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概要
艦級名の「ボロジノ」はモスクワ州西部のモジャイスキー地区にある村で、ナポレオン戦争の古戦場。
20世紀初頭、太平洋艦隊に配備されていたロシア帝国海軍の戦艦は12インチ砲を搭載したペトロパブロフスク級戦艦三隻を除けば、日本海軍にはこれで充分とされたより砲撃力の劣る10インチ砲のペレスヴェート級戦艦二隻であった。
しかし、大日本帝国海軍が相次いで12インチ砲艦を購入し増強したため、対抗上、ロシアもアメリカからレトヴィザン、フランスからツェサレーヴィチの12インチ砲戦艦を購入した。
両艦は太平洋艦隊最優秀艦と評されたがレトヴィザンは機関に問題があり、それより評価されたツェサレーヴィチはライセンス生産の許可を得たため、これをベースに当時のロシア国内の工業レベルに応じて装甲を薄くするなどの劣化コピー版のボロジノ級戦艦が設計・建造された。
当時の戦艦としては一流に属するものではあったが、設計ミスにより予定より排水量が多くなりトップヘビーになるなど全体的には失敗作となった。
姉妹艦の四隻はジノヴィー・ペトロヴィチ・ロジェストヴェンスキー中将率いる第二太平洋艦隊(バルチック艦隊)に編入されたが、1905年の日本海海戦によってその三隻が失われ、一隻が捕獲されている。
また五番艦スラヴァは第一次世界大戦で失われた。
同型艦
1904年竣工。1905年、日本海海戦で沈没。
1903年竣工。1905年、日本海海戦で沈没。
1904年竣工。1905年、日本海軍に編入(戦艦石見)。
1904年竣工。バルチック艦隊総旗艦。通称スワロフ。1905年、日本海海戦で沈没。
1905年竣工。1917年、第一次世界大戦でドイツ海軍と砲撃戦の末、自沈。
性能諸元
常備排水量 | 14,091~14,415t |
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全長 | 121.00m |
全幅 | 23.22m |
吃水 | 8.24m |
機関 | ベルヴィール式石炭専焼水管缶×20基+直立型三段膨張式レシプロ蒸気機関×2基2軸 |
最大出力 | 15,012~16,378hp |
最大速力 | 16.2~17.64kt |
航続距離 | 10kt/5,000浬 |
武装 | 1895年式40口径305mm連装砲塔×2基、1892年式45口径152mm連装速射砲塔×6基、1892年式50口径75mm単装速射砲×20門、1873年式43.5口径47mm単装速射砲×20門、パラノフスキー 19口径63.5mm単装砲×2門、PM1910 7.62mm機銃×4挺、38.1cm水上魚雷発射管×2基、38.1cm水中魚雷発射管×2基、機雷50個 |
乗員 | 835名 |
前級:ツェサレーヴィチ