概要
松谷みよ子による児童文学。長野県に伝わる2つの民話『小泉小太郎』『泉小太郎』の類似性(どちらも名前が似ており、母親が蛇や龍といった存在である)から、これらを一つの物語であると考えた松谷により日本各地の民話織り交ぜつつ再編されたものである(この物語自体は松谷による創作で昔話ではない)。
まんが日本昔ばなしのOPで毎回登場しているためなじみ深い(ただし『龍の子太郎』自体が放送されたことはなく、同じく『小泉小太郎』『泉小太郎』を原話とした『小太郎と母龍』が放送されたのみである)。
物語
山間の貧しい村に住む少年・太郎は、脇の下に龍の鱗のようなアザがあることから龍の子太郎と呼ばれていた。
太郎は大変ななまけものであったが、幼い頃に死んだ時かされていた母が龍の姿となって今も北の湖で太郎を待っていると聞かされ、母を捜すべく旅に出る。
道中、隣村の小女あやを黒鬼の間の手から救い出しお礼にもてなされた太郎は、隣村の豊かな暮らしと自分の村の貧しい暮らしを目の当たりにし、貧しい土地を必死で耕しながら生きんとする人々の姿を見て怠け者であった自分を恥じ、故郷のために自分ができることは何かを深く考えていくようになる。
そして旅の果てについに龍となった母と再会した太郎は、ある強い決意を母に語る・・・。