シエビブ
しえびぶ
明るく社交的なシエルとわがままでややひねくれているビブリーという正反対な性格の二人によるカップリング。プリキュアシリーズでは恒例となっている敵組織の幹部とプリキュアによるカップリングでもある。
二人の間には直接的な接点は無かったが、シエルの弟とビブリーはかつて敵組織に属していた仲間同士であった(ただし仲はすこぶる悪かった)。また、シエルとビブリーはともにノワールの策略によって心を闇に染められた経験を持つ。決して良い経験ではなかったが、このことが後に二人を近づける一因となった。
本作のカップリングの中では新参に当たるが誕生時から高い人気を博している。
ともに18話付近から登場していた二人ではあったが、カップリングが誕生したのは26話とやや遅い。また、26話を迎えるまで直接的な二人の描写はほぼなかった。
ただ、この二人の関係は26話で突然降って湧いたものではなく、それ以前から丁寧に積み重ねられたていたものである。もともとビブリーとシエルは登場時期が同じであり、シエルが天才パティシエということもあり、ビブリーはシエルのスイーツを狙うことが多かった。だがシエルがビブリーに付け狙われることで、プリキュア達がシエルを守る形で接触することになり、その流れでシエルとプリキュアたちの間に絆ができ、最終的にシエルはキュアパルフェヘと覚醒することになるのである。そしてパルフェがデビュー戦で最初に倒した相手はビブリーであり、さらにその時の敗北でビブリーの大切なアイテムであるイルが力を失ってしまう。
ビブリーにとってシエルは「キラキラルを奪うためのおいしい獲物」だったはずなのに、間接的に彼女をプリキュアに導く手助けをしてしまい、なおかつ敗北という屈辱を与えられた相手なのである。
もっとも、シエルの方はビブリーに対してこの26話まで気にとめることなどなかったのだが、ビブリーが自分に対して強い憎悪を抱いていたことで、ビブリーを闇から救えるのは自分だけだと感じたのである。憎しみは関心があることの裏返し。それはシエルが双子の弟・ピカリオとの愛憎の悲劇を経て学んだことでもある。
■第26話
アクシデントで、無人島に漂着したキラパティ一行。空腹でキラ星シエルから妖精の姿に戻ってしまったキラリンが島内を探索していると、同じく漂着して帰れなくなっていたビブリーを発見する。敵愾心を剥き出しにするものの、淋しそうな目をしたビブリーが気になったシエルは、彼女にも食べて元気になってもらいたいとペンギンかき氷を差し出す。
感謝するどころか、孤独な自分を馬鹿にしていると逆上し、キラキラルを奪って巨大イルをけしかけるビブリーだったが、その戦闘の最中にも「一人じゃないよ、あきらめないで」と優しく手を差し伸べるシエルに、ビブリーの心は大きく揺さぶられるのだった。
この第26話は、予告の時点では水着サービス回及び夏休みのギャグ回と予測されていたが、蓋を開けてみればノワールとの出会いも含めて悲しき過去が明かされたビブリー回であり、さらにそのビブリーにシエルが救済の手を伸ばし、新たなカップリングの誕生というおまけもついて評判となった。
■第32話
自身が孤独に陥った原因がノワールにあった事を知ったビブリーは闇から逃れるようにプリキュア達のもとに転がりこむのだが、その際に真っ先にすがり付いたのがシエルであった。他のメンバーとの交流がなかったから当然とも言えるが、プライドの高い彼女が散々嫌っていたプリキュアに自らすがり付いた事を見るに、26話での交流は少なからず彼女の心に影響を与えていたのだと思われる。
今話にて彼女の闇は祓われ、プリキュア達と共に行動していく事となった。
■第33話
紆余曲折あったが無事和解を果たしたプリキュアたちとビブリー。和解後も敵対していたときと変わらない態度でいるビブリーに他のメンバーは若干距離を計りかねていたようだったが、シエルは積極的にお菓子作りに誘うなどしてビブリーが周りと馴染むためのきっかけを作っていた。また同話のラストシーンにおいてシエルがビブリーに対し自分の店を手伝うように促すシーンがあり、その後の描写を見るとウェイトレスとして彼女の店を手伝っているようだ。
■第37話
パリ時代の恩人であるソレーヌの誘いに様々な感情が入り交じり気持ちが揺れ動くシエル。他のプリキュアメンバーが足踏みする中、ビブリーは物怖じすることなくシエルに言い放つ。
「やりたいようにやりなさいよ。あんたの夢なんだから。他人なんて関係ないでしょ。」
これは言いたいことは迷わず言うビブリーであったから言えた台詞である(他のプリキュアメンバーはプロであるシエルとの立場の違い等から一歩を踏み出せない状態だった)。そう考えるとシエルにとってビブリーは最も対等な関係にある人物とも言えるかもしれない。
その一言で迷いが断ち切れたシエルは日本に残る決心を決めたのだった。その際、シエルにお礼を言われたビブリーが見せた表情と態度はファンなら必見である。
■第41話
33話より曖昧となっていたが、やはりシエルの店で居候していたことが明言された。ピカリオが復活を遂げたため、ビブリーの扱いがどうなるかと不安の声もあったがどうやら三人で暮らしていくことに決まったようだ。その際、シエルはピカリオに「ビブリーは私のお友達」だと語った。ノワールによって孤独に追い込まれ、何より孤独を恐れていた彼女にようやく友達だと言ってくれる存在が生まれた瞬間であった。
キラピカ姉弟の仲が非常に良い(街を歩く二人を見てカップルだと勘違いした人がいたレベル)ため、今後一緒に暮らしていく中で色々と苦労するかもしれない。ビブリー超がんばれ。
■第46話
遂にノワールがこちらの世界に登場し、その恐怖を誰よりもわかっているビブリーは恐怖に震える。その際、シエルは震える彼女を宥めるように優しく寄り添っていた。
41話以降、メインキャラクターが中心でストーリーが進んだ事とキラピカ姉弟がセットで行動することが多くなった事もあり、ほとんど絡みがなかった二人であったが今話にて久々に描写された。
本編最終回の描写を見る限り、数年が経った世界でビブリーはシエルの店ではなくペコリンを中心とした妖精が経営するペコリンパティスリーの手伝いをしているようだ。
少し寂しさの残る結末ではあるが、彼女たちの友情が永遠に続くことを祈ろう。スイーツで繋がった絆は決して切れることはないのだから。
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