曖昧さ回避
妖怪高女
たかおんなもしくはたかじょと呼ばれる、鳥山石燕著の妖怪画集『画図百鬼夜行』に記載される女妖怪。
この書物は図画と名前のみで説明文がないため、どのようなことをする妖怪か不明であるが、背景の家屋が女郎屋であることから吉原遊郭を風刺したものであるという説がある。
民俗学者である藤沢衛彦は、昭和4‐5年に刊行された『妖怪画談全集 日本編 上』において和歌山県の伝承として女郎屋の2階を覗きこんで脅かす妖怪高女房として解説している。
小説家の山田野理夫は昭和49年に書いた『東北怪談の旅』において、秋田県の伝承としてこの妖怪を紹介している。それによると男に相手をされない嫉妬深い醜い女が化けたもので、遊女屋の2階を覗きこんで歩くのだという。
現在の妖怪辞典においては、山田の書物の記述に準じた解説がなされていることが多いが、実際は石燕の図画から想像された解説であると考えられている。
なお石燕画の高女は笑顔に見えることから、人の前に現れケラケラ笑いながらどんどん背丈が伸びることで怖がらせるという倩兮女と同一視された解説をされる場合もある。
また洒落怖で語られた、長身の女の怪異八尺様のモデルの一つではないかともいわれている。