本日わたしは炎上しました
ほんじつわたしはえんじょうしました
概要
作者はどげざ氏。芳文社『まんがタイムきららMAX』2018年4〜8月号で連載(最初の3話はゲスト掲載扱いで、7月号から2話分は正式連載の扱い)。まさかの美少女炎上系youtuberという奇天烈な題材を扱ったストーリー4コマ漫画である。全5話。
どげざ氏は過去のツイートで「今流行りの動画サイトで美少女が活躍するとっても健全!かわいい!まさにきらら!といった作品になっています!みんな読んでね!!」と発言しているが人物の特定が容易なネタ、「動画投稿のネタとして花壇を踏み荒らす」「動画投稿者の家に爆竹を投げ込む」と発言するなど、おおよそ「きらららしくない」作風であった。
あらすじ
ハンドルネーム「カナエル」こと由愛カナエは動画配信サイト「MeTube」で大物ミーチューバーになるのが夢の女子高生。クラスメイトの原クロイに協力してもらい、チャンネル開設までは漕ぎ着けたが登録者数は伸び悩んでいる。そこで、炎上騒動を起こして一気にバズろうと画策するのだが……
登場人物
由愛カナエ(ゆめ カナエ)
主人公。
大物ミーチューバーの「キタピン」に感化されて「カナエル」というハンドルネームでミーチューバーデビューした。
容姿端麗なのだが(クロイ曰く黙っていれば美人)悪知恵が働き、キタピンの自宅に爆竹を投げ込もうと考えるなど炎上という形で動画再生数を稼ごうとする。
原クロイ(はら クロイ)
カナエの友人。雇われでチャンネルのアシスタントをしている。
カナエの犯罪スレスレの奇行に突っ込むなど常識人ではあるが、アイを口車に乗せて脱衣動画を投稿させようとするなど腹黒い一面がある。
思井アイ(おもい アイ)
キタピンを様付けで呼ぶ程の熱狂的ファン。
父親が薬品会社の社長で、そこのバイトとして置き薬の点検をしている中でキタピンの自宅を知ったのをきっかけに彼をストーキングしている。
アイドル系ミーチューバー「あいあい」として活動しており、フォロワー数10万人(クロイ曰くカナエの10倍)の人気者でもある。
カナエの炎上商法を阻止しようとするが、爆竹の件を「キタピンにネタを提供する」と捉えるなど残念な頭の持ち主。
まさかの作者が炎上、そして打ち切り
2018年5月の余命ブログ騒動に起端するヘイトスピーチ通報祭りの一環で、同年6月には漫画家やラノベ作家のヘイトツイート発掘運動も発生した。
その流れを受けて本作の作者であるどげざ氏も問題発言を発掘され、炎上。
漫画のタイトルを作品より先に作者自身が回収してしまうというまさかの珍事が発生した。
少なくとも韓国人や中国製品、生活保護受給者、同性愛者への攻撃的発言や不特定多数の野党議員を帰化人と決め付けての中傷を行っていたことが確認されており、アカウント取得から炎上前までは約8,600あった総ツイート数がお詫び文を出した後に約1,200へ激減した。
一応補足すると、近年では上記の通り著名人の過去のヘイトスピーチやネトウヨ行為が掘り返されて炎上するという事件も珍しくなくなってきており、一概にどげざ氏だけが問題視されているという訳ではないが、残念なことに氏の場合は連載作品のタイトルと内容が現実にマッチし過ぎていた。
掲載誌のきららMAX編集部は翌日の6月26日午後、ニュースサイトの取材に対して「現時点では、これ以上の対応は考えていない」と答えていた。
しかし騒動の翌月に出た9月号では、第6話が「都合により休載」となった。
この時点では飽くまで一時的な休載の可能性もあると見られていたが、Twitterを再開した作者がダイレクトメッセージで「連載外されたんだから連載中の表記を外すべき」とユーザーから揶揄されたことを「お前めっちゃ煽るやん…」と晒し上げた。
どげざ氏自身は2017年3月の時点で「ネットで間違ったことをしたときは炎上させるのが一番大人な対応」と発言しており、それを実践したものとも言える。
さらに「お前の大嫌いな漫画は残念ながら次号載るんで連載終了したらもう一回DM送ってな?」「今後もおもしろ悪口DMお待ちしております」とTwitter上で煽る発言を繰り返していた。
また「次号で最終回だったとしてもまだ連載中や!プラスに考えていこうな!!」とあくまで連載中であることをアピールしていた。
本人曰く「たぶん誰も興味ないだろうけどDMの人が晒してもいいとのことなので晒しておきますね」とのこと。
そうした数々の問題行動できららMAX編集部も始末に負えなくなったと判断したのか、7月27日の夕方になりきらら系列誌の公式Twitterが「連載再開を予定しておりましたが、先生との協議の結果、8月号の掲載分を以て最終回とさせていただきます」と発表、正式に作品の打ち切り終了が決定した(10月号にも「8月号分で最終回とさせていただきます」とする告知を掲載)。
数時間後には、どげざ氏のTwitterアカウントとPixivに載せていた公式イラストが削除された。
また、氏は騒動が勃発する前にKADOKAWA(富士見書房)の電脳少女YouTuberシロアンソロジー「ぱいーん☆しよう編」へ寄稿したとTwitterで公表していたが、奇しくも『本日〜』の打ち切り終了が発表されたのと同日の7月27日に発売された同アンソロジーには、氏の作品は掲載されていなかった。こちらの原稿がボツになったことについては、特に経緯説明などのアナウンスは出ていない。
教訓
作者の人格と作品は別物であり、作者の過去の若気の至りによる暴走や思慮の浅い不謹慎発言を晒上げて作品を闇へと葬り去ろうとするのは褒められた行為ではないが、だからといって本作の作者のような目に余る中傷・差別発言をはじめ、荒らし行為、嫌がらせなどの悪質な行為を繰り返していれば作品へも火の粉が及ぶのは避けられない。
どげざ氏の作者生命が絶たれたのは、不祥事の判明後も軽率な挑発行為を繰り返し、編集部から与えられたせっかくのチャンスをドブに捨てる行為をやらかしたためである。自らの作品を世に広めようとする人は、作品の未来を絶ってしまうような行動は慎むべきだろう。
関連タグ
山崎渉 - どげざ氏と同じようにヘイトスピーチが大量に発掘された。しかも、直近の連載作品『てみたー!』は、本作と同じく動画配信がテーマである。
二度目の人生を異世界で - 本作と同じく作者のヘイトスピーチが問題となり、こちらはアニメ制作の中止及び書籍の出荷停止に追い込まれた。