白銀御行
しろがねみゆき
概要
本作のもう一人の主人公。秀知院学園高等部2年、第67~68期生徒会長。
校内模試では不動の学年一位、全国模試学年二位の秀才で、その模範的な振舞いと鋭い目つきから学院中の生徒から尊敬と畏怖を集める存在。
副会長である四宮かぐやとは周囲の生徒から噂されるような関係であり、白銀も満更でもなかったが、四宮がどうしても付き合ってほしいというなら付き合ってやらなくもないという上から目線の態度で受け身で居続けた結果、半年間何も進展がなかった。
これにより「付き合ってやってもいいから何としても相手に告らせる」と決意し、白銀とかぐやの恋愛頭脳戦の幕が上がることになる。
人物
秀知院では少数派の外部からの入学生であり、白銀自身も裕福な家庭ではなく日々バイトをして家計を助けている。生徒会長としての職務、バイト、学業などハードな日常を送っているせいか慢性的に寝不足で、カフェインが切れるとすぐに寝入ってしまう(目つきの悪さも寝不足のせいである)。
生徒会長として生徒会の面々や他の組織に負担をかけさせない仕事のやり方を方針としており、利己のために他人を傷つける行為を許さないという信念を持つ善良で優秀なリーダー。
秀知院の生徒会長に代々受け継がれる純金飾緒をつけるため、任期の間は季節に関係なく学ランで過ごしている。
お人好しで努力家、ナイーブで傷つきやすく、ちょっと女々しいところがある。目つきが悪いのがコンプレックス。
非常に奥手でプライドが高く、恋愛経験は皆無だが「自分はモテる」という強い自信を持っている。実際モテるのだが、勉強を始めとする全ての難関に対し病的なまでに努力を重ねる様子はもはや変人の域に片足を突っ込んでさえいるからか、萌葉など色物から想いを寄せられることが多い。やや場当たり的でロマンチックな一面があり、四宮に対して気障なセリフを吐いては、後になって悶絶することもしばしば。
前生徒会長から言われたように、客観的に見てもルックスは悪くないらしい(その頃は目つきは悪くなかったが)。
金髪なのは原作由来の漫画的表現であり、もちろん純日本人である。
かぐや同様、彼もまた相当な食わせ物であり、窮地を脱するためには相手の動きを逆手に取るような大胆な手を使うことも。目的のためには並々ならない努力も惜しまず、どんな状況にも対応できる入念な準備、時として瞬間的な閃きを駆使して、四宮の策略を切り抜けていく。
基本的には善良な人間であり、困っている人は誰であっても見捨てられず、身内や他人の区別なく損得勘定抜きに手助けしようとする。
学年一位の成績を死守するために必死に努力しているが、これは二位のかぐやに絶対に負けないためでもあり、大財閥の令嬢であり天才の四宮と対等の存在でありたいと強く思っているため。後述の弱点も、かぐやにはかっこいいところを見せたいと思っているため、中々見せられないでいた。
父親が職業不定であることや超進学校に在籍する自身と妹のため、金銭面でかなり切り詰めた生活を送っており、白銀自身も「どケチ」「倹約趣味」と言われている。
普段は居酒屋、長期休暇には引越し屋でもバイトしており、彼の基礎体力の高さを支えている。
だがクリスマスの圭へのプレゼントや、生徒会での打ち上げ、クラスメイトとの付き合いには多少の出費は厭わない面も見せており、「使うべき時に使う」スタンスと考えられる。
一般的に秀知院の生徒からは、何でもできる万能で近寄りがたい存在として扱われているが、実際は弱点がものすごく多い。
- 泳げない
- 虫が苦手
- 運動音痴
- 音痴
- 生の魚が捌けない
- ダンスができない
- ラップができない
- 私服がダサい
- バルーンアートが作れない
- 社交ダンスができない(今のところ予告段階)
- コーヒーが淹れられない
etc...
本人は判明する度に「○○だけはダメなんだ」「ちょっと苦手なだけ」などと言っているが、'ちょっと'だった試しは殆どない。応用力が低く、似たような分野で苦戦する事も多々ある。しかし彼が苦手なものに直面する度に克服しようと必死に努力していることもあって、白銀のポンコツな本性を知る人間は少ない。
藤原書記は白銀が弱点を克服するための特訓に、ほぼ毎回付き合わされている(通称特訓回)。彼女曰く、昔は白銀を尊敬していたが次第にできなくなっていったらしく、今では母親のような境地に達している。
ちなみにお手玉、けん玉、こま、ヨーヨーはかなり上手い。
彼の屋台骨でもある勉強も、入学試験のときには補欠合格であったことから努力して今の地位にまで上り詰めたと考えると、同じ天才でもかぐやは「生まれながらの天才」なのに対し、白銀は「努力の天才」であると言える。
過去と現在
※原作15巻ネタバレ注意
かつて、母親の希望により幼稚園受験と小学校受験をするもいずれも失敗し、それ以降母からの関心が失せ彼女が家を出ていった際に受験に成功した妹(おそらく圭)だけを連れていかれたという過去がある。それが大きな心の傷となっており、努力をしなければ愛されない、素の自分は受け入れてもらえないという認識を抱くようになる。
高校に入学してすぐかぐやに一目惚れするも、かぐやが氷であったこともあって話しかけても相手にされず、龍珠のアドバイスを受け虚勢を張りかぐやにテストで勝負を挑んでからようやく彼女に認識されるようになる。このことで上記の認識をより確固たるものとし、常にかぐやの横に並び立てるよう虚勢を張り続けその屋台骨となる学力に病的に執着しており、特にかぐやに対して素の自分の弱さを見せることを異常に恐れ、忌避している。かぐやと気持ちを確かめ合ったことで多少は緩和されたものの、根本的な問題は未だ解決していないと言える。