概要
ユニコーンガンダムが、敵ニュータイプ(あるいはそれに準ずる強化人間)の発する感応波を感知し、NT-Dシステムを起動させた戦闘形態。
デストロイモード時に「変身」する際、機体を構成するサイコフレームが膨張し、機体の装甲が展開され、体格も通常形態であるユニコーンモードよりも一回り大きく変化する。
また、ジム・タイプに似たフェイス・エクステリアも大きく展開し、一角獣を思わせるアンテナが二つに割れる(通称「角割れ」)事で、よりガンダム然とした外見を成す。
この形態では、操縦系統がインテンション・オートマチックを介したサイコミュによる思考操縦に移行する為、スロットルレバーやコントロールスティックを使う事なく脳波によるコントロールが可能となる。
これによって戦闘時の反応から動作までのタイムラグを軽減し、更に敵パイロットの感応波を受信しその行動を先読みする事で、並のパイロットは元より強化人間でも反応が出来ない程の高速機動を実現した。
また、デストロイモードではサイコフレームによって過剰増幅された感応波で敵サイコミュ兵装を支配・制御下に置く「サイコミュ・ジャック」と呼ばれる機能も使用可能となり、これによって敵機のファンネルなどを奪う事も可能となっている。
欠点として、システムの起動時間が5分と短い点が挙げられる。
これは、全長21.7mの構造体が人間と同等の挙動を行った場合、発生するGによるパイロットへの負担が大きい為であり、その負担は専用のノーマルスーツに備え付けられた「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)」を用いても完全に相殺する事は難しい。
また、パイロットの反応が間に合わない状態では機体に搭載されたインテンション・オートマチックが独自の判断で行動・対処する事もあり、システムの制御に失敗した場合、パイロットは受信した感応波を敵意として変換する処理装置としてNT-Dの制御下に置かれるなどの危険性も持ち合わせている。
なお、システムの起動時間の欠点はユニコーンの護衛機として開発されたジェスタを露払いとして随伴させ、敵ニュータイプをユニコーンと一騎打ちさせる状況を作り出すという運用法が想定されていた。
デストロイ・アンチェインド
ユニコーンガンダムがパイロットとインテンション・オートマチックを介して過剰に交感し、万が一NT-Dの稼働レベルを超えた場合に顕現するユニコーンガンダムの「第三形態」である。
この際、サイコフレームの発するサイコ・フィールドが機体に干渉するのを防ぐ目的で全身の装甲が更に展開され、機体内部のサイコフレームの露出度が更に増大する。「デストロイ・アンチェインド(繋がれざる者)」の名称は、この際に装甲による拘束を解き放つような様から命名された。
ユニコーンガンダムはサイコフレームの持つ未知の特性を予め盛り込んで開発されており、デストロイ・アンチェインドはインテンション・オートマチックの独自判断機能を応用した秘匿形態として設定され、発動条件が揃った際に自動でこの形態に移行するようになっている。
この形態ではサイコミュ接続の流量制限が強制カットされ、機体の操縦権もパイロットからNT-Dシステムへと完全に移行。パイロットも生存を考慮されない「部品」として扱われ、敵ニュータイプを殲滅する為の戦闘マシーンとしての本質を露わにする。
『ガンダムUC』の本編では、サイコフレームが緑色に発光する覚醒状態を経て「真ユニコーンガンダム」へと変化したため、この形態は使用されていない。