1996年にゲームアーツから発売されたセガサターン用の3Dシューティングゲーム。
概要
セガサターンの発売から1年程にもかかわらず、ハードの機能を限界まで使用した華麗なグラフィックとゲーム性、さらに近未来(2015年~)を舞台にしたリアルな世界設定などで、根強いファンを獲得した。
オープニングムービーは逸品。
世界観
21世紀初頭。エネルギー危機、人口爆発、食糧危機などで豊かな大地は失われ、地域紛争は激化していた。
世界は『アジア太平洋共同体(APC)』、『汎ヨーロッパ連合(PEU)』『アメリカ自由貿易機構(AFTA)』
『アフリカ統一機構(OAU)※』に分割されていた。
激化する紛争により日本国憲法第9条を盾に派兵を拒み続けた日本も、ついに派兵を余儀なくされる。そこで日本政府は苦肉の策として『日本外人部隊』を設立。さらに新型である12式装甲歩行戦闘車を装備し、ユーラシア地域の戦争に参加していく。
※アフリカ統一機構は実在した組織であるが、現在はアフリカ連合に発展改組されている。
内容
プレイヤーは**HIGH-MACS**(ハイマックス)と呼ばれる歩行兵器(12式装甲歩行戦闘車)のパイロットとしてユーラシア地域の紛争に参加していく。
このHIGH-MACSは前後左右の歩行の他にローラーダッシュによる高速移動、上半身の旋回、ジャンプによる滑空など三次元的な動作が可能。それに加え、射撃や暗視装置の操作などあまりに複雑な動作のため、サターンのコントローラーボタン全てを使用している。
また、戦闘の合間に補給や応急修理も可能で、味方の輸送ヘリのそばで停止することで行われる(反面その間は無防備になる)。
またシナリオはAPC、PEU間の戦争がメインであるが、非常に刹那的であり、いくらミッションをクリアし敵を殲滅しても、次のミッションでは戦局は悪化している(シベリア鉄道による輸送網を破壊するミッションで、列車を破壊しクリアとなっても、次のミッションでは敵輸送作戦は成功しており、自軍が不利になっている)。
これは、あくまで一人の兵士として戦争に参加しているのであり、SFのようなヒーロー的なものではないが、非常にリアリティがある(なお最終的にはアメリカの率いるAFTAの乱入により両陣営共倒れとなる)
登場兵器
本作ではAWGS(装甲歩行砲システム)やその発展型であるHIGH-MACSなどのロボット兵器に加え、戦車など実在する兵器(の改良型もしくは後継機)も登場する。
AWGSは二足や多足歩行による不整地突破能力に優れた兵器であるが、平地での機動性に劣る。
HIGH-MACSはローラー移動に加え、ジャンプによる滑空、輸送機からの降下作戦も可能な兵器である。
このように圧倒的な性能であるが、従来兵器からの更新はあまり進んでいない。草原などの平地では戦車が有利であったり、航空機の攻撃に弱いなどの弱点もある(ゲームでも戦闘ヘリはやっかいな存在)。
なお、RAH-66コマンチのような試作機、レオパルド3や90式戦車改などの架空の兵器も登場する(なおこの90式戦車改はオープニングでフルボッコにされ、PEU軍兵士に「90式はブリキ缶だぜ」と酷評された)
余談
都市伝説的な話であるが、ミリタリー色が強く、世界設定がリアルな作品のため、自衛隊(特に陸自)の評判が良かったらしく、駐屯地の売店にサターンとセットで売られていたとか…。またOPの90式フルボッコのシーンでは、戦車乗りがへそを曲げたり、味方のはずの中国軍を撃ったりしていたらしい…
(正直本作の中国兵器はザコ性能なので、防衛目標以外は居ても居なくてもいいのだが…)
関連イラスト
関連動画
オープニングムービー
[nicovideo:sm611306]