スーパーナチュラル (SUPERNATURAL) とは、
アメリカのThe CW 系列にて放送されているテレビドラマである。
(日本ではスーパー!ドラマTV内にてシーズン5(日本初放送)、BS11にてシーズン1(字幕版)が放送中)
なお、『スパナチュ』、『SPN』、『超自然』と略称される事が多い。
概要
主人公のディーン&サムのウィンチェスター兄弟が愛車のインパラに乗ってアメリカ各地を旅し、
悪霊や魔物、悪魔などと闘うアクションホラーサスペンス。
シーズン当初は、岩塩の弾を込めた銃や、純鉄や銀製の武器など身近な物を駆使して戦うところがドラマの特徴だったが、シリーズが進むにつれサムの超能力や天使の魔法など、なかなか派手なバトル展開を見せるようになっている。
全体的にロードムービー仕立てで、基本的には1話完結のオムニバス。
都市伝説や民俗学的伝承、神話などを元にしたエピソードが多く、時には凶悪な異教の神も登場する。
上記の通り狩りが中心だが、たまにスタッフの遊び満載なコメディ重視の回も存在する。
シーズン通してのメインストーリーは暗く、重苦しい展開も多々あるのだが、
シリアスとギャグの絶妙なバランスを保っていることが人気の一因とも言えるだろう。
【シーズン1〜5の映像を使ったプロモ】
シーズン1~5までを1つのストーリーとしており、一応は完結した。
そのため、シーズン6からはまた新たな物語であると銘打っている。
(しかし、まんまシーズン5の続きである。)
DVD版シーズン1・2ではディーン役を次長課長の井上聡、サム役を俳優の成宮寛貴が吹き替えを担当しているが、某動画サイトで話題にされてしまうほど、不自然なキャスティングであったためか、
シーズン3からはディーン役に東地宏樹、サム役に内田夕夜とプロの声優に変更された。
なお、現在発売中のBlu-ray版シーズン1・2には既存の吹き替えに加え、現声優陣による新録版が収録されている。
2011年4月26日にはシーズン7の制作が決定。2011年9月より放送開始予定である。
あらすじ
1983年11月2日、アメリカカンザス州ローレンス。
ウィンチェスター家はいつも通りの日常を送るはずだった。
その夜、夫ジョンは息子サムが眠る子供部屋から、妻メアリーの叫び声を聞く。
しかし駆けつけるとそこには、腹から血を流し天井に礎にされた妻の姿があった。
その後すぐ、突如として噴出した炎によって、瞬く間にその場は火の海となってしまう。
なんとか燃え盛る家から脱出したジョン、息子サム、その兄ディーンの3人。
妻を失い悲しみに暮れるジョンだったが、のちに妻メアリーを殺したのは悪魔の仕業だと知る。
それからジョン達はその悪魔を追い、ハンターとして悪霊・魔物などの「狩り」を行うように……。
それから22年。
狩りを行う日々に疑問を抱き、サムは家族の元を離れて大学生活を送っていた。
そんなある日、彼の元に突如兄ディーンが現れ、父ジョンが失踪したことを告げる。
こうして旅をすることとなった兄弟だったが、彼らは旅を通して恐るべき計画を知ることとなる…。
主要登場人物
ウィンチェスター家
本作の主人公。(詳しくはディーン・ウィンチェスターの項参照)
本作の主人公。ディーンの弟。(詳しくはサム・ウィンチェスターの項参照)
■ジョン・ウィンチェスター
ディーンとサムの父親。
二人をハンターとして育てたが、反抗したサムとは喧嘩別れをしてしまう。
ディーンには仕事上の上官のように接し、「サムを守れ」と堅く言い聞かせていた。
妻メアリーの復讐を果たすことに執着し過ぎ、それが幼い息子達にとっては負担となった節があるが、ジョン自身は息子達の事を何よりも大切に想っており、悪魔を倒し全てを終わらせたいと願い奔走している。
■メアリー・ウィンチェスター
サムとディーンの母親。22年前、サムの子供部屋で悪魔に殺されてしまう。
物語の根幹に関わる重要な過去が隠されている。
ハンター
■ボビー・シンガー
ジョンの知り合いのハンターで、サムとディーンの協力者。
悪魔に憑りつかれた妻の救い方を知らず、自ら殺してしまった過去を持つ。
シーズンが進むにつれ、兄弟にとって父親代わりのような存在となる。
ボビー自身もまた、二人を「息子のように想っている」と明言している。
情報の提供や兄弟がピンチに陥った際のサポートをしてくれる有能な仕事仲間である上に、
過酷な運命に翻弄されガタガタに崩れそうになる兄弟を厳しくも温かい言葉で叱咤激励することもしばしば。
最近では二人に加え、天使カスティエルにも叱咤する場面が観られ、もはや『皆のお父さん』状態である。
口は悪いがかなり博識で、日本語も解している。
■エレン・ハーベル
人知れず腕っ節のハンター達が集う『ロードハウス』の女店主。
自身もハンターであり、亡き夫はジョンのハンター仲間であった。
娘のジョーがハンターの仕事をしたがる事に対し、その身を案じ反対している。
また、兄弟に協力する反面、夫とジョンに関わる過去の事件のせいもあり厳しい態度を取る事も。
ディーンから恐れられている。
■ジョー(ジョアンナ・ベス)・ハーベル
エレンの娘。父や母のようなハンターになる事を目指している。
ディーンに淡い恋心を抱く。
■アッシュ
ロードハウスに常駐(?)している凄腕のハッカー。
狩りは出来ないが、ゆく所までいってしまった天才。
■ゴードン・ウォーカー
シーズン2より登場。ヴァンパイアを冷酷無慈悲に狩る一匹狼のハンター。
自尊心が強く、自分の考えは絶対に正しいと思っている。
当初はディーンと意気投合するが、人間との共存を望み、牛の血で生きながらえているヴァンパイアを狩ろうとしたところを、ウィンチェスター兄弟に制止され、二人と決裂した。
また、超能力を持つサムを危険視し、執拗に命を狙うようになる。
■パメラ・バーンズ
霊媒師。シーズン4より登場。ボビーとは旧知の仲。
人探しや降霊、幽体離脱の類いで商売をしている。
「見るな」という警告をきかず、天使カスティエルの姿を見た為に両目を焼かれてしまったが、その後不気味な義眼を入れてみたら箔がついて商売が繁盛したと喜んでいた。
■
悪魔
全編に渡り登場。
見た目は黒い煙のような姿だが、人間の体に憑依し、実体を持つ。
■アザゼル(黄色い眼の悪魔)
ウィンチェスター一家にとって、その過酷な運命の幕を開けた憎き宿敵。
22年前、ある計画の為に赤ん坊だったサムに悪魔の血を飲ませ、それを目撃したメアリーを殺した。
過去へ遡ると、メアリーとの驚くべき因縁が明らかとなる。
■メグ・マスターズ
シーズン1から登場している、兄弟にとって因縁のある悪魔。
なかなか決着がつかず、シーズン6にも登場した。アザゼルの娘。
■ルビー
シーズン3より登場。
悪魔でありながら、悪魔を狩る事をいとわずサムを助ける。
ペストが大流行していた時代に悪魔の下僕たる魔女(人間)として生きていたが、死後、地獄へ落ちて悪魔となった。
まだ人間であった事を覚えているため、悪魔ながらも兄弟の手助けをし、敵か味方かわからない存在となる。
対悪魔用のナイフを所持しており、後にこのナイフは幾度も兄弟を助ける重要なアイテムとなる。
シーズン4ではサムのパートナー的存在となり、彼を守り意図的に導いて行くが、その目的は…
■リリス(白い眼の悪魔)
シーズン3より登場。幼女の体に乗り移っているが、凶悪な悪魔。
中ボス的な存在として兄弟を苦しめた。なお、吹き替えは大谷育江である。
■クラウリー
シーズン4より登場。
人間の魂と引き換えに願いを叶える十字路の悪魔の上司にあたる。
人間と悪魔の契約を取り仕切っているリリスの右腕だったらしい。
魔王ルシファーの封印が解かれると、用済みなった悪魔は彼の手で滅ぼされると確信しており、
保身の為にウィンチェスター兄弟と休戦協定を結び、共闘をもちかけてきた。
人間との契約を『ビジネス』と考えており、自身に有益なことなら人助けも行うようだ。
交渉の達人であり、またユーモアな一面もある。
しかしながら一枚も二枚も上手な面があり、腹の底が見えない怖さがある。
また、強力なヘルハウンド(地獄の猟犬)を飼っている。
シーズン6では本編に関わるかなり重要な動きを見せることに…
■アラステア
地獄に堕ちたディーンを拷問し、また、拷問に加担させた悪魔。
ディーンを弟子と呼び、苦しめる。
天使
シーズン4より登場。
こちらも人間に憑依し、実体を持つ。
天使と言っても人間の持つイメージとは違い、慈愛なんてものは期待出来ない。
ほぼ悪役ばかりである。
シーズン5からはウィンチェスター兄弟と並んでレギュラーとなる。(詳しくはカスティエルの項参照)
■アンナ・ミルトン
堕天使。
自分が天使だったことを忘れて人間として暮らしていたが、
天界の声が聞こえるようになり、精神病棟に入院していた。
情報源として悪魔に狙われ、また、堕天使であるため天使からも命を狙われる。
しかし兄弟の協力のもと天使の力(恩寵)を取り戻し、天使に復帰。
以後、兄弟やカスティエルの前に度々姿を現す事になる。
かつてはカスティエルの上官だったらしい。
ディーンと寝た女性の一人。
思い悩むカスティエルに対し、『自分で考える』ということを諭していたのだが…
■ガブリエル
大天使の一人。ウィンチェスター兄弟と因縁深きあるキャラクターの正体だった。
ミカエルとルシファーの兄弟喧嘩に飽き飽きしており、また、悲観していた。
人間界を滅ぼさんとする両者の争いに反発し、かつて相対した兄弟を助ける。
■ウリエル
カスティエルの部下。
悪魔サウィンの復活を阻止する際、浄化する為に住人もろとも街を焼き祓おうとする等、人間を軽視している。
カスティエル曰く、「専門家」(ソドムとゴモラ的な意味で。)
後にカスティエルが人間(ディーン)に肩入れしたために降格され、逆に彼の上司となった。
実はルシファーに心酔しており、カスティエルにもルシファー側につくよう勧誘するが…
■ラファエル
大天使の一人。自称「慈悲深い天使」
ザカリアの命に背いたカスティエルを抹殺した天使。
以後、カスティエルにとって最大の宿敵となる。
尚、自身が殺したカスティエルを復活させたのは神ではなく、
反逆者という同じ立場にあるルシファーだと判断した。
神無き世界に嫌気がさし、アポカリプス(最終戦争)を起こして人間界を滅ぼし、
天使にとっての『楽園』を取り戻したいと考えている。
いわば原理主義派。シーズン6では重要な動きをみせる。
■ミカエル
全ての天使を率いる天使の長。
他のどの天使や大天使よりも強大な力を持つ。ルシファーの兄。
ルシファーと一対一で戦う宿命を負っており、ルシファーを倒し得る唯一の存在。
弟を愛しているが、神(父)に従順なため、運命を受け入れ弟と戦う事にためらいは無い。
むしろ、弟を殺していいのは自分だけだと考えているようだ。
力が強大すぎるため、『特別な器』でなければ肉体がその力に耐えきれない。
神に最も近づき、それゆえに翼を折られし者。
かつては大天使であり、神に最も愛されていた息子であったが、
「人間を敬い、愛するように」という神の考えに反逆し、ミカエルに倒され地獄の最下層に封印されていた。
自らも「神を愛し過ぎた為に追放された」と発言しており、それを不当に感じている。
シーズン4で66の封印がすべて破られ、復活を遂げる。
天界に反逆したカスティエルを仲間に引き入れようとしたり、
兄弟であるガブリエルやミカエルに対し、「できれば争いたくない」といった感情も見せる。
不完全で欠点だらけなのにも関わらず、神に愛されている人類に対する憎悪は底知れない。
ミカエル同様、力が強大すぎるため、『特別な器』でなければ肉体がその力に耐えきれない。
魔物・異教の神々など
■トリックスター
シーズン2より登場。
本来、物事を引っ掻き回す悪戯者だが、物質を実際に作り出す能力や時間を操る能力を保持し、
自らの指針によりその特性を使って人を殺す。
主に傲慢で愚かな人間を滑稽におちょくって殺していた。
甘い物が好物。
ウィンチェスター兄弟に殺されかけが逃げ延び、以後も対立する。
延々と火曜日を繰り返し、ディーンをあらゆる方法で何百回も殺すという手法を用いてサムを苦しめたが、
「ディーンを返してくれ」と懇願するサムに対し根負けし、ある忠言を残して解放した。
シーズン5終盤で意外な正体が明かされることに…
■シェイプシフター
妖怪。いろいろな人間に姿を変え、対象者の記憶も盗み見る。
別の姿に変身する際には脱皮をする。
ウィンチェスター兄弟とは幾度か戦っており、時にはディーンに化けて殺人の濡れ衣を着せた事も。
■ヴァンパイア
吸血鬼。人間の生き血を数日かけて吸い取り殺す。
もともとは人間で、吸血鬼が自分の生き血を人間に飲ませることで仲間を増やす。
普段は人間と変わらないが、歯茎の中に鋭い牙を隠している。
日光や十字架は効果がないが死人の血に弱い。
なかには人間を襲わず、動物の血で生きながらえている一派もいるが、共存は望めないとするハンター達の考えは堅い。
その他
■ジェシカ・ムーア
サムの恋人。S1第一話で悪魔によって殺されてしまう。
このことがきっかけで、サムはハンターとして復讐を決意する。
■ビクター・ヘンリクセン
執拗にウィンチェスター兄弟を追い続けるFBI捜査官。
『死んだ筈の容疑者』であるディーンを危険視している。
■ベラ・タルボット
シーズン3に登場。超常現象を含む多数の知識に精通している泥棒。
ことあるごとに兄弟を利用し、ちゃっかり漁父の利を得ていた。
金の亡者であり、様々な魔術に関する品を入手し高値で売り飛ばす商人。自ら怪盗を自称しており厳密にはハンターではない。
その点、怪物などの超常的な存在の脅威を知っていながら人助けをしようとせず、逆に己の利益のみのため行動することからボビーらハンター達からは激しく非難されている。
しかしその行動にはある目的があり…
SUPERNATURAL THE ANIMATION
日本のアニメスタジオ・マッドハウスによるOVAシリーズ。
実写版シーズン1~2までを統合・再構成してアニメ化したものである。
全22話。
2011年2月23日よりリリースされており、4月30日までの期間限定で、ワーナー・オンデマンドにて第一話が無料配信されていた。
4月27日にコレクターズBOX2が発売され、Vol.10~Vol.11のレンタルも開始された。
主題歌
エンディングテーマ「Carry On Wayward Son」
歌 - 高尾直樹、大嶋吾郎