優秀すぎて人生イージーモードの王太子セシル。
退屈な日々を過ごしていたある日、宰相の娘バーティア嬢と婚約することになったのだけれど――。
「セシル殿下! 私は悪役令嬢ですの!!」
彼女の口から飛び出す言葉は、理解不能なことばかり。
なんでもバーティア嬢には前世の記憶があり、『乙女ゲーム』なるものの『悪役令嬢』なのだという。
そんな彼女の目的は、立派な悪役になって婚約破棄されること。
そのために様々な悪事を企むバーティアだが、いつも空回りばかりで……。
婚約者殿は、一流の悪の華を目指して迷走中?
ネットで大人気! 異色のラブ(?)ファンタジー開幕!
(アルファポリス公式サイト専用ページより抜粋)
概要
既刊はそれぞれ、書籍版が2巻で完結。漫画版が3巻。
小説家になろう版は2017年3月27日に掲載を引き下げられているため、現在は閲覧できない。
いわゆる「悪役令嬢」系の作品。
中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、悪役令嬢が前世の記憶を取り戻し、この世界が前世の自分がプレイしていた「乙女ゲーム」の世界であること、自身が最終的に婚約者に捨てられ破滅する悪役令嬢であることに気が付く。
この作品の最大の特徴は、主人公は悪役令嬢ではなく婚約者であることで、婚約者の視点から悪役令嬢に転生してしまったヒロインの突飛な言動を「観察する」形式となっている。またヒロインは最初から自身が「乙女ゲームの世界へ転生してしまった」ことを周囲に隠さず暴露していることや、婚約者のためなら自身が破滅しても構わない、という点も他の作品とは大きく異なる。
あらすじ
アルファスタ国第一王子にして王太子セシルは、
宰相の一人娘にして婚約者であるバーティア侯爵令嬢と初めての顔見せを兼ねたお茶会に出席する。
しかしセシルはバーティアに出会って早々「自身は悪役令嬢であり、私の役目は殿下とヒロインの仲を引き裂いて最後は婚約破棄されてギャフンと言わされることです」と宣言される。
訳が分からない……と、バーティアから事情を聴いているうちに、バーティアが本当に転生者なのか単なる妄想なのかは解らないが、とにかく、セシルはバーティアに興味を持つのであった。
主要な登場人物
- セシル・グロー・アルファスタ
本作の実質的な主人公。アルファスタ国第一王子にして王太子。バーティア侯爵令嬢の婚約者。
10歳の時点で非常に達観しており、バーティアとの婚約も政治的メリットが目的であると断言できるほど、恋愛を含め物事に執着しない。バーティアの「悪役令嬢」の話についても、顔色一つ変えず話の詳細を聞き出すなど冷静に物事を判断できる。何をやらせても人並み以上の結果を出すことが出来る天才肌だが、それ故に達成感や充足感が得られず、物足りない退屈な人生を過ごしていた。
自分が理解できないこと話すバーティアに興味を持ち、その動向を観察するうちに、破天荒で予測不可能なバーティアの言動を見ることが楽しくなり、バーティアに惹かれるようになる。
- バーティア・イビル・ノーチェス
本作の実質的なヒロイン。アルファスタ国宰相ノーチェス侯爵の一人娘。
8歳の時点で前世の記憶を取り戻し、自身が乙女ゲームの世界で生まれ変わったこと、自身は最終的に婚約破棄されてしまう悪役令嬢であることに気が付く。
セシルの幸せを心から願っており、そのためには自身が破滅してしまうことも厭わないが、一方でゲームのバーティアと自分自身は違うとも考えており、最終的に美しく散る「清く正しい悪の華」を目指すことにしている。
前世の記憶のためか当初の出会いでは貴族としてのマナーも礼儀もなっていない始末であったが、社交界デビューの際には問題のない振る舞いが取れるよう勉強しており、また容姿も美しく保つようダイエットを続ける努力家。
作中では「この世界は乙女ゲームである」ことを公言し、ゲームのシナリオの通りに事を運ぼうとして却って周囲から白い目で見られることもあるが、一方でゲームの知識から今後発生し得る事故や事件などを言い当てることが出来るため、セシルは事前に策を打つべく奔走することになる。
- ゼノ
セシルに仕える執事。セシルの完璧超人ぷりに半ば恐怖している。一方で他に人が居ないときにはセシルに軽口を叩くといった、主従関係を越えた仲。
- ノーチェス侯爵
バーティアの父。バーティアの奇行に頭を悩ませているが非常に溺愛しており、セシルに対してさえも無礼な態度を取ることもしばしば。
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