概要
パーントゥとは沖縄県の宮古島で行われる、厄払いの儀式で集落を回る仮面の来訪神である。
この儀式は平良島尻と上野野原で行われているが内容は異なる。
平良島尻のパーントゥ
旧暦の3月末から4月の初め、旧暦の5月末から6月の初め、旧暦9月の吉日に行われる儀式の3回目に登場する親(ウヤ)、中(ナカ)、子(フファ)の3体の来訪神である。
選ばれた青年が夕方に仮面とキャーンという蔓草を身にまとい、「ンマリガー」と呼ばれる井戸の底の泥を全身に塗って現れ、厄払いとして集落を巡りながら人や家屋に泥を塗りまくる。
上野野原のパーントゥ
旧暦12月の最後の丑の日に行われる儀式で、成年女性と少年のみが参加する。
一人の少年がパーントゥの面をつけ、法螺貝を吹く二人と小太鼓を叩く一人の少年、2列になったマーニやタドゥナイと呼ばれる草で作った冠を被り、ツッザギーの枝を持つ成年女性を従え、「ニーマガー」と呼ばれる井戸から出発して、集落を「ホーイホーイ」といって巡り厄払いする。
南西の端にあるムスルンミという場所につくと、草冠や枝を外して巻き踊りをして儀式は終わる。
有名なのは島尻のほうの儀式で、近年事情をよく知らずにたまたま来ていた観光客が、泥を塗られたことに対して苦情を言うなどのトラブルがあった。
2014年以降は開催することは大々的に宣伝せず、パーントゥに護衛を付けることで対応をしているという。
2018年11月29日には「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。