甲種回送ともいうが、正しい用法とはいえない。
鉄道車両の輸送方法のひとつで、新製された車両を直接機関車に牽引させて鉄道車両メーカーから各鉄道会社最寄り駅まで輸送する方法である。この場合は鉄道車両の形をした貨物として扱われる。
通常はそのままJR貨物の機関車に牽引されるが、JRの軌間とは違う鉄道(京浜急行電鉄・京王電鉄・京成電鉄など)の場合は、JR用の仮台車を履かせて輸送する場合がある。その場合は、本設の台車は別の貨車に積載して輸送するかトラックで輸送する。
なお、車体のみを貨車に搭載して輸送する方法を「乙種輸送」という。
なお、新津発のJR東日本の新車については、輸送区間が自社線内で完結するので、甲種輸送に当たらず「配給列車」の扱いである。
特殊な例として、東武東上線⇔伊勢崎線間の車両移動の際に秩父鉄道を介して行うが、その際は電車【秩父鉄道のATSを搭載した車両】が電車を牽引する珍しい組み合わせで行われている。
新幹線の甲種輸送
e6系等の新在新幹線向けの車両では台車を仮の物な交換、パンタグラフをテープで保護、全周幌未装着で輸送された。また400系やE3試作車等は後述の新幹線輸送と同じく専用貨車シムを連結し、編成もe6系の様に編成単位で輸送されるのでは無く、ぶつ切り(中間車のみの輸送や中間車同士との間に先頭車が組み込まれるなど)状態で輸送された
また日本車両で製造された東海道・山陽新幹線で使用する新幹線電車や300Xやドクターイエロー923形などの試験車を在来線のホームや屋根に接触しない高さに調整された専用の台車と新幹線の連結用控貨車(シム)を連結し、2004年まで飯田線・東海道本線経由で浜松工場に向けて深夜に輸送されていた。ただし100系の2階建て車両については在来線経由での甲種輸送ができないため、トレーラー輸送となった。
この日本車両からの新幹線車両の輸送は当初は日中に行われていたが、後年は終電以降の深夜での輸送となり、2004年に舞阪駅のホームがバリアフリー対応工事でかさ上げされて以降鉄道輸送が出来なくなった為、現在の東海道・山陽新幹線主力車両であるN700・N700Aでは甲種輸送から陸上輸送に切り替えられている