概要
アクシデントで、無人島に漂着したキラパティ一行。空腹でキラ星シエルから妖精の姿に戻ってしまったキラリンが島内を探索していると、同じく漂着して帰れなくなっていたビブリーを発見する。敵愾心を剥き出しにするものの、淋しそうな目をしたビブリーが気になったシエルは、彼女にも食べて元気になってもらいたいとペンギンかき氷を差し出す。
感謝するどころか、孤独な自分を馬鹿にしていると逆上し、キラキラルを奪って巨大イルをけしかけるビブリーだったが、その戦闘の最中にも「一人じゃないよ、あきらめないで」と優しく手を差し伸べるシエルに、ビブリーの心は大きく揺さぶられるのだった。
この第26話は、予告の時点では水着サービス回及び夏休みのギャグ回と予測されていたが、蓋を開けてみればノワールとの出会いも含めて悲しき過去が明かされたビブリー回であり、さらにそのビブリーにシエルが救済の手を伸ばし、新たなカップリングの誕生というおまけもついて評判となった。
ただ、この二人の関係は26話で突然降って湧いたものではなく、それ以前から丁寧に積み重ねられたていたものである。もともとビブリーとシエルは登場時期が同じであり、シエルが天才パティシエということもあり、ビブリーはシエルのスイーツを狙うことが多かった。だがシエルがビブリーに付け狙われることで、プリキュア達がシエルを守る形で接触することになり、その流れでシエルとプリキュアたちの間に絆ができ、最終的にシエルはキュアパルフェヘと覚醒することになるのである。そしてパルフェがデビュー戦で最初に倒した相手はビブリーであり、さらにその時の敗北でビブリーの大切なアイテムであるイルが力を失ってしまう。
ビブリーにとってシエルは「キラキラルを奪うためのおいしい獲物」だったはずなのに、間接的に彼女をプリキュアに導く手助けをしてしまい、なおかつ敗北という屈辱を与えられた相手なのである。
もっとも、シエルの方はビブリーに対してこの26話まで気にとめることなどなかったのだが、ビブリーが自分に対して強い憎悪を抱いていたことで、ビブリーを闇から救えるのは自分だけだと感じたのである。憎しみは関心があることの裏返し。それはシエルが双子の弟・ピカリオとの愛憎の悲劇を経て学んだことでもある。
紆余曲折あって無事プリキュア達と和解を果たしたビブリーと共に迎えた33話。他のメンバーは若干距離を計りかねていたようだったが、シエルは積極的にお菓子作りに誘うなどビブリーが周りと馴染むためのきっかけを作っていた。また同話のラストシーンにおいて、シエルがビブリーに対し自分の店を手伝うように促すシーンがあった。境遇が境遇なのでビブリーには衣食住の確保が難しいと思われるため、もしかしたらこのまま同棲という流れになるかもしれない。
王道とも言えるプリキュアと敵少女幹部のカップリング、果たして今作ではどのような結末を迎えるのであろうか。