機体データ
型式番号 | FA-010S |
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所属 | エゥーゴ |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 23.14m |
頭頂高 | 19.86m |
本体重量 | 32.7t |
全備重量 | 87.2t |
ジェネレーター総出力 | 7,860kw |
スラスター総推力 | 124,800kg |
センサー有効半径 | 16,200m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 |
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携行武装 |
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概要
ΖΖガンダムのフルアーマー装備形態。
撃沈されたラビアンローズから回収したフルアーマーパーツを、強化型へとアップデートしたΖΖガンダムに装備している。
第一次ネオ・ジオン抗争末期の宇宙世紀0089年1月15日、アクシズにおいて内乱を起こしたグレミー派ネオ・ジオン軍との決戦に投入され、クィン・マンサとの死闘を演じた。
機体解説
型式番号FA-010S。元々ΖΖガンダムは、RX-78 ガンダムの発展系をベースにGパーツやムーバブルフレーム・コア・ブロック・システム・大火力兵器の内蔵搭載など様々な要素を非常に高度なレベルで実現すると同時に危ういバランスで成立させた一面をもっていた。
そこで、設計段階からMS形態での装甲強化と火力・機動力の向上に主眼を置いた追加パーツの開発が平行して行われ、試験機であるFAZZの運用データによってさらなる改良が施されたのが本機のフルアーマーパーツである。
全身に装備された増加装甲はガンダリウムγ製の多重空間装甲となっており、プロペラントタンクやマイクロミサイルポッドを内蔵する。装甲強度は試験機であるFAZZより向上し、装甲表面には耐ビームコーティングが施された。このため、標準的な出力のビーム兵器であれば直撃にも3秒間耐えられるとされている。
なお、一部資料にはIフィールドを搭載しているとするものもある。作中ではビームが当たる前に弾かれているかのような演出がなされ、ラカン・ダカランも「何故だ!? 効かんぞ!? バリアがあるのか!?」と驚いている。
バックパックのエンジンは新型の熱核ジェット/ロケットエンジン4発に強化され、またサブスラスターの増設(計44基)と個々の推力強化がなされた。このため、追加パーツの装着により重量は増大するものの、機動力はノーマル状態より向上している。またアーマー類はフローティング構造とされ、機体駆動を阻害することがない。当初、自重増加によってスペック上の駆動レスポンスが低下することで格闘戦に不向きになると考えられていた(上記のセリフはこの事を示している)。しかし、本機に搭載されたバイオセンサーの効果により、実際の戦闘時にはノーマル状態と同様の駆動レスポンスを発揮したとされている。
アーマー自体は、内蔵された弾薬やプロペラントを使い切った場合、戦闘中に強制排除することが可能である。その後は強化型ΖΖガンダムとして戦闘継続が可能であり、稼働時間の更なる延長を実現している。
本仕様はグレミー軍との決戦時に使用された。この決戦におけるクィン・マンサとの戦闘後、追加パーツはネェル・アーガマ内で除去されたため、アニメ本編ではハマーン・カーンのキュベレイとは共演してない。(ゲーム・イラストなどではフルアーマーΖΖガンダム対キュベレイで描かれることもある。)
武装
両前腕のウイング・シールドをオミットした以外は強化型ZZガンダムと同一のため、以下に記載するのは追加された分になる。なお主兵装であるダブルビームライフルは従来のフルアーマー機同様、右前腕部に固定接続されており、機体のジェネレーターと直結した事で連射性能がアップしたとする資料も存在する。
ミサイル・ポッド
増加装甲内部に多数装備された以下の実弾兵装。弾種は中型のAMA-09S、小型のAMA-13Sがあり、本体に内蔵されている18連装2段階ミサイル・ランチャーと同型。
劇中ではラカン・ダカランのドーベン・ウルフとプルツーのクイン・マンサ相手に直撃させ、動きを止めている。(とはいえ、装弾数を無視し無限ミサイルのごとく出てくる、と設定画にも書いてあり、そのままの演出で作画上は描かれる)。
スプレー・ミサイル・ランチャー
16連装ミサイル・ポッド
8連装ミサイル・ポッド
腹部ハイ・メガ・キャノン
フロントスカートに増設されたハイ・メガ・キャノン。エネルギーはバックパックのジェネレーターから供給しており、頭部に装備されるものと同出力(50MW)だが、簡易な構造ゆえに1発しか撃てない。
ハイパー・メガ・カノン
劇中未登場。
FAZZで試験運用された超大型のメガ粒子砲であり、バックパック右側のミサイルポッドを外して装備される(バックパック基部より取り外し、ランチャーのようにホールドすることも可能)。サイズに見合い、79.8MWの大出力を誇る。
この装備のみフルアーマー装備とは異なり、Gフォートレスの可変システムに対応している。昨今ではフルアーマー装備とセットにされているが、元々は別に用意された強化案(スーパーGフォートレス)の武装としてデザインされていた物で、それらを一つにまとめた形としている。
外部作品への出演
スーパーロボット大戦シリーズ
条件を満たすとΖΖガンダムの強化形態として(作品によっては出撃前に換装で使い分け可能)登場する。要は隠し機体。
αからIMPACTまでの間、なぜか変形可能となっていた(本来は変形不可能な設定。また第2次α以降は変形不可)。
久しぶりにΖΖが参戦したVXT三部作にも登場。こちらはフルーアーマー状態だと一部性能が落ちるが戦闘中にパージしてHP・EN・弾数を回復できる仕様となっている。
ガンダムVS.シリーズ
エクストリームバーサスより通常のΖΖガンダムに代わり参戦。コストは準高コストの2500。原作と違い、ハイメガキャノンに使用回数制限は無い。
通常は足回りが悪いがハイメガキャノン等々の発射時等々に付加されるスーパーアーマーの伸しこみを得意としており、これらの発射時にはビームでの被ダメージが2割引される。さらにEXバースト(通称:覚醒)の最中はバイオセンサーの再現なのかスーパーアーマー状態になる。
特長として1出撃に1回だけ発射可能なハイパーメガカノンを使用するとアーマーをパージして強化型ΖΖガンダムとなる変則的な換装機であり、こちらはオールラウンダーな万能機。
この機体の難点は弱点が分かり易すぎる点。
フルアーマー時はスパアマゆえに安易に近づけばハイメガキャノンに巻き込まれるが、足回りが悪いので射撃で追い詰めれてハイパーメガカノンを吐かせれば、後は変哲もない普通の機体となる。
おかげで弱キャラ認定される羽目に……。
というのはフルブまでの話。
マキシブーストでは最高コストの3000に昇格。換装もハイパーメガカノンを使用しなくても可能になりこれはフルアーマー時にのみ使用可能な1出撃に1回だけ武装となる。
こうなると色々と話が変わってくる。
足回りの悪さを突くいてくるときは強化型ΖΖに換装、格闘攻撃で攻めてきたら咄嗟にフルアーマーに換装してスパアマ付きゲロビで敵を巻き込み、覚醒時は足回りがマシになる強化型ΖΖになってスパアマ付き格闘コンボねじ込みと、大火力事故らせ機体として生まれ変わることになる。
ただし、この機体は純粋な3000コスト機体というよりも、2500コスト機体2つ分を合わせたというべき機体(要は各形態ごとの弱点はそのまんま)。
漠然と片方の形態に専念していると最高コスト分の働きができないので、臨機応変な使い分けが必要となる的確な状況判断が使い手に求められる機体である。
クロブで武装の仕様が大きく変更されることになる。
一発限りかつフルアーマー形態のみしか撃てなかったハイパー・メガ・カノンがまさかのリロード対応となり、どの形態でも使えるようになる(使うと自動的にフルアーマーに換装する)。さらにアシストが2機同時召喚になり、これに加えて強烈なゲロビで大暴れした結果、覚醒時のスーパーアーマーが削除されてしまった。
Gジェネレーションシリーズ
宇宙世紀作品の登場する作品のほとんどに登場する常連。
フルアーマーシステムと対ビームコーティングの能力を持つため、防御面に秀でる反面機動力は落ちる。『ジェネシス』では装甲パージでΖΖガンダムに戻れるようになったため、長期戦にも強い。
ΖΖガンダムのほか、フルアーマーユニコーンやバンシィ・ノルン、サンダーボルト版フルアーマーガンダムなどから作れる。一方、開発できる機体はほとんどが袋小路。しかし、フルアーマーΖΖガンダムからしか開発できないFAZZがあるため、図鑑を埋めるために一度は経由する必要がある。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
「このゴテゴテしたのは何なの、重くなる!」
2023/9/28に実装。700コストの支援機。650コスト汎用の通常ΖΖ、700コスト強襲の強化型ΖΖとあわせて3兵科のΖΖが出揃った。
兵装はダブルビームライフル、ハイパービームサーベル、ダブルバルカン、ダブルキャノン、背部ミサイルランチャー×2、肩部6連装スプレーミサイルランチャー×2[焼夷]、頭部ハイメガキャノン、腹部ハイメガキャノン。
HP量によって性能が変わる特殊な機体。50%以上では耐ビームコーティングによりビームでよろけない為、こちらは止まらず一方的に撃ち続けることが可能。50%を切ると耐ビームコーティングがはがれてよろけるようになり更にビームでの被ダメージが増加するが、代わりにバイオセンサーJが発動し機動力と格闘能力が大幅に上昇。汎用機のように動けるようになる。当然兵科相性はそのままなので汎用機に対して強く、ビームサーベルの一撃は支援機とは思えない威力を叩き出す。
また、ΖΖ系列恒例の頭部ハイメガキャノンに加えて腹部ハイメガキャノンの2種大よろけ武装を持ち、更にスキル連動射撃を発動中は頭部ハイメガキャノンが頭部ハイメガキャノン+ダブルキャノンに置き換わり、威力は低下するものの小回りが利く大よろけ武装になる大よろけの鬼。
HPによる立ち回りの変化と巨体故のヒットボックスの大きさをカバーできれば活躍できるだろう。
関連動画
バリエーション
FAZZ(ファッツ)
型式番号FA-010A。
模型誌企画『ガンダム・センチネル』に登場。
ΖΖガンダムの増加試作機に重火力支援システムを固定装備した試験機。
詳細はFAZZを参照。
FA-010B
『ガンダム・センチネル』に設定のみ登場。
上記のFAZZと同色の追加装甲を装着したフルアーマーΖΖガンダム。
なお、B型タイプなのは、当時の資料の一部で強化型ΖΖガンダムの型式番号がMSZ-010Bであったため。
フルアーマーΖΖガンダム最終実験機(ΖΖ-00)
型式番号FA-010E。
模型誌企画『ソロモンエクスプレス2 THE MYSTERY OF PSYCHOMMUN-SYSTEM』に登場。
FAZZとΖΖガンダムの間に1機が製作された実験機。
サイコミュシステムを大々的に採用したニュータイプ専用機であり、両腕部のビームハンド内蔵型ジェネレーターポッドや胸部のインコムによるオールレンジ攻撃が可能な他、超物理学的フィールドを用いたビーム回避シールド、高機動用の反重力効果装置や応力/慣性モーメントキャンセラー、システム管制などにもサイコミュが利用されている。
一方、後のフェネクスでも見られたようなサイコミュに起因する暴走が危惧されていたため、「ΖΖキャリアー」と呼ばれる追加パーツで機体本体を封じ込める運搬拘束形態が準備されている。また、完成形であるΖΖガンダムでも採用される3パーツへの分離機能は、分離した状態ではサイコミュを機能不能にすることで暴走を抑制する目的があったとされる。ただし、実用機を目指して暴走のリスクを取り除いたΖΖガンダムよりも機体性能は高い。
その他、ジェネレーターとして全身に25基の核融合炉を搭載しており、機体各所の高出力メガビーム砲16基、頭部の試作型ハイ・メガ・キャノン、背部の試作強化型メガランチャーといった複数のビーム兵器の運用を可能としている。
宇宙世紀0088年に月面ムーンベースαで行われた第1回機動実験の際に対策虚しく暴走を起こし、護衛機のΖプラスS2型全機を破壊。その後、S2ガンダムの迎撃を受けつつ29,974km/s(光速の約8%)の速度で地球圏を離脱して行方不明となり、後に木星軌道で漂流していたところを回収・封印された。
ウルトラスーパーフルアーマーヘビーデラックスガンダムΖΖ
漫画『機動戦士SDガンダム BB戦士 コミックワールド』に登場。
武装強化の行きついた果ての姿。
詳細はウルトラスーパーフルアーマーヘビーデラックスガンダムΖΖを参照。
立体物
ガンプラでは2000年にMGが発売されたのみ。前年に発売されたΖΖガンダムをベースにしているが、通常のΖΖガンダムとして組む事はできなくされている。また発売当時は強化型ΖΖガンダムの設定が曖昧だったため、つま先のデザインは変わっていない。
なお、旧キットで発売されたのはFAZZの方である(これについての詳細はFAZZの記事に詳しい)。FAZZの方が立体化される機会が多いため、FAZZの色を塗り変えてフルアーマーΖΖガンダムを再現するモデラーも多い。
BB戦士シリーズには、ZZとのコンパチで再現が可能。Gジェネシリーズでは、メガライダーが同梱する。
カプセルフィギュア「SDガンダムフルカラー」にラインナップ。 ※現在、入手困難