シエル・ファントムハイヴ
しえるふぁんとむはいゔ
概要
ファントムハイヴ家の若き当主。爵位は「伯爵」。年齢は12~13歳くらい。
幼くして広大な領地を治め、玩具・製菓メーカー「ファントム社」の社長を務める天才実業家で数年で英国最大の企業規模にし、その裏でファントムハイヴ家は代々「女王の番犬」「悪の貴族」と呼ばれ、大英帝国女王の依頼を受け、表沙汰にならないような様々な事件解決に暗躍してきた。
悪魔であるセバスチャンと「復讐を果たすまでの間、執事として仕えさせる」契約を交わしており、普段は眼帯で覆っている右目に、契約の証である逆ペンタクルがある。契約終了後、シエルの魂はセバスチャンのものとなるらしい。
平時はほぼ常に仏頂面で、非常に我侭。人(悪魔?)使いも非常に荒く、毒舌なセバスチャンも影で「クソガキ」呼ばわりするほど。年の割りに大人びている反面、意外と押しに弱かったり、貴族の必需である社交ダンスが苦手なために貴族の集会にほとんど姿を現さないなどの一面を持つ。猫アレルギー持ち。
好きな食べ物は甘いもの・・・というより、少食かつ偏食。甘いものは外出先でもつまみ食いするほど好きだが、それ以外の食事は食べている描写が少なく、食べていても一口二口で済ませている。そのことも手伝ってか、もともと細身な体型は一際華奢(ついでに小柄)になり、測るたびにウエストの細さを更新しているとか。
家を継ぐには幼く華奢だが芯は非常に強く、逆境に屈せず誇り高く生きるその姿勢は、セバスチャンに強く一目置かれている。
謎
話が進むにつれて、
「契約時に名前を名乗ったらセバスチャンに嘘つき呼ばわりされる」
「行方不明になる以前のリジーとの思い出を記憶していない」
「過去の写真を他人に見られることを極端に嫌がる」
などの伏線が生じており、
読者の間では
「作中のシエルは、本当にシエル・ファントムハイヴなのか?」
という疑念が生じている。
この先は作品の根幹に関わる非常に重大なネタバレが書かれていますので、閲覧にご注意下さい。 |
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タウンハウスでソーマが謎の人物により負傷し、アグニもナイフで殺されていた。そして屋敷に残ったメッセージ…………
Why stole The candy From my thwmy?(お腹のキャンディ、盗ったのだあれ?)
それを見たシエルは、動揺しながらセバスチャンに嘘をついていないか聞く。セバスチャンは答える。「残念ながら、私は嘘はつきません」と。
傷ついたソーマをサリヴァンの所へ預け、本邸に向かうシエルとセバスチャン。そこには驚愕の人物がいた。
こら、ダメじゃないか、こんな寒いのにそんなずぶ濡れになって
でも、もう心配しなくていい
二度とお前をひとりになんかしないよ
ただいま
26巻にて、セバスチャンと契約した「坊ちゃん」の本名は「シエル・ファントムハイヴ」ではなく、双子の兄の名前であることが判明する。
タナカは全て知っていた。そして語り始める。真実を。
15年程前、ヴィンセントとレイチェルは結婚、翌年レイチェルは子を身ごもり、そして12月14日。大雪の日、無事子供が産まれる。しかし聞こえてきた産声は二つ…………
レイチェルが出産したのは、男の双子だった。
二人は鏡合わせのように何もかもが瓜二つであった。しかし兄のシエルに比べ、弟、即ち今までシエル・ファントムハイヴと名乗っていた少年は内向的で母親に似て喘息持ち。良く身体を壊していたが、兄のシエルは優しくしてくれる。だけど元気で優しいのはシエルだけ。強くて頼れるのはシエルだけ。伯爵になれないのは僕だけ。僕たちは同じ顔をしているけど何もかも違っていた。
そして時が経ち、双子は10歳の誕生日を迎える。その日は屋敷が誕生日パーティの準備に朝から明け暮れていた。準備が出来るまで部屋で待つ二人。しかし、パーティの時間になってもタナカやヴィンセントや他の使用人は誰も迎えに来なかった…………