永瀬拓矢
ながせたくや
棋歴
2004年9月、12歳で奨励会に入会。順調に昇級・昇段を続け、2009年10月に17歳でプロデビュー(四段昇段)。2012年度、新人王戦・加古川清流戦で共に棋戦優勝。
2013年度の第39期棋王戦挑戦者決定トーナメントにおいて、羽生善治三冠を本戦・敗者復活戦で2度破り、挑戦者決定戦まで勝ち上がるが、惜しくも三浦弘行九段に破れ挑戦を逃す。
2015年度の第28期竜王戦では4組優勝ながら、藤井猛九段・佐藤康光九段・羽生名人ら1組出場棋士を立て続けに連破し、挑戦者決定戦三番勝負まで勝ち上がるが、1勝2敗で惜しくも渡辺明棋王に破れ挑戦を逃す。
2016年度の第87期棋聖戦挑戦者決定戦で村山慈明七段を降し、初のタイトル挑戦を決める。羽生棋聖との番勝負は、先に2勝1敗でカド番に追い詰めるもそこから2連敗となり、惜しくもタイトル獲得とはならなかった。
2018年度の第77期B級2組順位戦では、10勝0敗の好成績でB級1組への昇級を決める。
2019年、第4期叡王戦挑戦者決定戦で菅井竜也七段を破り2度目のタイトル挑戦を決める。高見泰地叡王との番勝負は4連勝のストレートで破り、初タイトルの叡王を獲得する。また、同年度の第67期王座戦挑戦者決定戦では豊島将之名人を破り、タイトル挑戦を決める。斎藤慎太郎王座との番勝負は3連勝のストレートで破り奪取。二冠王となった。また、タイトル2期獲得により八段に昇段。
余談
彼の代名詞とされるのが「千日手を全く厭わない」姿勢にある。棋士にとって「ちょっと有利かも?」とされる先手番をもっても、不利な状況・おもしろくない状況に置かれたならば、すぐに千日手の筋を手繰り寄せようとする豪腕の持ち主。2011年に行われた第61回NHK杯1回戦において、佐藤康光九段相手にNHK杯では初の2回千日手の末に勝利する。また、初のタイトル戦となった第87期棋聖戦第1局でも、羽生棋聖相手に千日手の末こちらも勝利と、勝利に対する貪欲さは刮目すべきものがある。著書のタイトルも、誰が付けたか「永瀬流 負けない将棋」。
前述の通り勝利に対する執念は棋士間でも群を抜いているが、将棋に対する生真面目な姿勢も印象的。「あなたにとって将棋とは?」と言う問いに対して、「生きる目的をくれるもの」と断言するくらいである。
また、将棋界屈指の羽生キラーである(羽生九段相手に7勝4敗)。