概要
イスラム革命防衛隊とは、イラン・イスラム共和国が保有する軍事組織の一つである。
表向きの存在理由は共和国軍(以下「国軍」)の補助であるが、実際には独自の陸軍・海軍・空軍部隊から諜報機関や特殊部隊を持ち、さらには戦時には最大百万人単位で大量動員できる民兵組織『バスィージ』の統率まで委ねられていて、事実上のイランのもう一つの軍隊として機能している。
歴史
革命によって成立した共和国の首脳陣にとって、かつて帝政に忠節を尽くしていた国軍は、必ずしも信頼できる軍事力ではなかった。そのため、国軍への対抗組織として、革命に参加した種々の準軍事勢力を統合・再編成され、革命防衛隊が成立した。
ゆえに憲法において国軍の役割が「独立の領土の保全」と位置付けられる一方、革命防衛隊は「革命とその成果の守護」を役割とした組織であると位置付けられている。
しかし時代が経過するに従い、帝政時代を知らない世代が台頭してきたこともあって、国軍は正規戦を、革命防衛隊は非正規戦を得意とする組織として、両組織が並列して共存していくための住み分けがはかられている。