DB10とは
1.アストンマーチン製のコンセプトカー、映画007『スペクター』のボンドカーとして製造
2.鉄道省が製作したディーゼル機関車。本項目で説明
概要
DB10とは戦前日本の鉄道省で初めて製造・量産された50馬力級ディーゼル機関車である。
1932年に計8両が製造され、様々な用途(とはいえほとんど入替)に使われた。
蒸気機関車のようなロッドで前後の動輪を結んでいるが、古いタイプのディーゼル機関車ではエンジンの回転力を一軸だけに伝達し、他の動軸にはロッドで伝達するという方式が良く用いられており、DB10の場合もその一例。
この方法には伝達機構を簡単にできるメリットがあった。
逆転機から車軸へはローラーチェーンで駆動されていたが、これも当時の気動車で二軸駆動を実現しようと用いられた方法でもある。
外観は無骨な鋲接構造の凸型車体を持ち、1エンド、2エンドで形状が違うのが特徴。
初の量産国産ディーゼル機関車という事もあり、傑出した性能は持っていなかったが各地に分散配置され、入替仕業に就いた……ものの、当時の内燃機関車両の例にもれず支那事変(日中戦争)以降の燃料統制で休車に追い込まれ、戦後間もない時期に全車廃車された。