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ノックスの十戒の編集履歴

2016-10-05 22:11:05 バージョン

ノックスの十戒

のっくすのじっかい

ノックスの十戒とは、本格推理小説を制作する上で守ることを推奨された十のルール。

本項ではノックスの十戒を元にした、同人ゲーム『うみねこのなく頃に散』の『ノックス十戒』、及び推理小説『インシテミル』の『十戒』についても記述する。


概要

イギリスの推理小説家ロナルド・A・ノックスが1928年に発表した、本格ミステリで守るべきルール集。

日本においては、江戸川乱歩が探偵小説評論集「幻影城」にて紹介している。


ただし、ノックス自身はフェアプレイにこだわる本格ミステリへの皮肉めいたジョークとして十戒を作成したらしく、序文において「どうして自分でこんなことを考えたか分からない」などと宣っている(ノックスは風刺とユーモアを交えた文章を得意としていた)。


よって、この法則はあくまでジョークであり、絶対に守らなければいけない原則ではない。と言うかノックス自身が平然と破っている

江戸川乱歩も、先の幻影城において「初等文法であり、力量のある作家はとらわれずに優れた作品を書いている」と述べており、事実、十戒を守っていない傑作は、当時から現在に至るまでごまんと存在する。

現在においてのノックスの十戒はむしろ「本格ミステリに拘る権威主義をからかうジョーク」と言う解釈が一般的であり、拘り過ぎて「十戒を守ってないからミステリではない」などと言うと間違いなくバカにされるだろう。


とはいえ、前述した幻影城で「初等文法」と言われているように、とりあえず守っておいて損はない。「破ったら面白くなる」と言うのなら拘る必要はないが、特に理由もなく破るのは止めておこう。


内容


1.犯人は物語の序盤に登場していなければならない。


2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない。


3.犯行現場に秘密の抜け穴を作る場合、二つ以上作ってはならない。

(『一つ以上作ってはならない』ともされるが誤訳)


4.常識的にありえない未知の薬物や、一般人の理解しづらい難解な科学技術を事件に適用してはならない。


5.中国人を登場させてはならない。

(この条文の「中国人」は、「超常現象を駆使する人物」を指し、当時のミステリにおいて「超人的な中国拳法」「中国由来の不可思議な秘薬」などが多用されていたため、このような項目が設けられたとされる。

 現在においては差別的な条文と勘違いされる事も多く、それを抜きにしても2・4の条文と内容が重複しているため、欠番とされる事もある)


6.探偵は偶然によって事件を解決してはならない。


7.探偵自身が犯人であってはならない。ただし犯人に変装するなどの場合は除く。


8.探偵は読者に明かしていない手がかりによって事件を解決してはならない。


9.探偵の助手にあたる人物(いわゆる『ワトスン役』)は自らの判断を全て読者に知らせなければならない。


10.双子一人二役の人物を出す場合、その存在をあらかじめ読者に伝えなければならない。


うみねこのなく頃での『ノックス十戒』

ロナルドを元にしたキャラクター・『ドラノール・A・ノックス』が提唱した掟。


「ノックス第1条。 犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず。」

「ノックス第2条。 探偵方法に超自然能力の使用を禁ず。」

「ノックス第3条。 秘密の通路の存在を禁ず。」

「ノックス第4条。 未知の薬物、及び、難解な科学装置の使用を禁ず。」

(欠番)

「ノックス第6条。 探偵方法に偶然第六感の使用を禁ず。」

「ノックス第7条。 探偵が犯人であることを禁ず。」

「ノックス第8条。 提示されない手掛かりでの解決を禁ず。」

「ノックス第9条。 観測者は自分の判断・解釈を主張することが許される。」

「ノックス第10条。手掛かりなき他の登場人物への変装を禁ず。」


オリジナルとの主な違いは以下の三点。

「第3条において秘密の通路の存在が完全に禁止されている(オリジナルでは一つは許される)」

「第5条が欠番になっている」

「第9条に観測者の判断・解釈が間違っている事を許容する要素が加わっている」

作中テキストではこれら十戒は、物語内における『完全な真実』であることを意味する『赤文字』で記述され、これを詠唱することにより、『十戒に禁じられている要素がこの世界には一切存在しない』という保障を行うことが出来る。

これに違反する存在はその世界において始めから存在しないと決定され、また未来永劫新しく出現することも許されない。


関連タグ

うみねこのなく頃に散 ドラノール・A・ノックス


インシテミルの『十戒』

米澤穂信による推理小説『インシテミル』に登場した戒律。

謎の施設にて行われる『実験』に際し、参加者達に提示された。


1.犯人は『実験』開始時に建物内にいた人物でなければならない


2.各参加者は、超自然的な手法を用いてはならない


3.二つ以上の秘密の部屋や通路を使用してはならない


4.未知の毒物や長い解説が必要な装置を用いて殺人を行ってはならない


5.各参加者は中国人であってはならない


6.探偵役は偶然や不思議な直感のみを犯人指名の根拠にしてはならない


7.探偵役となった者は殺人を行ってはならない


8.主人(ホスト)に対し手がかりを隠蔽してはならない


9.ワトスン役の知能は主人のそれより僅かに劣ることが望ましい


10.各参加者は双生児であったり犯人に瓜二つであってはならない


『インシテミル』においては、実験の参加者が『犯人役』と『探偵役』に分かれ、自身に振り分けられる『時給』を増大させるべく行動を起こすことになる(『役』といっても殺人事件そのものは現実に行われる)。


参加者が殺人を犯すとその人物が犯人役となり、『殺人ボーナス』を得られる。これに対し意思のある者は探偵役となって事件の捜査を行う。希望するならばワトスン役(助手)を雇うことも可能。

犯人役は探偵役に真相を暴かれた場合、別室に隔離されて時給が激減し、探偵役に『探偵ボーナス』が与えられる。

逆に探偵役が無実の人間を犯人として指名した場合、探偵役に志願した人物の時給が減少することになる。

助手となった人物は、真相解明に役立つ行動を行ったと評価された場合『助手ボーナス』を得られる。


……と、このように十戒に違反しないように『実験』を遂行していく。


関連タグ

インシテミル

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