概要
正式タイトルは「てのひら開拓村で異世界建国記~増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ~」。
星崎崑氏原作のライトノベル。作画はあるや氏。既刊5巻。
ヤツタガナクト氏によりコミカライズもされている。既刊1巻。
チート能力を持って異世界転生した少年が主人公のいわゆる「なろう系」作品ではあるが、小説家になろう投稿の作品ではない。
なお、副題に「~増えてく嫁たちと」とあるが、主人公たちの年齢が低めなせいか、いわゆるお色気シーンは抑えめになっている。
あらすじ
現代日本で病弱が原因で夭折した少年は異世界で転生した。
捨て子だった彼はその世界の宗教「ファーレー教」の神官に一緒に捨てられていた少女と共に拾われ、「カイ」と名付けられる。
その世界の人間の中には十三柱の神々から「祝福」という能力とその証である「聖印」を授けられる者がおり、カイと義妹のルキアも祝福者であることが判明。
本来は12歳で受けられる「祝福の儀式」までどの神の祝福かは不明なのだが、カイはあの手この手で自分の祝福が「アラミラ」神の「てのひら開拓村」であることを突き止める。前世で大好きだった箱庭ゲームにそっくりの開拓村を育てながら、一人前になり養父に恩返しすることを願っていた。
しかし、祝福の儀式の日に状況は一変する。担当の神官に聖印を見せたところ、カイは拘束されて島流しにされてしまう。実はファーレー教ではアラミラ神は「邪神」とされて祝福者は排除されていたのだった。
流された島は凶悪なモンスターが生息している無人島。生存は絶望的と思われたが、カイは開拓村の能力をフル活用し、島で出会った人造人間の少女「アビス」の助力もあり生き延びる。
そしてカイとアビスは、開拓村の能力で生まれた小人「戦士君」や狐耳の魔導士「レン」、カイの一年遅れで島に流されたアラミラの祝福者の少女「カエデ」達と共に島に国を作ることを決意するのだった。
主な登場人物
- カイ・ハスクバーナ
主人公の少年。現代日本で病死し、異世界転生した。
前世では箱庭ゲームをよくプレイしていた。
12歳で島流しにされるも、それにめげることなく周りに助けられながらも前向きに生きる。
所持している祝福は、箱庭ゲームそっくりの世界に移動し、自由に開拓できる「てのひら開拓村」。外の世界から様々な素材を持ち込むことで発展し、定着した物はほぼ無尽蔵に現実世界に取り出せる(例えば、果物を持ち込めば果物が、麻を持ち込めば麻からできるロープや布が取り出せる)ため、食料の確保などに役立てている。
- アビス
カイが無人島で出会った少女。
かなりの美少女なのだが、白い髪と小さな角を持つ。これはファーレー教では「悪魔」にそっくりな見た目。
カイが来るより以前に島流しにあった子供達を何度も助けようとしたが、その容貌から全員が彼女を拒絶したり逃げたりし、最後にはモンスターに食い殺されたりしており、誰も助けられなかったことを悔いていた。
正体は人間ではなく、大昔に実在した魔法使い「アビス」を模して千年ほど前に造られた戦闘用の人造人間『レプリカント・アビス』。何故か58年前に突然起動し、島で一人暮らしていた。体と服はいわゆるナノマシンでできており、戦闘時などには大人の姿になれる。ただし、戦闘用であるためか「ひとりで好きに生きる」ように作られておらず、本能的に主を求めている。
初めて自分を怖がらないで受け入れてくれたカイを「マスタ」と呼んで慕っている。
- エネル
開拓村を管理するアドバイザーエルフ。カイが現実世界にいる間は彼女が村を管理している。村のレベルアップ方法を教えたりと、ナビゲーターも務める。明るい性格で食いしん坊。
- 戦士君
開拓村のレベルアップの特典でエネルからもらった「創造の種」を現実世界で植えたところ誕生した小人。「オサ」としか喋れない。見た目は二頭身だが力持ち。種から生まれたからか、自分を土に埋めることで増殖する。
- レン
エネルからもらった金色の創造の種から生まれた狐耳と狐尻尾を持つ和服姿の少女。自称「獄炎の大魔導士」で一人称は「わたくしちゃん」。カイのことは「マイロード」と呼ぶ。ややテンションの高い性格だが、敵対する者には容赦がない。
獄炎の大魔導士を名乗るだけあり、炎の魔法が得意で、戦闘能力はアビス以上。
- カエデ・エンフィールド
カイの一年遅れで島に流されてきた少女。カイと比べてやや幼い感じだが理解力は高く、カイやアビスともすぐに打ち解けた。
祝福は人形などに一定時間命を吹き込む「仮初の命」。島流しにされたときに持っていた人形の「ゴモちゃん」と「メレちゃん」を大事にしている。