概要
月刊少年シリウスで2019年11月号から連載されている漫画作品。副題は「余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる」。
作者は光永康則。
単行本は講談社のシリウスKCから発売されている。
2024年9月時点で既刊16巻。
あらすじ
SNSで大炎上した男子高校生葛野セカイは、「この世界にいたくない」と強く願ったその時、見知らぬ世界に転移していた。
RPGのような中世ファンタジーの世界で彼に与えられたのは、時間を停止する能力と、視界の端に表示された謎のタイムリミット。
残されたたった3日の期限で、彼はステージクリアすることができるのか。
登場キャラクター
男子高校生。SNSに投稿した写真が爆発的に炎上し、気がつくと異世界にいた。なかなかのスケベだが、世界や人命を救うことは真面目に考えている。
ゲームのコントローラーのポーズボタンで時間を停止する能力を持つ。回数、クールタイム、止めていられる時間いずれにも制限がなく、極めて強力。
盗賊の女の子。大泥棒を自称する。
戦闘能力はさほど高くないが、索敵能力はずば抜けており、長距離移動もやたらと速い。
ダークエルフの女性。人間に故郷の村を滅ぼされた過去を持つ。
大地の神「エンテュラ」を信仰し、ゴーレムを作り出すなどの大地の魔法を使う。
- 岩吉(がんきち)
セカイがフューリィから教わった魔法で作り出したゴーレム。
術師の魔力が少ないので体は小さいが、力はかなりのもの。また、セカイの能力で産み出されたものなので、時間停止中でも動けるという特性を持つ。
剣聖(ソードマスター)の女性。非常に高飛車な性格でいつも自画自賛しているが、それに見合った実力を持つ最強の剣士。
武器は銘刀「鉄斬ソード」(テツザンソード)。
- バハムート
巨大なドラゴン。竜の王であり、火炎や暴風での攻撃を得意とする。
ひょんなことから、セカイの持つコントローラーで操作可能なことが判明する。
ベルツリー国
- ウォズ・ベルツリー2世
現国王。
- ウィル・ベルツリー
クラウ、アリシアの兄。タンクとして仲間たちの盾になる。
- クラウ・ベルツリー
第一王女。気が強い姫騎士。魔法剣士の能力を持つ。
- アリシア・ベルツリー
第二王女。光の神官の能力を持ち、100日間不眠不休で祈って結界を張る「王女の祈り(プリンセスプレイ)」を行える。
- イェルダ
クラウの部下の女性。魔法使い連盟に所属している。
- キャリ
クラウの部下の女性。気が強くて腹筋バキバキの弓使い。セカイに当たりが強い。
マウントケープ国
- マウントケープ王
現国王だが、まだ幼い。ベルツリー王家の遠縁。
魔法使い連盟から派遣された王の助言者。亡き先王により、王が成人するまでは全ての権限を与えられている。
作中屈指の爆乳を持つ美魔女。魔力もケタ違い。
- ランガ・ラング
ゴッドフォール山に暮らす山の民。その首長として「生命の石」(ライフストーン)を守っている。
斧を武器にするバーバリアン。カタコトで話す。
- ツトゥーム・マウントケープ
亡き先王。現国王の父。
預言者から闇の王を倒す方法を教えられたらしい。
オフショアロープ国
- ミリア・カフナ
城仕えのシャーマン。回復魔法に関しては規格外の力を持つ。
淑やかでピュアな美人。
- ミレイ・カフナ
ミリアの双子の姉。妹と比べるとややスレた性格。
- ナザル・ロープ2世
現国王。若い女性の水着着用を義務化するなどラフなおっさんだが、何か裏がある模様。
地下の村
- 武川細雪(たけがわ さゆき)
武川有常の嫡子で、村のお姫様。品行方正で芯が強い。
流行り病で母を亡くし、吸血鬼の襲撃で父も命を落とした。
- 水景(みかげ)
細雪に仕えるくの一。抜群の身体能力と忠誠心の持ち主。
見た目は細雪に瓜二つで、いざという時には影武者になる覚悟がある。
魔法使い連盟
- ヴェラドンナ・ウィザルドニア
連盟の議長。常人の2~3倍はあろうかという長身で胸もかなり大きい。
時間魔法を扱う。
- サリダ
- ダリア
ヴェラドンナの娘の双子の姉妹。母と違って身長は普通。
- お富
ウォンジーの森の3つ子の一人。見た目は若々しいが年齢は200歳を超え、セカイからは「三婆婆」呼ばわりされている。
氷魔法を得意とする。
本名「トミトリス・タンジェリカ」。
- お菊
ウォンジーの森の3つ子の一人。雷魔法を得意とする。
- お焚
ウォンジーの森の3つ子の一人。炎魔法を得意とする。
エルフの里
- エステル
里の数少ない生き残り。フューリィの友人のクールな美女。
弓矢を武器とする。
- ルシル
フューリィの妹。里を侵略した人間たちに嬲りものにされ殺された。
強い魔力を持ち、強力なゴーレムを作り出せる。
- アシュク
里の議員の一人。
開国すべきか鎖国を続けるべきかという議会の真只中に何者かに殺された。
開国反対派の急先鋒であったため、彼を喪って以降議会は開国に傾いていく。
- デシゥス
里の有力者。開国反対派としてアシュクを補佐していた。
闇のもの
- 闇の王
城をも上回るほど巨大な体躯を持つ、謎の存在。
闇の中でしか活動できず、世界を支配するべく「闇の領域」を広げようとする。
闇の王のしもべの女性。多くの闇の軍勢を率いるが、なんやかんやとエロい目に合いがち。
- ヴィヴィア・ガガンケル
- ギリーナ・ガガンケル
オフショアロープを訪れている姉妹。約3メートルの長身を持つ。
合法的に国を手に入れるべく、神事「バ・レー」の優勝を目論む。
用語
- 救世の勇者
セカイに与えられた役割。
視界の端に残り時間が表示されており、時間内にクエストを達成することでステージクリアとなる。この際空が暗転し、どこからともなく花火が打ち上げられる。その後カウントがリセットされ、また次のクエストへ向かうことになる。
しかし、どのクエストがクリア条件なのかは達成するまで不明で、それっぽいと思って取り組んでもクリアにならないこともしばしば。
- 王族の祈り(プリンセス・プレイ)
国の指導者の素質がある女性のみが行える祈祷。闇の勢力を退ける強力な結界を張る。
100日間ぶっ通し、不眠不休で行われ、食事や排泄など祈る以外の行為は一切不要になる。全く身動きが取れなくなるので、誰かが護衛につく必要がある。
姫や王女しか行使できず、逆説的に「王族の祈りができるということはこの人が正統な姫なのだ」と判明したシーンもある。
国名・地名
- ベルツリー国
セカイが最初に訪れた国。中世ヨーロッパ風で、いかにもファンタジーRPGっぽい。
死刑執行が娯楽のひとつになっており、死刑囚とモンスターの戦いを闘技場で観戦する形式。勝てば無罪放免だが、モンスターが強すぎてこれまで生き残った死刑囚はいないという。
首都周辺は比較的平和で、強いモンスターも難しいクエストもなく、相応に冒険者もあまり強くない。
- マウントケープ国
ノース大陸の入り口とされる海辺の国。ベルツリー国の遠縁で、距離は海路で一週間ほど。
先王が亡くなり幼い王子が即位したが、全権を魔女ロヴィーサが握っており、魔法使い連盟の傀儡国家という見方もある。
- ゴッドフォール山
マウントケープの首都から北に2日ほどの位置にある山。
かつて死と生命の神イサウェラから剥がれ落ちたとされる「生命の石」(ライフストーン)が頂上に祀られている。
標高はかなりあるのだが、気温は凍えるほどではない上に呼吸も問題なく、セカイは元いた世界と物理法則が全く違っていることを再認識した。
- ウォンジーの森
マウントケープの首都から西に5日ほどの位置にある森。
3つ子の魔法使いが住んでおり、魔力回復の秘薬を作っている世界で唯一の場所だという。
- オフショアロープ国
南国の孤島。常夏のリゾート国家。
かつては島まるごとイサウェラを信仰する閉鎖的な宗教国家だったが、先代の王(現王の母)により開放的な観光国家に作り替えられた。
昔から女性がとても多く、強き女性が統治するのがならわし。
闇の領域の中に位置し、シャーマンの範囲回復魔法による防御がなければ辿り着けない。島そのものは闇の勢力との取引により、人間と闇のものが共存している。
- 地下の村
オフショアロープの地下迷宮の奥、不可逆の坂を進んだ先にある謎の村。
今までと全く違う和風の世界観であり、セカイは「別のゲームの世界に迷いこんだのではないか」と推察していた。
- エルフの里
フューリィの故郷。霊木「森羅様」を中心に、森の奥地に位置する。周囲は特殊な大地魔法で囲まれており、決まった道を辿らないと永遠に辿り着けない。
かつては里外との交流を絶っていたが、本編から一年ほど前に外交を始めた。しかし、それが原因で侵略者が訪れ、滅ぼされてしまった。
- 魔法使い連盟
世界中の魔法使いたちを束ねる連盟。
本部の所在地は謎で、大魔法使いの開くポータル以外に訪れる手段はない。本部の建物自体も断崖絶壁の上にあり、外部からの侵入者を拒む。