをしていた事が発覚、間接的ではあるが事件解決に貢献し(本人ではなく「手伝い先のぶどう農園の関係者」を調べていたところ、意外な人物が黒幕と判明した)、ラストで味覚障害を克服した。
余談
・2006年12月27日放送の『警視庁捜査一課9係 特別編』と、第6シリーズ第1話では『相棒』に登場する鑑識の米沢守が登場し、2010年9月15日放送の第5シリーズの最終回では『相棒』でもおなじみの「帝都新聞」の文面が登場していた。
これらのことから『相棒』とは事実上世界観を共有しているものとみられるが、小道具や刑事部長の違いもあり、現時点での真相は不明である。
・2014年6月27日(水曜21時枠ではなく金曜ナイトドラマ枠)には、青柳と矢沢を中心としたスピンオフドラマが展開された。
・全シリーズ通して、浅輪直樹役の井ノ原快彦が所属しているV6の楽曲がエンディングに起用されている。