「御意のままに(ジョー・アーギャー)」
概要
CV:安元洋貴
ソーマ・アスマン・カダールの執事(カーンサマー)。初登場は四巻の逆さま吊り事件編。
ソーマと共に乳母のミーナを連れ戻すべくインドのベンガル藩からイギリスへ来た。
媒体によっては「黄執事」と称されることがある。
性格
温厚な性格で、セバスチャンですら手を焼く使用人に対し怒るのでも邪険にするのでもなく的確な指示を与え、トラブルなく晩餐の準備を終えたことがある。
その時セバスチャンは「凄い人ですね」と感嘆していた。ごくたまに激昂するときには目から血涙を流す。執事としてのあり方などセバスチャンに進言する場面も。
経歴
本名はアルシャド・サティエンドラ・イヤー。1858年8月24日生まれ。
司祭階級の家に生まれたが、父の堕落した姿を見て、神を信じられず冒涜と悪行を繰り返し、ついに死刑になる時、ソーマに拾われる。
この時に「アグニ」と名を与えられ、自身を救ってくれたソーマを「神」と慕い、執事として側に仕えるようになった。執事としての返答は「御意のままに(ジョー・アーギャー)」
ちなみにアグニとはインド神話の火の神の名。
身体能力
前述通り、ソーマを自分を救ってくれた「神」とみなしているので、ソーマの命令や、ソーマに危機が迫ったときには、「サマーディ(自己暗示)」により通常の人間を超えた身体能力を発揮する。それは悪魔であるセバスチャンとフェンシング対決で互角にやり合うほど。
(セバスチャン曰く、普通の人間が5人10人束になってもアグニには叶わない、とのこと。)
ソーマのこと以外には力を奮わないと誓っており、右手は常に布が巻かれている。
が、有事の際には布を引きちぎり驚異的な身体能力を発揮する。
ソーマはアグニの右手を「神の右手(カーリーの右手)」と称しており、それは単に力が強いだけでなく、アグニは、数千のスパイスから最高の調合を行い、奇跡のカリーを作れることに由来している。これは執事になる前から身に付けていたものでソーマが彼を助け執事に迎えた理由の一つでもある(ソーマ曰く彼が作ったもの以外に美味なカリーを食べたことがない)。この能力は、クリスタルパレスでのカリー対決の際に発揮し、セバスチャン以外のエントリーしていた料理人の他の追随を許さなかった。
ネタバレ
逆さ吊り事件編
実は逆さ吊り事件編での実行犯。輸入品を扱っている実業家のハロルド・ウエストにカリーの腕を雇われ、カリーの品評会で『英国王室御用達(ロイヤルワラント)』をとるために、ライバル店の者を逆さ吊りにして辞退に追いやっていた。
ソーマが探していたミーナは、ハロルドの妻となっており、自らの意思でインドから出てハロルドの妻になっていた。このことを王子にばらされたくなければ自分たちの計画に協力しろと、アグニは、脅迫されカリー対決に協力せられていたのだ。
カリー対決後、ミーナと会ったソーマは、ミーナの気持ちを分かってやれなくすまなかったと詫び、アグニにもこれからも自分の執事でいてくれるかと問う。
それにアグニは涙ながら「御意のままに(ジョー・アーギャー)」と頷くのであった。
その後、シエルからタウンハウスの管理を任され、そのままイギリスにソーマと共に滞在することに。「女王の番犬」としてのシエルの顔を知らず、ソーマはシエルの「一番の友人」を自負し、アグニはそんなソーマを暖かく見守っているのであった……
タウンハウス襲撃事件 (26巻ネタバレ)
ソーマ様
あなたは私の太陽でした
貴方の前に溶けない氷はない
タウンハウスに訪れた謎の人物に、ソーマが銃で右手を撃たれてしまう。アグニも、もう一人の襲撃者にナイフで斬りつけられるが、主人であるソーマの身を第一に考え、ソーマをとある部屋に無理矢理避難させ、外側からドアを押さえる。
ソーマ様
アグニは
あなたの執事は
幸せでした
シエル達が来た頃にはアグニは何本ものナイフを突き立てられており、既に絶命していた。
死してなお、ソーマの部屋のドアノブを押さえたままだったアグニにセバスチャンは言う。
「アグニさん、貴方は執事の鑑ですね」
余談だが、アグニが死亡した時にグレルが魂の回収をしている。以前に顔を合わせたとき、「また会うことになる」と言っていたのは、このことだったのかもしれない。