概要
阪急6300系は、阪急電鉄(阪急)が1975年から阪急京都線系統で運用している特急形電車。京都本線の特急向けに9編成72両(6330F含む)が製造された。なお、現在では本線特急の任を退き、嵐山線用の4連3編成(6351F~6353F)及び、京とれいん用の6連1編成(6354F)を残すのみである。
外観及び内装
外観
両開き2ドアという点は先代2800系と同一であるが、車端部のロングシートを廃し、客用扉を外側に寄せた外見が特徴。標識灯周りには銀色の飾り板を巻き、幌枠は8000系列にも似た上部まで銀の板が延ばされたデザイン。また、阪急で初めて「白鉢巻」と呼ばれる屋根肩のアイボリー塗装を採用し、ワンハンドルマスコンも京都線系では初採用した。
運転室が広くなり、運転室直後のロングシート部に小窓を配置できなくなったため阪急の「H」をかたどったエンブレムが配置される。しかし、新CI移行後、乗客からの要望を受けてにその位置には小窓が設置されることとなる
当初、アイボリーの塗り分け位置は現在より20mmほど下であり、また前面表示器の枠はマルーン塗装のままだったが、前面表示器位置で途切れて見栄えが悪いという理由で現在の塗り分け位置に落ち着き、前面表示器枠上部にもアイボリーの塗装が施されるようになる。また、6330Fは前面表示器と塗装の干渉を避けるため7300系等と同一の位置まで前面表示器が下げられたが、結局他の6300系と同様の塗装となったことでアイボリー部の面積が拡大した。
内装
転換クロスシートということ以外には木目調の化粧版、ゴールデンオリーブの座席など、あまり他の阪急通勤車との違いは見られない。ただ、シートモケットは縞模様の段織となり、床には小石模様の敷物、広告枠も若干凝ったデザインになるなど、既存車との差別化は図られている。
機器類を5300系と同等としたため、モーター点検蓋位置にくるクロスシートは取り外し可能。車端部クロスシートには補助いすが設けられており、ラッシュ時には手動(6330Fは自動)でロックをかける方式になっている。京都方先頭車の6450形にはカード式公衆電話が設けられていたが、携帯電話の台頭により現有車輛では撤去されている。
運用
嵐山線車輛
阪急嵐山線、桂-嵐山間の普通列車に充当。登場時のクロスシートは9300系と同等のクロスシート(2+1列)と一部ではロングシートに改められている。常時在籍3編成中2~3編成が線内折り返し運用として運用されているが、検査時には一般車両で代走することもある。
京とれいん
6354Fを観光用に改造、2011年にデビューした。当初は嵐山線へ直通する快速特急に用いられていたがのちに行先を河原町に変更、現在では京都本線の快速特急Aとして2時間に1往復、梅田~河原町間を3往復するダイヤになっている。特急の2分続行であるため速度はさほど出せないが、淡路~桂間ノンストップなど、かつての本線特急を思わせる走りを楽しむことができる。これも、6354Fの検査時には一般車で代走することがある。
車輛の詳細、「京とれいん雅洛」については京とれいんの記事参照。