※本記事では『太字』を赤文字に見立てて解説する。
概要
作中で起きる殺人事件の真相を求める右代宮戦人に対し、魔女ベアトリーチェが提示した魔法の一種。
うみねこのジャンルがサウンドノベルであることを利用したメタ的な手法でもある。
本編の文中で赤い文字で書かれている部分がこれに当たり、この文字で書かれた部分は物語内における『真実』であり、嘘を疑う必要は一切ないとされる。
例えば、『この部屋に隠し扉は存在しない』という赤文字がある場合、そう記述されている時点で『この部屋に隠し扉は無い』という事実が保障されており、『実は後で隠し扉の存在が……』といった展開を予想する必要は完全に無くなる。
提示された側の戦人も赤き真実を信用している為、物語内でその部屋の隠し扉を探すという行為は一切しなくなる。
作中では主に戦人の考えた推理を否定する目的で使われる(「この部屋には誰かが隠れていた」に対し「部屋には誰も隠れていない」など)が、真実そのものであることを利用し推理の材料としても用いられている。
赤き真実の登場により戦人及びプレイヤーは、手がかりが無さ過ぎてどうとでも推理できてしまうような謎に対しても、一定の解答を導き出せるようになった。
赤文字は本当に真実なのか?
このゲームの趣旨の一つに『事件の真相が「魔女の魔法で起きた」であることを否定する』というものがある。
これに倣うならばそもそも『否定すべき存在のベアトリーチェが出した魔法である赤文字を信じていいのか?』という疑問が生じることになる。
うみねこ小冊子でも「アンチミステリーとアンチファンタジーについて」でこの疑問について語られている。
また作中でベアトは『妾が赤で語ることは真実だが、その記述の内容について説明する義務を負わない』としている。
前述の『この部屋に隠し扉は存在しない』の場合、「何故存在しないのか」「じゃあ他の部屋にはあるのか」について発言者は一切語らないということになる。
赤き真実の存在はある意味『提示されたらその内容を反論も考察もせずに受け入れろ』と強要しているに等しい。
そして、『赤文字で嘘をつくこともできるのでは?』という説もプレイヤーによって指摘されている。
捉え方次第では嘘になる
本編にて右代宮朱志香が殺された後の文に、次のような赤文字がある。
「朱志香の死体発見時、朱志香の部屋にいたのは(省略)のみだった。」
この文章の『朱志香の死体発見時』は、文法の影響で『朱志香の死体が発見された時』と『朱志香が死体を発見した時』の二種類の意味が生じる。
ベアトは赤文字の内容について説明責任を負わない為、実はこの赤文字の意味が後者であるという可能性を否定することは出来ない。
また、「死体の朱志香ももちろん含めるぞ」といった、赤文字と通常文字を組み合わせた記述もあり、文章だけを見るならば『実は朱志香は死んでいない?(死んだふり?)』という解釈も生まれる。
このように赤文字は、受け取る側の解釈によっては勘違いや新たな疑惑を生み出すこともある。
メディアミックス作品での『赤き真実』
上記のように赤き真実は色と文字を組み合わせたシステムの為、うみねこの漫画版、アニメ版、小説版(講談社BOX版)ではどのように再現されるのかがファンの間で注目されていた。
結果として小説版は原作通りの赤い文字、漫画版では『当該文字のフォントを変え、更に傍線を引く』という処置が施された。
アニメ版では「妾は真実を語る時、それを赤い文字にて示す」という設定になり、該当する発言を行った時に画面内を赤文字が浮遊するという仕様をとっている。
二次創作群における『赤き真実』
真実そのものの文字であることを利用し、二次創作イラスト等ではネタとして使用されることもある。
主に他人の恥ずかしい秘密を暴露したり、とんでもないカミングアウトを行う時に使われる。
pixivではイメレス素材として『ベアトの赤き真実』が登場した。
関連タグ
青き真実 同じくうみねこ内に存在するシステム。用法が異なる。