ヒュンダイ・エアロの後継として発売された観光・高速バス。ヒュンダイにとっては世界戦略車の一つであり、日本への市場投入が成功すれば他の右ハンドル地域でも有利になると判断され、2008年9月に日本市場投入が行われた。投入後、安価で短納期な大型観光バスとして持て囃され、ツアーバスやインバウンド輸送向け貸切車としての導入が目立つ他、西鉄バス、九州産交、昭和自動車、富士急行などでは高速路線バス用としての導入が行われている。
ちなみに乗り心地は国産車と比較するとやや劣る。これはサスペンションが国産車は前輪独立懸架となっているのに対し、ユニバースは4輪とも車軸懸架になっているため。インバウンド系事業者に相当な台数が納入されているものの、旅行会社の方から「ユニバースは使わないで」と注文をつけられることもあるらしい。
なぜユニバースは普及したのか
車両価格の安価さと短納期も理由の一つだが、国土交通省が正式な型式認定をしていることもあるだろう。
実は2005年にも大宇バスからBX212をウィラーエクスプレスやサンデンバスなどがディーラーとなって輸入していた。車両価格はいすゞ・日野・三菱ふそう・日産ディーゼルの3分の2でも性能はほぼ同等という触れ込みで売り込み、各社で導入していた。
しかし扱いはあくまでも試作車。大量に輸入することを国は想定しておらず、型式認定をしていなかった。にも関わらず大量輸入したことで国土交通省を刺激してしまい、2~3年ほどで輸入されなくなった。
しかし2008年より日本での発売が始まったユニバースは、大宇BX212と異なり国土交通省の型式認定を受けているので輸入に制限はなく、ヒュンダイのディーラーが全国にある(おまけに部品供給ではヤナセと提携している)ことからサポート体制も充実など輸入車特有の弱点も解消している。
構造
エンジンは排気量12.3リットル、直列6気筒、出力425馬力のD6CC型を搭載。D6CCの発揮するパワーは国産観光バスに匹敵する。排ガス処理はセラミックDPFとクールドEGRの組み合わせで、日本の新長期ディーゼル車規制、EU諸国のユーロ5をクリアできるだけの性能を持つが、後の改良でDPFとSCRの組み合わせでポスト新長期ディーゼル車規制をクリアしている。
トランスミッションはドイツ・ZFフリードリヒスハーフェン製の6速MTを装備するが、2018年改良でZF製の6速ATエコライフを選べるようになった。ちなみにMTはフィンガーシフトのようなシフトブーツが付いているが、フィンガーシフトではなく古典的なロッドシフトである。
サスペンションは4輪とも車軸懸架式。車軸懸架は市内を走る路線バスに多く、乗り心地では劣るがコスト・整備・耐久性に強みを持つ。
本国韓国は右側通行のため左ハンドルだが、日本への輸出に際しては右ハンドルに変えられている。なお輸入車でよくあるハンドルだけ右にしてウィンカーレバーとワイパーレバーはそのままとはなっておらず、きちんと右手ウィンカー、左手ワイパーに変更している。