スペック
起工 | 1909年6月3日 |
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進水 | 1911年8月27日 |
排水量 | 常備:23,360t |
全長 | 181.2m |
全幅 | 26.6m |
吃水 | 8.4m |
機関 | 重油•石炭混焼水管缶25基+パーソンズ式直結タービン4基4軸推進、42,000馬力 |
最大速 | 23kn |
兵装 | 305mm砲3連装4基、120mm砲単装10基(竣工時16基)、76.2mm単装砲6基、37mm機関砲14基、12.7mm機関銃10基、7.62mm機関銃89基、魚雷発射管457mm4門 |
概要
建造当初は、ロシア帝国海軍の弩級戦艦「ペトロパブロフスク」だったが、1921年3月31日にフランスの革命家ジャン=ポール・マラーに因んでこの名前に改名された(他のガングート級も革命に因んだ名前に改名されている)。
独ソ戦開戦後、レニングラード包囲戦で地上部隊を艦砲射撃で支援していたが、9月23日にJu87の対艦用1t爆弾が第一煙突付近に命中し大破着底。応急修理によって砲撃能力は回復するも航行機能は戦後になってから修復が行われた。
最終的には、「ヴォルホフ」と改名され、大損害から復帰する際に戦艦から砲術練習艦に変更されている。
1953年に除籍。
余談
先述の通り、本艦はスツーカの攻撃によって着底し、戦闘能力を一時的に失うことになったのだが、正直これは相手が悪かったとしか言いようがない…
なにせそのスツーカに乗っていたのはコイツだったのだから↓
そう、ドイツ第三帝国が生み出した空の魔王の異名を持つ爆撃機パイロットである。
この時彼は、ダイブブレーキなしで直角に急降下し900フィート付近で投下をおこなう(爆弾の効力半径が広いため通常は3000フィート以上で投下される)と言う危険極まりない変態機動を行っている。さらに恐ろしい話はこれを着任3ヶ月目にやっていると言うことである。なんというか…アンタ本当に人間か!
魔王以外にも要因を探すとするなら、旧世代どころか第一次世界大戦より早く建造された弩級戦艦(参考までに言うなら同世代の金剛が超弩級、長門が超超弩級、大和は超々々弩級戦艦)であるが、ロシア国内での長い内乱により世代交代を経ることなく第二次世界大戦に動員されているため、相当なガタが来ていたことは容易に考えられる。
とはいえ歴史上航空火力に沈められた戦艦は他にもあるが、いずれも制空権を喪失した状態で多数の航空火力にフルボッコにされた結果であり、個人単位でカウントされる戦艦は後にも先にもこの一隻だけである。
魔王のスコアが伸びなかったのは、ソ連にはこんな旧旧世代の代物以外に他にまともな戦艦がなかったためであり、ソ連の海軍力の悲しさも透けて見える。
でも戦艦はたった一人で沈めるものじゃありません。
一方で……
ルーデルに「撃沈」されたはずのマラートもしぶとかった。
艦の前半部を喪失し、着底して航行の自由を失いながらも、なお後部に残された砲でレニングラードを包囲するドイツ軍にお礼参りを繰り返した。手こずったドイツ軍は重砲まで動員してマラートを仕留めようとするが、マラートも装甲の追加、空所へのセメント注入で補強を繰り返し、ドイツ側は遂に止めをさせずに終わった。
1942年末にマラートの主武装は取り外され、陸上基地に移設されている。