パズズ
ぱずず
パズズとは古代メソポタミアの魔神である。
概要
紀元前1000年紀に、アッシリアとバビロニアで崇拝された魔神。
獅子の頭と腕、背中には四枚の翼、尾は蠍、さらに蛇の男根を隠し持つとされる悪霊の王。
風と熱風を操り、その力で旱魃をもたらし飢えで人々を苦しめるという。また彼が操る熱風には熱病の原因となる毒(=病原菌)が含まれており、人はおろか畜獣さえ病死させてしまうほどだとされる。
また蝗害の擬人化という説も持つ。
パズズ信仰
邪悪な冥界の魔神として人々に恐れられたが、その反面パズズの護符は疫病をもたらす西風や、流産や死産をもたらし幼児を殺す女魔神ラマシュトゥから人々を守護すると信じられるなど、日本における御霊信仰と類似する面をもっていた。
また彼以上の悪魔もいないとされる「魔王」とも云われ、その護符や彫像はその他の悪魔を寄せ付けない「魔除け」ともなったいわれる。