極東には下記のような意味がある。
地理学・政治学上の極東
経度及びアメリカ・ヨーロッパから見て、最も東方を指す地政学あるいは国際政治学上の地理区分。
時代や国などによりその地域概念は一定しないが、現在では東アジア、東北アジア或いは東南アジアの周辺地域を指すことが多い。
古来、ヨーロッパではその東方を、近東(Near East)・極東(Far East)に大まかに区分したが、19世紀の植民地獲得競争の過程でイギリスなどにより中東(Middle East)という概念が生み出され、これを加えて三分されることとなった。
近東はバルカン半島からトルコ、エジプトにかけての地中海東岸域(オスマン帝国領域)、中東はアラビア半島からアフガニスタン、パキスタン、インド、新彊ウイグル自治区にかけての地域であり、この場合には極東はそれ以東の地域と捉えることが出来る。
ロシア極東
ロシアで極東(Дальний Восток)というと、ロシア極東または極東ロシア' (Дальний Восток России) の意味で使うことが多い。
現代の行政区画としては連邦管区の一つである極東連邦管区が置かれている。
本部はハバロフスクに置かれる。
人口は716万9400人でロシア全体の4.9%、面積は36%である。このうちサハ共和国は極東に含めないこともある。
軍事面では極東軍管区が置かれている。
1920年~1922年には極東共和国が存在した。範囲は極東連邦管区とはややずれている。
ロシアでは、他国で言う極東を表したいときは、極東 (Дальний Восток) とも言うが、誤解を避けるためにはアジア太平洋地域 (Азиатско-Тихоокеанский регион = АТР) や東アジア (Восточная Азия) などと言い換える。