概要
首都は現在の寧夏回族自治区の中心都市である銀川市にあった興慶。
1038年にチベット系のタングート族出身である李元昊が北宋の支配から脱して建国し、「西夏文字」と呼ばれる独自の文字を開発した。
遼や金といった周辺の王朝に従属しつつも勢力を拡大していったが、12世紀末より衰退の兆しが見え始め台頭していたモンゴル帝国の侵攻を受けて従属した。そしてモンゴル帝国が要請した大西征への出兵を拒否した事により再びモンゴルの侵攻を受ける事になり1227年に最後の皇帝が殺害されて滅亡した。
関連人物
・李元昊(1003年~1048年)
西夏初代皇帝(在位1038年~1048年)。
父から夏国公の地位を継ぎ、北宋から独立して西夏王朝を築き上げた俊英。
西夏文字の開発など王朝の基礎を固めたが、晩年は酒色に溺れた末に暗殺された。
・李仁孝(1124年~1193年)
西夏第5代皇帝・仁宗(在位1139年~1193年)。
科挙の実施や文化政策の推進に力を入れて国は栄えたが治世晩年は衰退の兆しが見え始めた。
・李安全(1170年~1211年)
西夏第7代皇帝・襄宗(在位1206年~1211年)。
モンゴル帝国と徹底抗戦した事で知られる。
自身は先帝をクーデターで廃して即位したが自身も甥にクーデターにて帝位を逐われた。
関連作品
・敦煌
井上靖の小説及びそれを原作とした映画。
初代皇帝李元昊の時代の西夏を舞台で李元昊も主要人物として登場する。
伊藤悠による漫画。
モンゴル帝国の侵攻に晒された西夏末期を舞台とする。