タカラの発売した迷作ロボットアクションゲーム。プラットフォームはPS2。通称はJフェニ。
プレイヤーはアルサレア帝国精鋭部隊の隊長となり「パンツァーフレーム」と呼称される、各部パーツを交換可能な人型ロボットを操縦し各種のミッションを、小隊員と共にこなしていく。
概要
……まあぶっちゃけて言うと『アーマード・コア』のパクリであると言わざるを得ない(操作に至っては完全に同一である)が、アニメ絵のキャラを前面に打ち出した作風はパクリ元とは一線を画しており、「BURMシステム」という特定構成時の能力ボーナスや、一定時間能力が変化する「ハイパーモード」、小隊員との連携攻撃「コンビネーションバースト」などパクリ元からの差別化を図る工夫も見られる。
また「100機斬り」モードなど、実際の感覚自体はむしろ『アーマード・コア』と『無双』シリーズの折衷という気分でもある。
しかし所詮はパクリであり、バグなど端々にチープさを感じさせる作りになっている。
また、その商品展開や内容の様子から、開発費自体は余り予算を与えられていない雰囲気を随所にまとっている。
「バーストタクティクス」「コバルト小隊編」「2」などの続編、およびスピンオフ作品「リップス小隊編」が発売された。
なお「2」では「Z.O.E」っぽくもなっている。[要出典]
メインメカデザインは大河原邦男。
各シリーズ解説
機甲兵団 J-PHOENIX 序章篇
記念すべき第一作にして、このシリーズを迷作たらしめた作品。
通称「本編」と呼ばれる、「機甲兵団 J-PHOENIX」のストーリー1~3話を収録している。
数少ないファンの間でも「体験版のよう」と形容される作品で、操作系の不具合はないが、内容が薄い。ギャラリーなど、普通はファンディスクに収録するようなモードもある。
続編へのセーブデータのコンバートで隠しパーツが登場するなど、明らかに開発費を稼ごうとする必死感が見られる。
そんなクオリティだが、販売価格はフルプライスで、ライバル製品のファンを戦慄させた。
機甲兵団 J-PHOENIX
通称「本編」と呼ばれる。シリーズ中最もストーリー性のある作品で、ファンが薦めるno.1作品。
プレイヤーは、暗殺されたアルサレア最高位将軍「グレン・クラウゼン」の影武者「グレンリーダー」となり、アルサレア戦役を戦い抜く。
ストーリー性、ゲーム性ともに出来は良く、娯楽性が最も高い。
ただ、プレイヤーのみ出撃のミッションが多く、ムービー以外部下たちは影が薄い。
機甲兵団 J-PHOENIX+
上記の「本編」に新PF「J-アイン」「J-バビロス」とEXモードを追加したXBOX版。
EXモードは3機のPFをそれぞれカスタマイズでき、ミッションではプレイヤーが3機のうち1機を状況に応じて切り替えて操作することができる。
機甲兵団 J-PHOENIX バーストタクティクス(BT)
「本編」のスピンオフ作品で、強奪された新型機を奪還するストーリー。
「BURMシステム」の登場によりカスタム性が大いに向上、ライバル製品との差別化を大いに決定づけたが、
カスタムによる自機性能向上により、難易度も上昇。マゾゲーに片足を突っ込んだ。
また、小隊との連携をより演出する連携攻撃(必殺技)「コンビネーションバースト」の追加で僚機の存在価値が出てきた。
……自機が強すぎる(または、高機動な自機に僚機が追いつけない)為、プレイヤーの遊び方次第では空気になるが。
反面、差別化の上で重要だったストーリーが「ムービー+セリフ(ボイス)」から、「マップ画面+セリフ(文字)」になった所為で希薄になる。
さらにクリア特典のおまけミッションは仕様でバグフィックスされていない。(要セーブの警告がされる)
機甲兵団 J-PHOENIX コバルト小隊篇
「本編」終戦後のアナザーストーリー。辺境での局地戦闘を担う「コバルトリーダー」となり、友軍部隊を指揮しながら敵を殲滅する。
ストーリーがターン制SLG形式になり、プレイヤー小隊の他に友軍を指揮出来るようになった。
友軍部隊の隊長に、部下である小隊員を配属することができるシステム上、キャラクターが最も多い作品。(硬派なオッサンからロリまで。)
カスタム要素が洗礼され、かなり遊べる作品になっている。対戦ツールとしても優秀。
が、デメリットも存在。折角のSLGパートは、ユニット(敵味方共に)の火力不足で永遠と膠着するため結局はプレイヤー頼りとなり、
部下の専用機のカスタマイズが悪いので、キャラ性能には格差が生じた。
ストーリーの表現も「マップ画面+セリフ(文字)」のままで、希薄感を感じさせる。
「一級戦犯」のOVAも、この作品から付属。(内容は後述)
機甲兵団 J-PHOENIX2 序章篇
システムが一新され、宇宙空間の戦闘も追加された、いわば第二世代と言えるような作品。
そのため当然のごとく登場した。フルプライスで。
内容のほとんどがチュートリアルと兵器開発だった。
ブースト移動でのEN消費が無くなったので、ほぼ無限飛行が可能。
カスタムがタイプ化され、「ミサイルを自動迎撃」など、特殊カスタムが追加された。
中でも、「武器が変形する」システムは革命的だった。が、開発もとても面倒であった。
OVAやデータコンバートの隠しパーツもあり、相変わらず内容不足の癖に買わせる気が満々である。
機甲兵団 J-PHOENIX2
プレイヤーは第202特務小隊、通称「レガルド小隊」の隊長、ブレッド・アローズとなり、「本編(リメイク)」のアナザーストーリーを戦い抜く。
メディアミックスのキャラクターたちがついに参戦し、お祭りゲー要素も内包。
機体パーツからコンパチブルモデルを一掃したが、その所為で従来機の印象が変わってしまった。その変更については賛否両論である。
待望の9連ミサイルや二丁拳銃など、カスタム性は高いが、肝心の入手方法が「兵器開発」という名の酷い作業ゲーだったので投げるプレイヤーが続出。
この作品だけ攻略本が存在しない点から、暗黒期入りしている事が見て取れる。
OVAも当作の同梱品が最終話である。
メディアミックス作品
機甲兵団 J-PHOENIX PFリップス小隊
シリーズを迷作たらしめた「一級戦犯」であるOVA。媒体はDVD。
プレイヤー層を完全に見間違えた作品である。
もしかしたら新しい顧客を得ようとしたのかも知れないが、
あざといキャラ属性、あざとい演出をひたすらに詰め込んでおり、その筋をも呆れさせたらしい。
パッケージに燦々と輝くエロゲキャラは、レジへ向かうプレイヤーを大いに苦しませた。(羞恥心的な意味で。)
『アーマード・コア』シリーズとの比較
ライバル製品……もといパクリ元と比較すると、持ってる人間にしか分からない良い要素、悪い要素が存在する。
差別化はしっかり頑張っていたらしい。
▽格闘武器が豊富。
ACシリーズと最も異なる点にして、最大の特徴。
その個性はかなり濃い。素手、レーザーソード、刀、槍、大剣、棍棒、パイルバンカー、巨大ハンマー、クローe.t.c.……
プレイヤーは好きな接近戦を展開出来るのである。オンラインさえあれば「PFボクシング部屋」とか遊びようがあったが過ぎた話である。
▽個性的な完全規格PF
機体の各パーツは4パーツ(頭部、胸部、腕部、脚部)で一体したデザインを取っている。ACシリーズで言えば4系列のような一体デザインをとっていた。
生半可なカスタムよりは純正のほうがよっぽど強い。(カスタムを極めると足元に及ばないが。)
大河原邦男のデザインによる機体も存在し、硬派なアニメロボ好きも満足。(異論は認める)
かたや勇者ロボ風やロボ娘のようなイロモノも取りそろえております。(癖もあるが妙に高性能)
▽高機動な自機
新作になるにつれ重厚感を極めて行ったライバルのAC3系列、N系列に比べ、Jフェニシリーズは高い機体速度や飛行能力が売りだった。
AC4系列の登場により、特徴を失う。
▽個性豊かなキャラクター、しかし……
特徴である。しかし、差別化という点では、あまり威力はない。
割と王道なキャラ付けと遜色ない顔立ちのJフェニのキャラ。
対してACは顔は不明だが、人物は皆濃いのである。プレイヤーの想像や感情移入の懐が広かった。
今あなたが見ているイラストSNS、pixivに多くのパイロット想像画が有る事考えれば、特に言うこともないだろう。
▽ストーリー性の差
これまた方向性が違う。軍人になり敵軍と戦う、リアルロボアニメ王道の展開であるJフェニと、
底が無いほどに深いストーリーを持つACでは、プレイヤー側の感情移入度に大きな差が出ることになった。(フロム脳なファンの存在など)
Jフェニは、続編になるにつれストーリー性が失われてしまうので、より世界観が深まっていったACとは、大きな差が出ている。
▽圧倒的知名度の差、市場追従による宿命
フロムソフトウェアの看板ゲームであるACに比べ、Jフェニックスはタカラの一ゲームに過ぎず、開発力からセールスからと、力の入れように大いに差ある。
しかも、Jフェニは後発である。これではパクリゲーと形容されても仕方がなかった。
現在のJ-PHOENIXファン層
ワゴンセールや、中古購入したプレイヤーが多い。(市場価格はだいたい1000円~500円以下)
アニメロボ好きで、メカデザインが気に入り購入するケースが多い。
また、ACシリーズのファンであるプレイヤーも多く存在する。
そんなファンがこのゲームを愛する理由の一つに、「難易度は簡単めで、娯楽性が高いのでB級映画のような楽しみ方が出来る。」
というのが挙げられるだろうか。そんな人々である。