概要
金沢に藩庁を置き、加賀・能登・越中などに領地を持っていた藩。藩主は前田氏。石高は日本一で100万石を超える日本唯一の藩である。
江戸時代は幕府に謀反の疑いをかけられないようにするため様々な努力をしていた。このことは「狸寝入り」という言葉でよく例えられる。藩主の前田利常は謀反を起こす気などないと思わせるためにバカのふりをしていたという。また、同じく疑いをかけられないようにするため文化に力を注ぎ、金箔をはじめとする工芸品が生まれた。江戸時代の金沢は日本を代表する五大都市(残りは江戸・京・大坂・名古屋)のひとつに数えられるほどであった。
一方で城と城下町の守りを鉄壁にし、火薬の材料を製造していたり、城の瓦に銃弾の材料となる鉛を使ったり(陶器だと割れやすいなどの理由もある)と有事に備えた準備もしていた。
このように幕府に怪しまれないように「狸寝入り」をしていた加賀藩だが、幕末には全く歴史の表舞台に登場していない。「狸寝入りをしていたら本当に寝てしまった」と揶揄されることも。