FA-010AFAZZ(ファッツ)はガンダムセンチネルに登場した架空の兵器である。
機体解説
アナハイム・エレクトロニクス6番目のガンダム・ZZガンダムは、変形・合体に伴う脆弱さが若干の欠点であった。それを補うべく装甲・武装を強化するフルアーマー・システムが考案され、その評価を行うために試作されたのがこのFAZZである。
後に第一次ネオ・ジオン抗争にて活躍することになるフルアーマーΖΖガンダムと外観は酷似しているが、本機はあくまでフルアーマー状態での性能のみを検証するのが目的の機体であり、増加ユニットは全て固定式で強制排除はできない。頭部及び腹部のハイメガ・キャノンは機体重量バランスを検討するためのダミーであり、発砲は不可能。装甲材質は実際のフルアーマーより1ランク劣り、変形・合体機能及びコアブロックシステムが省略され、ビームサーベルもオミットされているなど、試験機であるが故の設計の簡略化が随所に見られる。戦隊指令ストール・マニングスに「ハリボテ」と揶揄される程に原型機との性能差は激しく、根本的にコンセプトが異なることが分かるだろう。
ただ、それ以外の性能はフルアーマーΖΖガンダムとほぼ同等であり、バックパックに装備されるハイパー・メガ・カノンはΖΖガンダムの頭部ハイメガ・キャノンをも凌駕し、当時のモビルスーツが単体で携行できる兵装としては最高水準の出力を誇る。その他にもビームカノンや多数のミサイルを装備し、射程を活かして遠距離からの砲撃機として運用するなら充分有用である。
劇中では3機1個小隊として編成されα任務部隊旗艦・ペガサスⅢに配属、長射程重火力の支援機として活躍したが、月面上空においてガンダムMk-Ⅴと交戦、全機が撃破されている。
主なパイロットはシン・クリプト、ジョン・グリソム、ロバート・オルドリン。
尚、ハイメガキャノンやコアブロックシステムといった複雑なシステムを省略したため、後にジュドー・アーシタが駆ることとなるZZガンダムよりもロールアウトは数段早い。
裏話
このFAZZ(ファッツ)がフルアーマーΖΖガンダムと酷似しているのは設定以前に当然のことで、プラモデルとしての商品名は「フルアーマーZZガンダム」なのである。
これは、主役機であるSガンダムのデザインが難航していたため、「ガンダム」のリリースの間隙を埋めるべく「ZZ」のモビルスーツのうちリリースされていなかったフルアーマーZZガンダムを新設定カラーと新設定装備で「センチネル」第1弾キットとして使うことになったためである。
関連機体
MSZ-010ZZガンダム
FA-010S フルアーマーΖΖガンダム