概要
この事件は朝日新聞が平成26年8月5日に、「慰安婦が「女子挺身隊」の名で戦場に動員された」という記事と、いわゆる吉田証言(済州島において従軍慰安婦、すなわち軍隊につき従ってともに戦地へ行く特殊婦女を強制動員したという証言)に対する報道を取消した。
女子挺身隊に関しては報道当時はまだ大韓民国国内の慰安婦問題の調査が進んでおらず、韓国においても誤解されており、根拠のないものとしては扱われていなかった(後に真相が明らかとなった)。
吉田証言に関しては平成3年に報道された当初から、「証言は虚偽ではないか」という声が複数の専門家から(その中には吉見義明など、従軍慰安婦の強制はあったとする学者なども含まれる)上がっていた。
同年には、2007年にアメリカのクリントン・ブッシュ両政権下で8年かけて日本とドイツの戦争犯罪の大規模再調査を行ったが、韓国の主張する慰安婦問題を裏づける証拠は何一つ発見されなかったことが、産経新聞より報じられている。
しかし
従軍慰安婦問題の事実関係には被害者・加害者双方からの証言をはじめ、腐る程傍証があり、従軍慰安婦問題が存在したという事実は微動もしていない。
この件に関しては国際世論は相変わらず冷たく、ラディカ・クマラスワミ氏が国連に提出したReport of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences, Ms. Radhika Coomaraswamy, submitted in accordance with Commission on Human Rights resolution 1995/85の付属文書Addendum Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences, Ms. Radhika Coomaraswamy, in accordance with Commission on Human Rights resolution 1994/45, Report on the mission to the Democratic People’s Republic of Korea, the Republic of Korea and Japan on the issue of military sexual slavery in wartime(リンク先は和訳)への訂正要求(この報告書の付属文書には吉田証言が用いられている部分が存在している)は一蹴された。
またグレンデール市(アメリカ合衆国、カリフォルニア州)の慰安婦像(2013年7月30日設立、この像は韓国グレンデール婦人協会が設置費用を負担し、市議会により合法的に設置されたものである)撤去要請訴訟もSRAPP(恫喝的訴訟)と認定されて門前払いを喰らうなど状況はお寒い限りである。
陰謀論
慰安婦記事取り消しは高々従軍慰安婦問題の論拠の一つが崩れただけのことであり、従軍慰安婦問題が存在したことを否定するものではない。
従軍慰安婦問題が陰謀であるという主張は、朝日新聞の誤謬に調子付いたネット右翼達が軽挙妄動しているだけのことで、信憑性は極めて低い。
「ネトウヨ歓喜の一点突破」などと揶揄される所以である。
余談
第二次安倍内閣成立後、クマラスワミ氏及び同氏が纏めた上記報告書に対する日本政府(…と言うか、歴史修正主義界隈)の「敵意」は留まるところを知らず、ついには「クマラスワミ氏との会食に同席出来て光栄です。」と言う趣旨の在ベルギー日本大使館駐留女性自衛官のブログ記事を削除させるに至った。
参照
Everyone says I love you! 2015年7月9日付記事:女性自衛官がクマラスワミ氏と昼食に同席できて光栄なこと」と書いたブログを圧殺する自民党と日テレ