概要
半導体の光電効果を利用して発電する方法。以前は太陽光発電をする半導体(太陽電池)が非常に高価であったため、離島の灯台や人工衛星、地球の公転軌道の内側へ行く探査機の電源としてのみ用いられていたが、太陽電池の発電効率の上昇により、21世紀に入るころから住宅や工場などの発電設備として普及し始めた。
光を受ければ何もしなくとも発電するので、光の当たる場所ならどこにでも設置でき、設置後の費用や手間もほとんどかからない(裏を返すと地元にあまり雇用が発生しない)。しかし面積を取る割に発電量が少なく、時間帯や天候に左右される欠点がある。
かつては都市の主力電源を賄う巨大な発電所には向かず、補助電源や分散電源としての利点が大きいと言われていたが、2015年頃から、大容量のリチウムイオン電池の価格低下で、太陽光発電所には蓄電設備を組み合わせることが一般的となり、天候や時間帯による発電量の変化を分散化できるようになったことから、水力発電や火力発電と並ぶ主力電源として広がりつつある。
すでに太陽光発電の補助金は撤廃され、買取価格の優遇措置も徐々に撤廃されつつあるが、投資する側としては大きな利益が見込めるということで各地に巨大な太陽光発電所(メガソーラー)が建設されており、他に使い道のない荒地や開発が頓挫した造成地の跡地ならばともかく、優良農地や自然豊かな山間部にまで太陽光パネルが敷き詰められるようになり、森林伐採は当然ながら景観破壊や反射光、土砂流出による公害が各地で問題となっている。
向いている用途と不向きな用途
向いている用途
- 住宅や工場などの補助電源設備(屋根に設置することで、土地を占有しないで設置可能)
- 保守の困難又は煩雑な設備用電源
- 時計や電卓の電源(電池交換の手間が省けるまたは交換周期を長くできる)
- 街灯や常夜灯の電源(蓄電池と組み合わせる必要がある)
- 離島など、僻地の発電施設(こちらも蓄電設備と組み合わせるのが望ましい)
不向きな用途
- 日陰になりやすい場所での発電(山の谷間など)
- 汚れやすい場所での発電(火山灰が降る地域や砂塵の多い土地など)
- 日射量の少ない土地
- 蔦系の植物の多い土地。
だいたい日本全域の事である。
出力制限
太陽光発電の投資の活発な九州に於いて、発電量の需要過多による大規模太陽光発電への出力制限課される事で波紋を呼んでいる。
原発を止めれば良いという人もいるが、基本その地区の電気とはその地区の電力会社が自前の発電所で100パーセント賄えるように設計しており、それ以外の電気買取はあくまでオマケに過ぎないのだ。
企業として、不安定で必要な時に必要な量を確保できる保証のない電源と自前で管理運用し常に安定した電力を供給できる電源のどちらを選択するかといえば、あまりに明瞭である。
また、Co2を出さないという点に関して言えば太陽光も原子力も違いはなく、太陽光パネルも含有する重金属等の有害物質の処理方法が確立していない点でも原子力と大差がないのが実情である。
また、故障した太陽光パネルは割れていても発電を続けるため発火・感電などの事故リスクは非常に高い。
忘れたはいけないのは、メガソーラーは売電価格の固定という一時的な法を利用した一時的な投資であって対環境政策でも何でもない、という事である。
要するに、仮想通貨と同じ類のものである。
余談
太陽電池の動作原理がICやLSIでは逆に厄介者となるので、光センサーや窓付きROM、発光ダイオードなど光を通す必要のある物を除き光が通らないように黒いプラスチックやセラミック、金属製の入れ物などで封止してある。また、窓付きROMも紫外線によるデータ消去時以外は光を通さないシールで目隠ししてある。(そうしないと強い光が当たったときに誤作動したり、当たる紫外線の波長によってはデータ消失の原因になる。)
また、設置に環境基準の規則が設けられていなかった為、台風等による強風で土台が分解、吹き飛ばされた太陽光パネルがマンションに突き刺さる等の事故も起きており、太陽光発電関係の死傷者は累計で400人を超えており、これは原子力発電関連の52人と比して8倍以上の数である。