王帝君
おうていくん
概要
アジアの小国・西鳳民国の大統領。58歳。
ライオンを彷彿とさせる風貌に年齢を感じさせない屈強な肉体を併せ持ち、その力強いリーダーシップと人々の心を引きつける演説で国民を牽引している。
第1話で来日し、ひょうたん湖で催された歓迎式典での演説中に何者かに命を狙われ、検事局長直々の指名により、御剣怜侍が捜査を行うこととなる。
西鳳民国出身の国際警察の捜査官狼士龍の実家である狼家とも古くから親交があるのだが、何故か今回の式典の警備は日本の警備会社に依頼している。
ネタバレ
以下、第1話と第5話ネタバレ
第1話で発生した暗殺未遂事件は、実は自国で低下しつつある支持率回復を狙った自作自演である。
だが、警備チームのサブリーダーであった内藤馬乃介がこの計画を利用し、リーダーの外城涯を殺害する事件に発展してしまった。
一見護衛なんていらないくらい強そうな人物に見えるが、追い詰められるなどして力が抜けてしまうと全身の筋肉がたるんで醜い中年太りの姿になってしまう。性格の方も大変な臆病者で、過剰な量の防犯グッズを携帯している。警備のリーダーであった外城を信頼していたようで、サブリーダーの内藤と対立していたことに心を痛めている。
その後、第5話にてビッグタワーの隣にある映画撮影現場で遺体となって発見される。享年58。
その第一印象や王本人と親しかった狼士龍が語る人物像とはかなりギャップのある本性の持ち主だが、それもそのはず。作中に出てくる王帝君は実は影武者であり、本物は12年も前に鳳院坊了賢によって暗殺されてしまっている。了賢の証言によると、影武者の王帝君は、多くの敵を抱える本物を守るために、常に暗殺に怯える日々を送っていた。いつしかその境遇を疎み、自分が本物の王帝君になれると考えるようになっていったという。
12年前、本物の大統領と共に来日した影武者は一柳万才と美和マリーの二人と結託し、警備の目を盗んでコッソリ外出した本物を了賢に暗殺させた上で狂言誘拐事件を起こし、身代金と大統領の地位を手に入れたのである。当時この事件の捜査にあたった狼士龍の父・狼大龍は捜査を進める内にこの真相に辿り着いていたようで、大統領の死による国内の混乱を避けるために真相を明かさぬままこの世を去ったという。
影武者も第5話で死亡するわけだが、死亡直前にビッグタワーにて水鏡秤とお忍びで会見している。黒幕の推理によれば、後述する本物の息子との接点である水鏡を殺害するためであったという。確かに銃を所持して会見していたのは事実だが、復讐のために黒幕が襲ってきた時、水鏡を殺害せずにビッグタワー屋上から退避させている(これも黒幕によれば、水鏡母子を殺すのはいつでもできたからという)。
なお、本物の大統領は13年前に日本人の女性との間に密かに子供をもうけており、12年前に外出した理由は1歳になる我が子の顔を一目見るためである。その子供こそ水鏡秤の養子・相沢詩紋であり、詩紋の母親は水鏡の従姉妹にあたる。息子と会うことは叶わなかったが、親子の絆は、暗殺の日に携えていたシシユリの花によって12年後の世界とつながっていた。
また、狼家には「相沢詩紋を自分の息子と認める」という旨の遺言状が内容を伏せた上で預けられている。