概要
アニメ『蒼穹のファフナー』の皆城総士×真壁一騎のカップリング。
同じ島で生まれ育った幼馴染にして親友。アニメ2期公式サイトでは「絶対的な信頼」と説明されている他、公式で「ピュアラブ」と言及されたこともある。
また、公式曰く一騎は母性的で相手を理解しようと努力するタイプなのに対し、総士は父性的でまずは自分を理解してくれというタイプである。
1期
2人は小学生の頃のある事件が原因で中学3年まで距離を置くようになるが、その間も相手の存在を意識し続けていた。そして1話からは指揮官と兵士として共に戦い、誤解やすれ違いを経て互いと向き合い、和解に至った。深まった信頼は戦いにも好影響をもたらし、一騎だけが自分の全身が違うものになる感覚を受け入れて危険な機体と一体化できるのは、「相手のために自分はこうありたい」という意識が一騎と、彼と戦闘中の感情や感覚を分かち合う総士の間に働いているためと説明されている。
しかし、慟哭する一騎(通称「総士9連呼」。なお総士(の中の人)もラジオで一騎9連呼に挑んでいる)の目の前で総士は敵にさらわれてしまう。救出後、総士は「例え苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう。もう一度、お前と出会うために」と約束を残して砕け散り、一騎にも重い後遺症が残った。
小説版
総士は4年7ヶ月11日振りの一騎との会話で、自分から逃げようとしていた彼を、自らの属する闇の底へと呼び寄せる。初陣で機体に暴力性を引きずり出されるまま敵を蹂躙し、心の接続によって総士に醜い自分を見られたと泣く一騎に、総士は己の更に暗澹とした胸中を垣間見せて、安らぎを与えようとした。
一騎は変貌した世界への不安から総士に縋り、自らの意志を放棄して服従しかけたが、その一方で彼の能力の限界や背負った孤独を早々に見抜いており、総士から任された自機に対して例え親しい友人相手でも譲りたくないと執着を見せた。
続編と見られる劇場版の前日談小説では、この後原作と同様に島を出た一騎を総士がずっと待っていたことや、自販機にまつわるやりとりがあったことなどが言及されている。
一騎視点の作品だが、総士の心情については彼の数少ない理解者である義姉が「あなた、怖いのよ、皆城くん。だから一騎くんに、そばにいて欲しいだけなのよ」と指摘している他、「ようやく一騎が自分のいる場所に来てくれた」と喜んでいることが地の文で明かされている。
劇場版
2年に及ぶ別離の間、一騎は心が潰れないよう期待を押し殺しながら、総士の帰還を待ち続けていた。実は彼の無意識下で心の接続はずっと続いており、総士の精神体があすなろ抱きに近い体勢で、一騎に「僕はお前がいる場所へ帰る。必ず」と改めて誓っている。再び敵が現れ、「帰れなくていい。総士が帰る島を、守れさえすれば」と戦いに臨む一騎だったが、敵との対話の果てに、総士から託された島の平和と失っていた視力を取り戻す。その瞳が最初に映したのは、約束を果たした総士の姿だった。
2期
2人は19歳になり(総士の食事を一騎がよく作っていると思われる描写がある)、「2つで1つの力」の同型機を駆る戦友として異国の地へと飛び立った。当初は総士が命じ、一騎が(内容に納得が行く限り)応える従来の戦い方であったが、戦いを経て一騎は総士に別行動を頼み、遂には命令するようになる。同じ戦場で背中を預けられ、総士は嬉しそうな様子を見せた。
残り3年の命を燃やして戦う一騎を、同じく長くない身である総士は度々気にかけており、一騎が暗殺者に襲われた時は自らを盾にして庇おうとした。しかし、命の果てを越えないかという一騎への誘いに対して、本人ではなくかつて人外の肉体を得て帰還した総士が「人として生きることが僕らの意志です」と断り、島に帰った一騎の体は既に限界間近であった。ところが眠る一騎に「お前も戻れ。まだ、僕らの時間は終わっていない」と言い置いて総士が島を離れている間に、一騎は生死の循環を越える命を受け入れ、単なる人の肉体ではなくなっていた。総士は何食わぬ顔で自分たちを出迎えた一騎の姿に目を瞠ると微笑み、「お前が選んだ道を、俺も選ぶよ」と告げられた後は複雑な表情を浮かべていた。
そして転生を予言されていた総士も、決戦を終えて生命の限界が訪れる。一騎は最初ためらわずに彼を追って共に無へ還ろうとしたが、何度でも会おうと再び約束を交わし、総士を見送った。
2年後、一騎の傍らには彼が「総士」と呼ぶ、別れの後に総士の機体の中で眠っていた子供がいた。