※この記事にはかいけつゾロリ30巻のネタバレを含みます
あらすじ
有名なラーメン屋に化けて、対立する2軒のラーメン屋を共倒れさせようとたくらむゾロリ。つるつる軒とカメカメ亭の主人はすっかり騙されてしまい、ゾロリに言われるままダメダメなラーメンを作りまくる。この不毛なラーメン対決の行方やいかに?
それぞれの店の詳細
カメカメ亭
20年もやっている老舗のラーメン店。
看板メニューである「カメカメラーメン」のちぢれ麺は、モチモチした食感で美味いが、それに絡むスープに少し臭みがあってコクが無い。
イシシがここへ食べに来た。
つるつる軒
5年前に開店したばかりのラーメン店。アニメ版ではどちらかというと中華料理店に近い。
看板メニューである「ツルツルラーメン」のスープは、コッテリしていて中々美味いが、麺がべチョッとしてフニャフニャであり、肝心のスープと絡まない為粉っぽい。
ノシシがここへ食べに来た。
ネタバレ
ラーメン王なる人物の書いたラーメン記事を読んで、何が何でもラーメンが食べたくなったゾロリ達は、通りすがりの人からこの二店の存在を知り、そこへ向かった。
しかし、2杯分のラーメン代しか持ち合わせていなかったゾロリ達。そこでゾロリは、イシシとノシシにそれぞれのラーメン屋に行ってもらう代わりに、自分が両方のラーメンにありつく為ある事をするように耳打ちする。
言われたとおりにそれぞれの店に入るイシシ・ノシシ。そしてゾロリはラーメン王に変装、2つの店に入り込んだ。
そしておやじ達は二人ともお互いに負けたくない事を知ったゾロリは、もっと競わせて2軒ともダメダメラーメン屋にし、店を乗っ取ってゾロリーラーメン店を開こうと企んでいた。
手始めにイシシをカメカメ亭へ送り込み、「老舗の味の出し方」をカメのおやじに教えるのだった。
第1対決
二つのラーメンの情報(以下記載)を聞いて、客が次々と集まってきた。果たして、二つのラーメンの評判は…
つるつる軒・ストローラーメン
ラーメン王に化けたゾロリから買い取ったアイデアを元に、ツルのおやじが作ったラーメン。
麺の真ん中にマカロニのような穴が開いており、麺をすするとスープも口に入るという仕組み。
こちらは工夫すれば現実世界でも実現できそうだが…。
カメカメ亭・ポンコツラーメン
あるお客…もといイシシのアイデアを元に、カメのおやじが作ったラーメン。名前は中古品を意味する「ポンコツ」と豚骨をかけたとみられる。
イシシが言うには、「20年も店をやっていると、機械や道具にも老舗の味が染み込む」との事で、その機械や道具でとった出汁でスープを作った。
評判
・ストローラーメン
「うっ」
「うわちちちち」
「ひえ~みずみず~」
「んぐっ」
「うえーんおかあさんあちいよー」
麺をすすった途端、熱いスープが勢いよく口の中へ飛び込み、全員口の中を火傷。
そのせいで味が分からず、「危険なラーメン」と評されてしまった。
当然客は怒って帰ってしまう。
・ポンコツラーメン
「ん!?」
「(ペッペッペ)こりゃひどい!!」
「うえっ きかいあぶらのギトギトめんだ」
「お、おい ねじがはいってたぞ」
まぁ当然ながら、機械や道具から出汁が出るはずがなかった。
客は全員「機械油と埃のスープ」を口に含んだ途端吐きだし、かなり怒って帰ってしまった。
この失敗で、「あんな素人イノシシの言う事を聞いた自分がバカだった」とぼやいたカメのおやじは、
ラーメン王に化けたゾロリから、2万円でつるつる軒に勝つ方法を教わる。
ゾロリが言うには、「子どもは大人よりもラーメンを食べる機会が多いから、子供が好きな甘い物の代表・チョコレートを麺に練りこむといい」との事で、早速カメのおやじはチョコ麺作りに取り掛かる。
一方ノシシは、その事をツルのおやじに密告。闘争心に火をつけられたツルのおやじも甘いラーメンで対抗する。
第2対決
二つの甘いスイートラーメンの情報を聞いて、客や子供達が次々と集まってきた。果たして、二つのラーメンの評判は…
カメカメ亭・チョコレートラーメン
ラーメン王に化けたゾロリから買い取ったアイデアを元に、カメのおやじが作ったラーメン。
麺にはチョコレートが練りこまれており、スープはホットココア。
中の具材も、ネギの代わりにチョコチップ(アニメではマーブルチョコ)、スープで溶けると中からプレミアフィギュアが出てくるチョコエッグとなっており、
その上トッピングにホイップクリームが盛り付けてある。
また、サービスでアイスが提供されており、「ラーメンアイス」と頼めば出してもらえる。
つるつる軒・さとうラーメン
チョコレートラーメンに対抗して、ツルのおやじが作ったラーメン。
麺には砂糖を練りこみ、スープはトロトロベタベタの砂糖シロップ。
中の具材も、チャーシューの代わりに羊羹3切れ、シロップで煮たメンマ(アニメではリンゴ)、なるとの代わりにペロペロキャンディー、九州名物「鶴乃子」など、
甘い物ばかりで統一されている。
評判
…どちらのラーメンも、食事で食べるには甘すぎで、デザートにするには量が多すぎた。
・チョコレートラーメン
「もうやめた うんざりするほどあまい!」
「いくらあまいものがすきでもはんぶんもたべられないね」
「なかの『ぐ』もチョコばっかりじゃあきちゃうわ」
「おえっ」
「…」←気持ち悪さで沈黙中
「ちょ ちょっとトイレへ」
ウンザリするほど甘すぎたせいで半分も食べられず。
その上、手も口もベタベタベトベトになった他、甘さで気持ち悪くなってしまった。
・さとうラーメン
さとうラーメン
「…」←気持ち悪さで沈黙中
「ずずず」←甘党なのか一心不乱で食べてる
「おとうさん そんなにたべたらとうにょうびょうになっちゃうよ」←一心不乱で食べてる男性の娘
「あ~~~ん はがいたいよ~」
「まあ きょうれつなあまさでこどものむしばがひどくなっちゃたわ」←歯が痛くなった子供の母親
「わっ ありがいっぱいきたよ」
肝心の子供達は最初こそ喜んでいたものの、いざ食べてみたら一人の子供の虫歯が酷くなった上、その子供がラーメンを零した所へ、アリがたくさん集まってきた。
子供達は「もう二度と食べたくない」と言い、甘さで気持ち悪くなって帰ってしまった。
また客が減ってしまい、カメのおやじもツルのおやじも頭を抱えるのだった。
特にカメのおやじは、2万円払ったにも関わらずこの結果になった事で、ひどく腹を立てた。 明らかに自業自得なのに
しかし、ラーメン王に化けたゾロリは「新しい物を食べた時の反応は、みんなこんなもんさ。10年間、このラーメンで頑張ってみるんだ。きっと、このチョコレートラーメンも受け入れられるはずだ」
…と、反省の欠片もない。
タワジ、修行から帰還する
修行に出ていたタワジが戻ってきた。
おやじはタワジのスープと自身の麺で美味いラーメンを作り上げ、チョコレートラーメンの失敗を取り戻そうとする。
ゾロリは尚もチョコレートラーメンを作り続けるように言うが、「10年も待ってなんかおれん」と、おやじに店を追い出されてしまった。
それから間もなくゾロリはつるつる軒へ入り、タワジが帰ってきたことを伝える。
それを聞いてノッコがハンカチ片手に感激する一方、ツルのおやじは諦めムードになるが、ゾロリは100円で全ての味のラーメンが食べられる「回転ラーメン屋」に作り替えるように提案。
後がないツルのおやじは全財産をかき集めてゾロリに全て預けた。
ノッコはいろんなスープを仕込むようおやじに言うが、ゾロリは「インスタントラーメンを作って、自分達のスープを少し混ぜときゃ大丈夫」と拒否。
「そんなのまともなラーメン屋じゃない」と嘆くように呟くノッコだが、おやじはカメカメラーメンに勝つことで頭が一杯になり、もう娘に何を言われても耳に入らなかった。
一方カメカメ亭では、カメ親子がスープの味見をしていた。
やがて外が騒がしくなってきて、カメのおやじが外へ出ると、つるつる軒の前に人だかりが。
ライバルが回転ラーメン屋を始めることを知って不安になったおやじは、急いで店に戻ると、タワジとスープの事などそっちのけで500円で色んなラーメンを食べ放題のラーメンバイキングの準備を始めた。
夜、二つの店は未だに改装中だった。
一人公園へ来てブランコに腰かけていたタワジの元へ、ノッコが声をかける。
二人は、お互いの店であったことを話し合った。同時に、互いの父親がラーメンの味などどうでもよくなり、競争することで頭が一杯になった事を嘆いた。
自分たちはただ美味しいラーメンが作りたいだけなのだ。
そこでノッコは、父親達の様にいがみ合わず互いのいい所を持ち寄って、最高のラーメンを作ることをタワジに提案する……
翌朝、二つの店は同時に開いた。
第3対決
つるつる軒・回転ラーメン
一杯百円で様々な味のラーメンが食べられる。
店内は回転ずしの様に回転台があり、小どんぶりをたくさん載せて回っている。
店の奥ではゾロリ達がインスタントラーメンにお湯を注いで回転台に乗せていた。
中にはもう5杯も食べた客もいた。
カメカメ亭・ラーメンバイキング
大きなバケツの中に様々な味のラーメンが用意されており、トッピングも自由に載せられる。
中には他のラーメンとブレンドした客もいた。
時間経過
・回転ラーメン
お湯を入れてまだ固い物や、誰もとらなくて伸び過ぎた物、そして、お湯が無くなった為にゾロリがそのまま載せた物(アニメ版ではお湯の代わりに水を入れただけの物も混じっていた)が回ってきた為、客が怒りだした。
「こんなのくえない」
「こんなのでかねとるなー」
「これ、めんがかたいよ インスタントラーメンじゃないの」
「うひょーまじー」
「いくら100えんでもこりゃまずすぎる」
「うへーっべちょべちょ」
「こっちはバリバリ」
「あたりはずれがおおきいね」
「もうかえる」
・ラーメンバイキング
大量に作られたラーメンは、時間経過によって麺がスープを全部吸ってしまい、うどんの様に太くなってしまった。
「ふといめんだな」
「めんがスープをぜんぶすっちゃったんだな」
「なにこれうどん?」
「スープなくなったよ」
「すぐきれちゃうよ」
石塚「おなかがふくれるだけでおいしくないね」
「すごいかたまりになっちゃった」
「かえる」
やがて、どちらの店からも客がいなくなり、全財産を使い果たしたツルのおやじはカウンターに突っ伏して泣き、後先どうなるか考えずに大量のラーメンを作ったカメのおやじは、うどんの様に太ったラーメンを前に立ち尽くしていたのだった。
すると、ツルのおやじの前にはラーメン王に化けたゾロリ、カメのおやじの前にはイシシ・ノシシがそれぞれ現れた。
ゾロリは「まぼろしのラーメン」を作って客を呼び戻すと言い、イシシ・ノシシは残り物のベチョベチョラーメンを使って行列のできるラーメン屋にすると言い出した。