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概要

松谷みよ子による児童文学。長野県に伝わる2つの民話『小泉小太郎』『泉小太郎』の類似性(どちらも名前が似ており、母親が蛇や龍といった存在である)から、これらを一つの物語であると考えた松谷により日本各地の民話を織り交ぜつつ再編されたものである(この物語自体は松谷による創作で昔話ではない)。

まんが日本昔ばなしのOPで毎回登場しているためなじみ深いが、『龍の子太郎』自体が放送されたことはなく、同じく『小泉小太郎』(上田市)と『泉小太郎』(松本市)を原話とした『小太郎と母龍』が放送されたのみである。

その一方で東映動画(現・東映アニメーション)の手によって長編アニメ映画化され、1979年春休み映画として東映系の映画館で公開された。主人公の声をあてたのは当時の子役タレントだった加藤淳也。ただ脇を固めた声優陣に、樹木希林だの吉永小百合だの……。力の入れどころ間違ってません?

アニメ映画以前にも、人形劇として、1963年9月から10月にかけて、TBS他で放送された事がある。

物語

山間の貧しい村に住む少年・太郎は、脇の下に龍の鱗のようなアザがあることから龍の子太郎と呼ばれていた。

太郎は大変ななまけものであったが、幼い頃に行方知れずとなった母が龍の姿となって、北の湖で太郎がかしこく強くなって会いにきてくれるのを待っていると祖母から聞かされ、母を捜すべく旅に出る決心をする。

隣村の小女あやを黒鬼の魔の手から救い出しお礼にもてなされた太郎は、隣村の豊かな暮らしと自分の村の貧しい暮らしを比べ見て、更に旅の道中、貧しい土地を必死で耕しながら生きんとする人々の姿を見て、怠け者であった自分を恥じ、故郷のために自分ができることは何かを深く考えていくようになる。そもそも太郎の母が龍になったのも、身重で夫も亡くしていた母が山仕事中、飢えに耐え兼ね、仕事仲間達の分の魚も貪ってしまったという「山の神の掟を破った報い」であったのだ。貧しささえ無ければ…その思いは太郎の中で強くなっていく。

そして旅の果てについに龍となった母と再会した太郎は、ある強い決意を母に語る…。

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龍の子太郎
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