CV:江原正士
※ネタバレ注意
概要
通称『光のホーエンハイム』。原作の『ヴァン・ホーエンハイム』と基本設定は同じだが、内面や辿ってきた過去などは異なる。
なお、こちらは記事タイトルの通り、名前が「ホーエンハイム」、姓がエルリックになっている。
外見上は、髪型が微妙に異なることや、毛の色がやや濃い点が異なる。
原作とは違い、賢者の石の力で他者の身体を乗っ取り生き続けてきた人間。
人の身体を乗っ取ることに何の躊躇いもないダンテと異なり、ホーエンハイムは罪悪感に常に苛まれており、やがて彼女の元から姿を消す原因の一つともなっている。
愛人ダンテとの間に儲けた子供が水銀中毒で死に、人体錬成をしようとして失敗。リバウンドの過程で死に瀕するがダンテの機転により、屋敷の使用人にホーエンハイムの魂を移すことに成功。
それを期に、二人は長く生きらえ錬成された子は旧鋼におけるホムンクルス・エンヴィーの元になる。
つまり旧鋼においてはエルリック兄弟の父であり、一応エンヴィーの父でもある。
ダンテの元を去った後にトリシャと出会い一目惚れし、結婚。エルリック兄弟を新たに儲けた。
しかし400年を生き続けてきた彼の身体は、乗り移る度に魂が劣化しており、その反動から身体が腐り始めている。それを隠すために香水を付けている。
当然トリシャはそれを目の当たりにするわけだが、知りながらもホーエンハイムを愛し続けていた(原作以上に夫への依存が強いという描写になっている理由付けにもなっている)。
それでもなお身体の腐敗に耐え切れず、家族に醜い様を見せるのを嫌って失踪した。
原作ではトリシャ一筋だったが、旧鋼では実質的に籍は入れてはいないも同然とはいえ前妻(正妻)の女がいる。
それ以外にも、マリア・ロスを口説く、ウィンリィの母であるサラ・ロックベルにも気があり、面影の強いウィンリィを口説こうとするなど、女性にはだらしない性格になっている。
だが本質的には家族(特にトリシャとの間に育んだ者達)を大切に思っていることは変わらず、後半は特に息子達のために奔走する。
しかし当人は良かれと思ったことが尽く裏目に出てしまっているという、報われない人でもある。
最終回から劇場版にかけては、現実世界に飛ばされてしまう。そして、同じく飛んできたエドワードを故郷である錬金術の世界に戻すため、自分の命と怪物化したエンヴィーを対価に門を錬成し、消滅した。
どうしてこうなった
原作では評価が高いキャラクターである元キャラのヴァン・ホーエンハイムとは対象的に、いろんな意味で奔放な性格が災いして、こちらのホーエンハイムは蛇蝎の如く嫌われている。
その理由は旧鋼の制作中はホーエンハイムの設定がほとんど明らかになっておらず、オリジナル要素を多分に含んで補足するしかないという状況だったため。全ては企画が早すぎた故のことだった、ということである。
トリシャのホーエンハイムへの依存度が高まっているのを見るに、この設定は当初からほとんど決まっていたようである。
勘違いされやすいが、トリシャやエルリック兄弟に対する愛情自体は本物であり、不器用にも程があるとはいえ、彼なりに贖罪など行おうと必死になっていたのは伺える。
その結果として、やることなすことほとんどが悪い方向に向かってしまったのは、なんとも皮肉なものである。