概要
文が『東方鈴奈庵』に登場した際の姿を描いた作品に用いられるタグである。
pixivでは『鈴奈庵』登場時の文について本タグの他「社会派ルポライターあや」、「キャスケット文」のタグが用いられている。詳細は後述。
『鈴奈庵』での文
文は初登場の『東方花映塚』以降、『東方文花帖』などで自身の発行する文々。新聞の記者としての活動も語られており、取材したものを文字に書き起こし新聞として広く公開することで幻想郷社会におけるジャーナリズムの一翼としても活動している。
その様子は『鈴奈庵』でも見られ、さらに本作では文ら天狗による情報メディアを通した戦術と幻想郷の様々な勢力のパワーバランスとの関連が語られるなど、事象の深部に踏み込んだ様子も語られている。
また文を通しては近年の都市伝説騒動などにみる伝聞・口伝による不確かな情報がもたらす新しい怪異と情報との関連という視点からもエピソードが展開しており、情報の収集と解析、発信を行う文ならではの切り口で語られることもある。
作中では活動の一環として人間の里の貸本屋である鈴奈庵の本居小鈴に接触し、鈴奈庵での文々。新聞の取り扱いと宣伝を依頼した。文のパワフルな売り込みには小鈴も困惑気味。
このとき文は小鈴に天狗としての正体を明かしたが、博麗霊夢によれば天狗全般に見る気質や、おそらくそんなことをするのは文だろうと想像したうえで文個人のパーソナリティからしてすでにそれを明かしても問題なく、それを明かすことでより確実に交渉を進めることができるような算段がなされていた模様で、また同時に霊夢と小鈴との関係なども把握し人間の里の監視者でもある霊夢に対しても同時に手が打てるような仕組みともなっていた。
鈴奈庵の店内の狭い場所でも的確かつ瞬時に小鈴の背後をとるなど、その器用な俊敏さも健在である他、本作でも物腰の柔らかさと時折覗かせる鋭い威圧感やカリスマ性も見られている。
本人曰く、今の文は「 絶好調 」。
笑顔であることが多く、佇む時でさえ静かな笑みを浮かべるなど、その好調さが窺える。
「 強い者は大抵、笑顔 」(稗田阿求、「幻想郷縁起」、『東方求聞史紀』)。
その後鈴奈庵では文々。新聞の取り扱いが始まり、人々にも良い評判を得た様子である。
季節が一つ進んだころには小鈴も文に馴染んだ様子で、文からの新聞の納品があった際には自然に対話するなどの様子も見られている。
容姿
ジャケットスタイル
次の服装は人間の里に入る際の変装である。
上着にはブラウスの上に長袖のジャケットを着、下にはキュロット様のひざ上までのパンツというスタイルで、帽子を着用する。足元にはソックス、ひも靴。
カラーはジャケットと帽子は薄い茶色(薄いチョコレート色)で、ブラウスは白、ネクタイは赤。
パンツからソックス、靴などのカラーは不明であるが、モノクロにみる様子からパンツはジャケットと同色、ソックスは白系統、靴は黒系統と見ることも出来る。ただし靴ひもと靴に見られるデザインは白系統か。
これに右肩から左腰(左もも付近)にかけてのショルダーバッグを提げることがある。
ジャケットのボタンは正面に二つ、袖に片方三つずつ。裾のボタンのカラーは黄色系統。
胸元にポケットが見えないカットもあるが、別シーンでは描かれているなどこちらには差異がある。
またジャケットから翼が伸びているシーンもあるが、この構造がどのようになっているかの詳細は不明。
同様に翼が見られない時には服の内部で翼がどうなっているかなども不明。
ネクタイの結び目にはダブルノットによるもののような縦の長さと厚みとが見られ、さらにシンプルな形状のネクタイピンでの留めがある。
キュロット様のひざ上までのパンツにはベルトなどは見られず、腰正面の大きめのボタンで留められている様子である。足裾先には折り返されているような厚みがみられ、腿付近にはポケットがある。
また正面方向の折り目がはっきりしている。
帽子は目深にかぶることもあれば斜めにしたりなど状況によって変化する。
本作での文の耳は斜め上方向に鋭角的であるが、この帽子で隠している様子などはない。
シーンによっては最初からジャケットスタイルと帽子ではなく頭襟という組み合わせで描かれるなるケースもあるなど、作中でも服装の組み合わせにはバリエーションがある。
全体的な服装や髪型、作中でのポーズ等とも相まって、ボーイッシュな印象も与える。
口元、または顎に手を寄せるシーンも多い。
所持品
このジャケットスタイルの際に持っているものとしては、ショルダーバッグの他に名刺、ペンとメモ(または手帳)などがある。
鈴奈庵訪問時などは天狗の頭襟も胸元に潜ませており、正体を明かした時などに使用した。
後には風呂敷に包んだ新聞を鈴奈庵に納品するなどの様子も見られる。
一方で団扇や写真機(カメラ)などは変装時には登場していない。
提示した名刺には「 社会派ルポライター あや 」と書かれており、このときの「 あや 」の文字は「 社会派ルポライター 」のフォントサイズに対しておおむね四倍角。また向かって右下(受け取り手の右手親指が触れる位置付近)には紅葉模様と思われるイラストが描かれている。
通常時
上記の変装とは別に通常の服装による文の様子も描かれている。
こちらは「射命丸文」記事の「容姿」項目を参照。
なお文の靴にみる下駄様の歯については本作では一本歯で土踏まず付近にあり、足底の縦幅方向に対して垂直。靴自体は変装時と同種のもの。
また変装時とも共通して、翼は背中中央付近またはそれよりも上部方向寄りから伸びている様子で、こちらでも耳は鋭角的に描かれている。
両者の服装及びその対比は『東方鈴奈庵』単行本第五巻巻末の「設定資料集」にも描かれており、このシーンには作中でもイメージカット中に文と共に登場した姫海棠はたてや犬走椛と思しきキャラクターがともに描かれている。
pixivでは
pixivでは先述の通り『鈴奈庵』登場時の様子を描いた作品に用いられるタグとして本タグを含め三種類のタグが使用されている。すなわち、『鈴奈庵』登場の際に文本人が名乗った肩書あるいはキャッチフレーズとしての「社会派ルポライター あや」、『鈴奈庵』登場時の服装に焦点を当てたタグとしても用いられる「キャスケット文」、『鈴奈庵』における文にまつわる全般を包括する「鈴奈庵文」(本タグ)の三種である。
この内「キャスケット文」については文が『鈴奈庵』に登場する以前から二次創作において想像されてきた「キャスケット帽を着用した文」という創作アプローチに由来するタグであり、これに『鈴奈庵』での文が着用した帽子の様子が近似していたことから、『鈴奈庵』での文の登場以後、pixivでは「キャスケット文」のタグの範囲が拡張したというタグの運用文化の変遷がある。
今日でも当タグは二次創作に由来する「キャスケット文」と『鈴奈庵』にみる文のデザインに由来する通称としての「キャスケット文」の双方のニュアンスでの運用がなされている。
関連イラスト
- 文と文の衣装を着用した他の天狗娘さんという創作アプローチ